就業率とは、15歳以上の人口に占める就業者の割合を示す労働統計の指標です。総務省が毎月「労働力調査」で公表しており、完全失業率とあわせて労働市場の動向を把握する際に活用されます。
本記事では、就業率の定義と計算方法、推移の読み方、有業率・労働力率との違いを解説します。
「就業率」とは?
就業率とは、15歳以上の人口における就業者(従業者+休業者)の割合を示す指標で、総務省統計局が毎月実施する「労働力調査」で公表されます。
就業者の定義
- 従業者 — 調査期間中に収入を伴う仕事に1時間以上従事した人
- 休業者 — 仕事を持ちながら調査期間中に全く働かなかった人のうち、給与・賃金の支払いを受けている(または受ける予定の)雇用者、もしくは自営業者で休業開始から30日以内の人
- 就業者 — 従業者と休業者を合わせた総数
就業率は、15歳以上の人口における就業者の割合のことを指します。これは、「完全失業率」とともに、総務省統計局が毎月発表している「労働力調査」において公表されます。
・就業者とは
収入を伴う仕事に調査期間中に1時間以上ついた人を「従業者」と呼びます。そして、仕事を持っているけれども、調査期間中に全く働かなかった人の内、雇用者であり給与や賃金の支払いを受けているもしくは受ける予定になっている人と、自営業者で事業を持ったまま仕事を休み始めて30日以内の人を合わせて「休業者」とよびます。従業者と休業者を合わせたのが「就業者」です。
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就業率の定義と推移
就業率の定義と推移とは、15歳以上人口に対する就業者数の比率を時系列で追い、労働市場の拡大・縮小傾向を把握するための分析のことです。
就業率とは15歳以下の就業者の数を元に算出されます。
例えば、2016年9月の労働力調査の基本集計では下記の通りでした。
(1) 就業者数,雇用者数
就業者数は6497万人。前年同月に比べ58万人の増加。22か月連続の増加
雇用者数は5771万人。前年同月に比べ84万人の増加。45か月連続の増加
(2) 完全失業者
完全失業者数は204万人。前年同月に比べ23万人の減少。76か月連続の減少
(3) 完全失業率
完全失業率(季節調整値)は3.0%。前月に比べ0.1ポイント低下
引用元:総務省統計局http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/
安倍内閣の「新成長戦略」における目標では、2020年までの目標として、全体の就業率 を次のようにあげることを掲げています。「20~64歳の就業率を80%とし、15歳以上の就業率を57%にする」。目標に向けて、就業者数と雇用者数は増加傾向が続いています。

(引用:総務省統計局http://www.stat.go.jp/data/topics/topi483.htm)
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有業率と労働力率との違い
有業率と労働力率との違いとは、有業率が「ふだん仕事をしている人」の割合、労働力率が「働く意思のある人」の割合を指し、就業率とはそれぞれ調査方法と母数が異なるという点です。
就業率・有業率・労働力率の比較
| 指標 | 定義 | 母数 | 調査元 | 公表頻度 |
|---|---|---|---|---|
| 就業率 | 就業者÷15歳以上人口 | 15歳以上人口 | 労働力調査(総務省) | 毎月 |
| 有業率 | 有業者÷15歳以上人口 | 15歳以上人口 | 就業構造基本調査(総務省) | 5年ごと |
| 労働力率 | 労働力人口÷15歳以上人口 | 15歳以上人口 | 労働力調査(総務省) | 毎月 |
就業率だけではなく、有業率と労働力率も採用の傾向を予測する上で大切な指標になります。また、雇用形態や産業など、多角的な情報を集めて分析することが重要です。人事担当者は、これらの数値を見て、採用の傾向を探り計画を立てましょう。どんなスキルを持ったどの世代の方が欲しいのか明確に検討しましょう。
・有業率
有業率は、15歳以上の人口に占める有業者の割合のことを指します。
・労働力率
労働力率は、15歳以上65歳未満の生産年齢人口に対して、労働力人口がどのくらいの割合になるかを指します。日本の生産年齢人口は1990年代をピークに、その後減少に転じています。
・労働力人口
働く意思を持っている、労働が可能な人口のことを指します。
就業率に関連する主要指標の比較表
以下の比較表では、「就業率」に関連する概念の違いを整理しています。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせた判断にお役立てください。
| 指標 | 定義 | 計算式 | 視点 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 就業率 | 15歳以上人口に占める就業者の割合 | 就業者数÷15歳以上人口×100 | 人口全体 | 国全体の就労状況の把握 |
| 有業率 | 15歳以上人口に占める有業者の割合 | 有業者数÷15歳以上人口×100 | 人口全体 | 就業構造の長期的分析 |
| 労働力率 | 15歳以上人口に占める労働力人口の割合 | 労働力人口÷15歳以上人口×100 | 人口全体 | 働く意思のある人の割合把握 |
| 完全失業率 | 労働力人口に占める完全失業者の割合 | 完全失業者数÷労働力人口×100 | 労働力人口 | 雇用情勢の判断 |
| 有効求人倍率 | 求職者1人あたりの求人数 | 有効求人数÷有効求職者数 | 労働市場 | 人材需給バランスの把握 |
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よくある質問
就業率と完全失業率を合計すると100%になりますか?
なりません。就業率は「15歳以上人口に占める就業者の割合」、完全失業率は「労働力人口に占める完全失業者の割合」であり、母数が異なります。15歳以上人口には、就業者でも完全失業者でもない非労働力人口(学生・専業主婦・高齢者など)も含まれます。
人事担当者が就業率のデータを活用する場面は?
採用計画の策定時に、産業別・地域別の就業率の推移を確認することで、人材確保の難易度を予測できます。就業率が高い地域や産業は労働力がすでに市場に供給されており、新規採用が難しい可能性があるため、採用手法や条件の見直しに役立ちます。
就業率と有業率はどちらを参考にすべきですか?
目的によって使い分けます。就業率は総務省「労働力調査」で毎月公表されるため、直近の労働市場の動きを追うのに適しています。一方、有業率は「就業構造基本調査」で5年ごとに公表され、雇用形態・産業・地域ごとの詳細な就業構造を長期的に分析する際に有用です。採用計画の短期的な見直しには就業率、中長期の人員計画には有業率を参照するとよいでしょう。
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