健康管理とは?【必要なことは?】企業の義務、例

健康管理とは、企業が、従業員のために安全で健康に働き続けられる環境を整えることです。健康管理業務、ストレスチェック、健康管理業務の関連サービス、コロナ禍の対応などについて解説します。

1.健康管理とは?

健康管理とは、企業における重要な業務のひとつです。

「労働契約法第5条」により、従業員に対して、生命や身体などの危険から保護する環境を用意することが義務付けられており、これを「安全配慮義務」といいます。

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と明文化されており、「労働安全衛生法」においては保護のみならず、積極的に健康に配慮した職場環境を整えることまでを求めています。

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2.健康管理に関する法律

健康管理に関する法律として次のようなものがあります。

  • 労働契約法第5条
  • 労働安全衛生法

以下で詳しく解説します。

労働契約法第5条

労働契約法第5条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。

使用者の直接の義務は、労働に対して賃金を支払うことですが、働く場所や設備などをできるだけ安全な状態に保持し、労働者が安全な状態で働けるように配慮する義務も負っています。

労働安全衛生法

労働安全衛生法とは、「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的とした法律です。

また、その手段として、

  • 労働災害の防止のための危害防止基準の確立
  • 責任体制の明確化
  • 自主的活動の促進の措置

など総合的、計画的な安全衛生対策を推進するとしています。1972年に可決成立した法案です。

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3.健康管理は企業・従業員の義務

健康管理は、安全配慮義務および自己保険義務として義務化されています。それぞれ詳しく解説していきましょう。

企業・従業員が健康管理を行う意義

健康管理ができない人が組織の中に相当数いた場合、組織のパフォーマンスが低下します。

また病気の社員がいた場合、組織としての生産性の低下、業績の低下、企業イメージの低下につながります。

そのために従業員の健康管理は重要です。従業員の健康は会社の利益にも直結するため、企業側の健康への投資を行うべきでしょう。

安全配慮義務

安全配慮義務は、会社は従業員が安全で健康に働くことができるよう、職場の環境や勤務体制、健康管理体制に配慮を行うという責任があるということが定められています。

法的な罰則はありませんが、労働災害時にこの義務を怠っていると、多額の賠償責任を問われる場合があります。また心を健康にすること、メンタルヘルスも含まれています。

自己保健義務

自己保健義務とは、従業員に求められている義務です。安全で健康に働けるよう、自らの健康状態を注意し、管理していくことを指します。

たとえば、会社で健康診断の受診を義務づけられていたら、受診する義務があります。
あわせて労働者は、企業が労働災害を防止するための必要事項を守り、企業がとる措置に協力するよう努めます。

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4.健康管理業務とは?

健康管理業務とは、健康診断を実施し場合によって面談、保健指導、メンタルなどの健康相談などを行うことを指します。

健康診断

健康診断は、大きく分けて次のふたつの種類があります。

  • 一般健康診断…職種など仕事の種類や、勤務時間に関係なくすべての職種、企業に対して行われる健康診断。雇入時や定期検診、給食従業員の検便など
  • 特殊健康診断…有害業務に従事する従業員(高気圧業務や放射線業務など)に対して実施する健康診断のこと

いずれも労働安全衛生法で定められています。

ストレスチェック

ストレスチェックは、50人以上の労働者を抱える事業場では、すべての労働者に対して年1回の実施が義務付けられています。

目的は、

  • 労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること
  • 職場環境の改善

です。

実施しなかった場合の罰則はありませんが、労働安全衛生法第100条で労働基準監督署への報告が義務付けられています。

労働時間管理(勤怠管理)

健康確保を図るため、原則として従業員を雇う全ての企業に義務付けられています。従業員の人数に関係なく、1人でも雇用している企業は実施する義務があります。

従業員の自己申告のみで管理している場合は、使用者が労働時間を適切に把握していないとみなされる場合があります。

そのため、自己申告による労働時間の管理は原則、認められていません。

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5.健康管理を行うメリット

健康管理業務には従業員のモチベーションアップや生産性の向上、優秀な人材の確保などさまざまなメリットがあります。

従業員のモチベーション向上

健康的な環境にいると、仕事をする上で従業員のモチベーションアップにつながります。会社が従業員の健康管理を徹底して行うことで、従業員が健康的な身体を維持しやすくなり健康への関心も高まります。

