ハードシップ手当とは? 国別の相場、支給のトラブルと注意点、導入事例まとめ

従業員を海外に赴任させることは、該当社員の毎日の生活や人生を大きく変えることでもあります。友人や知人、時には家族とも遠く離れてひとり異国の地に向かう従業員に対して、どのようなケアをしていけばよいのでしょうか。

「ハードシップ手当」とは?

日本国内での転勤であれば、ある程度の差異はあるものの、どこに住んだ場合でも、治安やライフラインは一定以上の水準を保つことができます。ところが、海外赴任の場合、必ずしも安全で快適な生活が送れるとは限りません。

電気やガス、水道などが安定供給されているのかということや、食料の安全性、治安など、海外赴任は多くの不安を従業員に与えることとなります。そして実際に、日本に比べると過ごしにくく、犯罪率の高い国も多くあり、そういったところに赴任することになる従業員の心的負担はそれだけ大きなものになります。

こうした負担を軽減するために支給されるのが「ハードシップ手当」です。国や都市別に安全性や生活の不便さなどを評価して、その指数に従って手当を支給するのです。


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ハードシップ手当の算出方法

実際にハードシップ手当をいくら支給するのか、そもそも支給するのかといったことは、各企業の賃金規定に基づいて決められます。

ハードシップ手当が支給される場合、まずは国別のリスク指数を求め、それに基づいたハードシップ手当額を算出する必要があります。海外赴任とひとことでいっても、開発途上国への赴任と、先進国の大都市への赴任とでは条件が異なるためです。

ニューヨークなどの大都市への赴任に対しては、日本での生活と比較した場合に、それほど大きな困難がないことから、多くの場合、ハードシップ手当の支給対象にはなりません。

ハードシップ手当は、それぞれの国の「生活の困難さ」を数値化した後、それに見合った額を支給します。実際の支給額は、年収や月収に一定料率をかけた額や、規定の一定額が支払われます。

国別のハードシップ手当の相場

ハードシップ手当は、生活を送るのが困難な地域であればあるほど高く、日本の水準に近い暮らしが送れる国であればあるほど低くなっています。

そのため、ハードシップ手当の基準となる生活水準の判断は慎重に行う必要があります。

状況は刻々と変わって行くものではありますが、三菱商事のハードシップ手当の例では、上海や北京への若手の赴任で2.6万円(単身)、もしくは3.1万円(家族帯同)、アフリカのラゴスへの赴任で27.2万円(単身)、もしくは45.9万円(家族帯同)と、危険度の高さによって10倍以上の差がつくこともあります。
参考:週刊ダイヤモンド「30歳で年収1000万円超!?伊藤忠がリアル年収でも財閥系商社に下剋上」http://diamond.jp/articles/-/73870

各国の生活水準については、MERCERが日本を100とした場合の数値を公表しており、ハードシップ手当の額の算出に役立てることができます。

ハードシップ手当を利用する際の難しさ

ハードシップ手当は、危険地帯や開発途上国への赴任への抵抗感を軽減させるものではありますが、利用には注意も必要です。

特に開発途上国では、刻々と地域の状況が変化していきます。数年前まではライフラインが整っていない悪環境であったのに、瞬く間に発展していき、大都市になっていくこともあるのです。こうした場合に、最初に決定したハードシップ手当をそのまま支給し続けると、実態と見合わない手当が支給されることになってしまいます。

そのため、ハードシップ手当は定期的に金額や料率の見直しが必要になります。しかし、見直しによって、従業員側から見ると、同じ国に海外赴任を続けているのに給与が減らされたと感じてしまう場合があります。

ハードシップ手当はあくまでも地域の情勢に応じて支払われるもので、海外赴任そのものに対する手当ではないということを周知させる必要があります。