48%の確率で従業員エンゲージメントの低い社員がいる! エンゲージメント向上に悩む人事のリアルな声とは?

従業員エンゲージメントの向上は、優秀な人材の流出に歯止めをかけることに繋がります。ここでは人事的な視点からエンゲージメントの意味や日本の水準、エンゲージメントを高める人事施策などを見ていきます。

1.人事領域におけるエンゲージメントの意味

従業員エンゲージメントとは、「従業員が所属する組織と自分の仕事に対して抱く、熱意と自発的に貢献しようという意欲」のこと。従業員員満足度と一見似ていますが異なるので間違えないようにしましょう。

従業員満足度と従業員エンゲージメントの違い

従業員満足度と従業員エンゲージメントには、問題の方向性に違いがあります。従業員満足度が「従業員は会社(企業)に満足しているか」という従業員から見た一方向的なものなのに対し、従業員エンゲージメントは会社と従業員の双方向に関係を問うのです。

「会社(企業)は従業員の期待に応えられているか」「従業員は仕事に充足感を持って意欲的に取り組めているか」といったように、双方向となるのが従業員エンゲージメントです。

従業員エンゲージメントは、自分だけでも相手だけでもない、双方の関係によって決まるものです。従業員満足度と混同しないようにしましょう

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2.48%の確率で従業員エンゲージメントの低い社員が存在する

日本の会社における従業員エンゲージメントのレベルを見てみましょう。2017年のデータによれば、仕事に熱意を持てていない従業員の割合は、海外企業と比べて約20%も低いと分かっています。

これはある特定の国や地域と比較したものではありません。日本と北米、欧州、中南米といった諸地域と比較しても、非常に低い水準といえます。

日本企業の従業員エンゲージメントの水準

日本企業と海外企業、2つ間における従業員の肯定的な回答率に20%もの差が存在しています。日本の会社で熱意を持って働いている従業員は27%と、全体の3分の1にも及ばない結果になっているのです。

反対に否定的な回答、つまり会社に対して熱意を持てていない従業員の比率は48%と、ほぼ半分に相当します。日本人の2人に1人の割合で仕事に熱意を持てていないという、非常にショッキングな数値です。

「勤勉」「就社」という言葉に代表されるような、日本の従業員が組織に対して愛着を持っていたり貢献意欲に高かったりするという姿は、もはや過去のものかもしれません

3.従業員エンゲージメントに悩む人事のリアルな声とは……?

近年、一般的に知名度の高い大企業の人事部からも、従業員エンゲージメントに悩む声を聞くようになってきました。

「入社してわずか3年程度で辞めてしまう社員が増えている」「若手社員のモチベーションをうまくコントロールできない」などです。ここでは従業員エンゲージメントに悩む人事のリアルな声をいくつか紹介しましょう。

例①入社3年で退職する新卒が多い

外資系やベンチャーなど学生がより魅力を感じる就職先が、昔に比べてはるかに増えていおり、差別化を図るため、どの企業でも新卒採用に相当な労力をかけています。しかしそれにも関わらず入社して3年程度で辞めてしまう従業員が後を絶たないのです。

一人前のビジネスパーソンに育ってきたところで他企業に行かれてしまい、頭を抱える人事部は少なくありません。

例②若手知名度の高い大企業の人事部からのモチベーションを維持できない

若手従業員が不満に感じている事柄として最も多く耳にするのが、「自身のキャリア目標達成の見込み」について。つまり若手従業員のモチベーションを維持しきれていないという実態です。

もっと事業そのものに携わりたい、市場をダイレクトに感じられる仕事がしたいという欲求を持つのは自然でしょう。しかし彼らの希望をすべて満たすのは難しいため、結果として気持ちは途切れ、会社から離れる従業員が増えてしまうのです。

知名度の高い大企業の人事部からは、「入社3年で退職する新卒が多い」「若手社員のモチベーションを維持できない」という声が挙がっています

4.エンゲージメントを高める人事施策

人事部は、従業員エンゲージメントを高めるためにどのような施策を講じればよいのでしょう。課題は、「自身のキャリア目標に向けて、この会社(企業)は十分な成長機会を与えてくれない」と感じている従業員の多さです。

従業員エンゲージメントに関する施策を管理するのは人事部や総務部

日本で従業員エンゲージメントに関する施策を管理するのは、基本、人事部や総務部などです。経営陣らが取り組みの推進主体となることはほとんど無いといってよいでしょう。

話が大きくなると具体的な活動を展開するのが難しくなるため、即効性の高い、現場レベルでの取り組みが重要だと考えられています。

人事施策の基本的な考え方

従業員エンゲージメントの向上は、付け焼き刃でどうにかなる問題ではありません。旧来的な従業員との関係性を見直さなければならないのですから、小手先の方策ではどうにもならないのは当然でしょう。

いくら現場レベルで取り組みを行おうと試みても、経営者が本腰を据えて従業員の自己実現と育成を支援しなければ、従業員エンゲージメント向上は成就しないのです。

具体例

従業員エンゲージメントを高めるため、ヤマト運輸では2008年11月から「満足ポイント制度」を導入しました。これは周囲の評価や自己評価、企業からの評価をポイントにして蓄積する制度で、ポイントが高ければ高いほど名誉あるバッジを入手できます。

従業員同士がお互いのよい面を引き出してポイントを積み上げるため、従業員間の信頼関係も強固なものに変化します。この制度により、従業員は自らの評価を積極的に上げる、つまり従業員エンゲージメントを向上できたのです。

従業員エンゲージメントの向上に成功した企業は、企業実績でも成果をあげています。ヤマト運輸だけでなく、成功した企業例はいくつかあるので参考にしてみるとよいでしょう