健康で体力が満ちあふれていると、精神的にも満たされ、仕事に身が入り業績も上がるため、従業員のモチベーションはアップしていくでしょう。

生産性の向上

会社が従業員の健康管理に取り組むことで、従業員がモチベーションを高く持ち続けながら働くことができます。

その結果、従業員の活力向上、生産性の向上、会社の業績向上へとつながることが期待できます。

長時間労働や職場での人間関係によるストレスなどがあれば、従業員が疲弊し、生産性低下につながる可能性があります。

優秀な人材の確保

従業員の健康や働き方に配慮していることは、求職者にとっての魅力につながり、採用力強化になります。

近年の求職者が企業に求めるのは、ワークライフバランス重視です。収入や仕事へのやりがいの他に、福利厚生の充実、自由な時間が多いこと、子育てや介護との両立などです。

従業員を大切にしている企業と分かれば優秀な人材確保へとつながります。

休職者の減少

健康管理に取り組むことで、従業員の休職が減り、休職者対応のコストを減らすことができます。

平成20年に内閣府男女共同参画局が試算・公表している「メンタルヘルスが原因で休職者が1名出た場合のコスト」を見てみると、30代後半、年収約600万円、男性が6カ月間休職する場合、休職期間6カ月で約224万円となっています。

離職者の減少

働きやすい環境が整備され従業員の健康が保たれることで、従業員の定着率が上がります。

厚生労働省の調査によると、離職するおもな原因は労働環境によるものがほとんどです。長時間労働、休日出勤などにより体調不良を引き起こし離職するケースが大半です。

離職を防止するためには従業員の労働環境を整え、健康管理をすることです。

企業イメージアップ

経済産業省が優良な健康経営を行う企業に対する社会的な評価を高めることを目的とした「健康経営顕彰制度」に代表されるように、健康管理に積極的な企業であることはイメージアップにつながります。

企業が健康管理への取り組みを行えば、消費者はもちろん、求職者や取引先、金融機関などから高い評価を得られるでしょう。

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6.健康管理業務の関連サービス

近年では健康管理に役立つサービスが数多く出ています。企業ごとのニーズに合わせて導入することが大切です。

ハピルス健診代行

株式会社ベネフィット・ワンでは、健康診断の予約から精算までワンストップで代行する「ハピルス健診代行」を提供しています。

このサービスを導入することで、事務負担軽減、戦略的な健康管理や健康実施が期待できます。

健診の結果をデータ化することで、事後措置管理がスムーズになり、経年管理が可能な専用データベースの利用も可能です。

first call 健診管理サービス

株式会社Mediplatは、オンライン上で社員の健康状況を管理し、医師および産業医との連携、法定業務の対応をワンストップで行う「first call健診管理サービス」を提供します。

健診結果の仕分け、産業医への健診結果の郵送や労基署への報告書の作成などすべてオンラインで対応し、健康診断に関わる業務負担を効率化します。

ヘルス×ライフ

勤次郎株式会社では、従業員の健康状態をデータで管理、分析を行う「ヘルス×ライフ」を提供します。

人事労務担当者により、健康ポイントの対象項目・付与条件・ポイント還元による褒賞などを設定できます。

また、従業員の健康に対する目標選択の指示をすることで、自分に合った目標を立てることができるため、より意欲的に健康に取り組むことが可能になります。

健診予約システム

株式会社バリューHRでは、健康診断の予約から、実施後の事務代行、受診者のアフターフォローまでワンストップで行う「健診予約システム」を提供しています。

そのほか、

  • インターネット上で最新の健診結果や過去データの閲覧・管理する「健診結果管理システム」
  • 巡回バスを用いて会社付近で健康診断が受けられる「巡回健診手配代行サービス」

など多彩に提供します。

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7.コロナ禍における健康管理

コロナ渦における在宅勤務の拡大で健康管理が難しくなっている今、現状況に合わせた健康管理業務を行うことが重要です。

従業員が個別に相談できる環境を整える

従業員の現在の状況を把握するため、Web会議ツールなどを使って、従業員と個別にコミュニケーションを行う場を設けることが重要です。

業務報告や個別の相談など、在宅勤務中であっても些細な質問や悩みを話せる環境を整えることが大切です。
上司は、仕事の負荷とあわせて、部下の心身の健康にも気を配る必要があるでしょう。

オンライン上での産業医面談を可能にする

コロナ渦により厚生労働省は初診からオンライン診療を実施することを解禁しています。

これに伴い、高ストレス者と判断された従業員や、長時間労働者に対して行われる産業医の面談を、オンライン化する企業が増えています。

企業内にメンタルカウンセラーなどを設けている企業は、これらの面談もオンラインで行うことで健康管理ができるでしょう。

従業員から健康情報を提供してもらう

健康情報保護に関する措置「健康情報取扱規定」の策定が事業者に義務付けられています。

健康診断の結果など従業員の心身の状態に関する情報の取扱いに関するルールについて、事業者側は目的を正しく理解した上で、適切な規程を策定する必要があります。

運用のポイントは、健康管理を専門に相談できる窓口を設置し、従業員の健康情報を得られる仕組みをつくることです。