デュアル・システムとは? 職業教育のデュアル・システム導入と課題

デュアル・システムはドイツの教育システムで、学校での座学と職場での職業訓練を同時に行うものです。日本でも2004年から、日本版デュアル・システムが導入されています。この日本版デュアル・システムとその課題について取り上げます。

デュアル・システムとは?日本でも導入された職業教育システム

デュアル・システム(Dual system)は、もともとはドイツで始まったもので、学校での教育と職場でのOJTによる職業訓練が同時に受けられる職業教育システムです。

ドイツでは訓練生としてパートタイムの職業学校と企業の両方で教育を受け、訓練生はこの期間企業と職業訓練契約を結ぶため、訓練生手当が支給され社会保障制度に加入できます。

ドイツのこのデュアル・システムは、周辺国などでも導入されており、日本でも2004年から、文部科学省と厚生労働省が連携して実施する『日本版デュアル・システム』がスタートしました。

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日本版デュアル・システムの導入の背景

日本版デュアル・システムは、働きながら学ぶ、そして学びながら働くことで、若者を職業人として育てる職業教育システムです。教育訓練機関による座学と企業でのOJTによる職場訓練を同時並行して行うことで、若者を職業人として一人前に育て、就職へ結びつけることを目的としています。

デュアル・システム導入の背景としては、高卒者の就職状況の悪化や、1900年以降増え続けるニートやフリーター対策があげられます。

厚生労働省による施策は、教育訓練機関として公共職業能力開発施設や専修学校、訓練認定校を充て、1~2年の企業実習を行うコースで、40歳までのニートやフリーターを対象としています。また文部科学省による施策では、専門高校からモデル校を選び、学校で講義を受けつつ1週間~数週間の企業実習を受ける職業教育を行い、高卒者の就職支援としています。

日本版デュアル・システムの課題

文部科学省のデュアル・システムについては、事前に企業で職業訓練をしたことで自信を持って就職活動に挑めたなどの訓練生の意見があがっています。

一方、厚生労働省のデュアル・システムは、ニート、フリーターが対象ということで、企業側にはスタート時、訓練生の意欲を心配する声がありました。

また、訓練生を受け入れる場合は国から補助金が支給されますが、給与や訓練費用は企業側に負担がかかります。実際スタートしてみると、ニートやフリーターの参加率は低く、彼らに参加を促すことが今後の課題の1つです。

また、参加企業は中小企業が多く、自社で採用を行うのとは違い、採用前に訓練生として職場訓練を通して互いに相性を見極めてから正式に雇用できるこのシステムは、一定の評価を得ています。今後は、参加企業を増やしていくことが課題となっています。

労働力人口が減少していく中、国ではニート、フリーターの活用を模索し、何度でも再チャレンジできる社会の構築を目指しています。人事部としても、このデュアル・システムについて理解を深めておきましょう。