ディスラプションとは? 生まれた時期や特徴、変化や事例、対応や対処法について

破裂や崩壊を意味するディスラプションとは、一体どのような意味を持つのでしょうか。

ここでは、

  • ディスラプションとは?
  • 生まれた時期や特徴
  • 変化や事例
  • 対応や対処法について

などのテーマからディスラプションを深く掘り下げます。

1.ディスラプションとは?

ディスラプション(disruption)とは、破裂や崩壊を意味する言葉。ビジネスでは、デジタルと組み合わせた「デジタルディスラプション」という言葉として使われることが多いようです。

デジタルディスラプションとは、デジタルテクノロジーによる破壊的創造・破壊的イノベーションのことで、既存のものを破壊するような革新的なイノベーションを指します。

この数十年間で、多くのデジタルディスラプションが起き、社会に大きな変革をもたらしました。

言葉の意味

では、「ディスラプション」という言葉の意味を見ていきましょう。

ディスラプションの意味

ディスラプション(disruption)という英語は、日本語に訳すると破裂、崩壊という意味で使われます。

ディスラプションとは崩壊を意味する言葉で、デジタルと組み合わせた「デジタルディスラプション」という言葉として使われることが多いです

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2.ディスラプションはいつ生まれたのか

ディスラプションという言葉が最初に登場したのは、1992年5月に発表されたアメリカとフランスの新聞記事でした。ここでは、ディスラプションは将来像を大胆に想像し、未来を描くための能動的な手法のことを指していたのです。

それ以前、このディスラプションという単語は、地震や疫病など否定的な意味で使用されることが多く、当時はこの言葉に良くないイメージを持つ人も多かったのです。そのため、この概念に批判的かつ懐疑的な意見も多々ありました。

ディスラプションという言葉は1992年5月に初めて登場したのですが、当時この概念に批判的かつ懐疑的な意見が数多くありました

3.ディスラプションの特徴

ここからは、ディスラプションの特徴を詳しく見ていきましょう。

イノベーションのジレンマ

「イノベーションのジレンマ」とは1997年、ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が提唱した経営理論です。大企業が転落する原因と仕組みを示すもので、現在のイノベーション理論に大きな影響を与えています。

クリステンセン教授は、業界をリードしていたパイオニアの大企業が、新たな技術革新に直面し、転落する現象に着目し、このような現象を引き起こすイノベーションを「破壊的イノベーション」と呼びました。

破壊的イノベーション

破壊的イノベーションとは、「小企業が発明した製品が売り上げを伸ばす→大企業も製品の改良を進めるが品質が良くなりすぎて行き場をなくす→小企業の製品が大企業の製品品質に追いつく→大企業の顧客は小企業に奪われ、業界から転落する」という流れのこと。

このような仕組みのことをといいます。この概念から、後に新技術を用いた製品などが既存のものに取って代わる現象をディスラプションと呼ぶようになったのです。

持続的イノベーション

持続的イノベーションとは、すでにある製品の品質を高めることで、顧客のニーズに合わせる技術革新のこと。

この持続的イノベーションにたけているのは大企業でしょう。たとえば、自動車であれば燃費向上、デジタルカメラであれば高画質化などが挙げられます。

基準となる価値は利用者が創り上げているため、価値の向上に成功した企業はその分多くの市場シェアを獲得できるのです。

デジタルディスラプション

ディスラプションとデジタルを組み合わせた言葉である「デジタルディスラプション」は、ビジネスシーンで使用される言葉です。

デジタルディスラプションとは、デジタルテクノロジーの進化によって、既存の産業が立ち行かなくなり破壊されてしまうこと。たとえば、伝達手段においてもポケベル・Eメールの時代を経て、現在ではアプリ内でのコミュニケーションが主流になっています。

デジタルボルテックス

デジタルボルテックスとは、デジタルディスラプションが発生する可能性を渦のように表現したもので、各業界が置かれている状況をより的確に表現します。

これは業界別のデジタルディスラプションが発生する可能性に基づいて、各業界を渦の中心から配置しているもので、現在のデジタル技術とビジネスを取り巻く状況を巨大な渦にたとえているのです。

渦は混沌として予測不可能であり、技術革新と既存の業界の現況は、まさにこのような状態だと指摘されています。

1997年に提唱された経営理論「イノベーションのジレンマ」は、現在のイノベーション理論に大きな影響を与えています

4.ディスラプションが引き起こした変化、事例

ディスラプションが引き起こした変化、事例をご紹介します。

カメラ

最初の事例はカメラです。デジタルカメラの台頭というディスラプションによって、フィルムカメラはあっという間に市場から姿を消しました。しかし近年、フィルムカメラの良さは見直されてきています。

富士フイルムは2019年6月に白黒フィルムの製品を新たに発売すると発表。「フィルム愛好家を始め、フィルム写真独特の風合いを好むSNS世代の若年層を中心に黒白フィルムの販売継続を望む声が多く寄せられた」ことがきっかけだと話しています。

音楽

次の事例は音楽です。カセットテープやCDなど物理的な形で販売されてきた音楽。しかしデジタルデータ化したことで、音楽はインターネットから簡単に購入できるようになりました。

月額などで利用できるインターネットを通じたサブスクリプション型ビジネスも増加し、現在ではワンクリックで音楽を楽しめるようになっています。

その革新的な例ともいえるのが、Apple社のメディアプレーヤー「iTunes」と音楽配信サービス「iTunes Store」でしょう。

保険

保険においてもディスラプションが起こりつつあります。車は所有するのが当たり前だったのが、所有しないのが当たり前になりつつある状態になってきているのです。

また、自動運転などの技術により車が進化。それに伴い、2025年ごろより自動車保険市場は収縮するとされています。

既存の保険はディスラプトされるという前提のもと、SOMPOホールディングスでは事業の創出というミッションを掲げた部門を立ち上げているのです。

人事

人事においてもディスラプションが起きています。これまで求人広告は紙が主体でしたが、インターネットの普及によりデジタルが主体となったのです。それにより、ダイレクトリクルーティングなど採用方法や採用および人材の管理方法が一気に増加しました。

エントリーシートも、紙媒体で管理するのではなく、デジタル化が進んでいます。さらに、データを分析して自社で活躍する人材の見極めに役立つツールなども登場しているのです。

ディスラプションによって、カメラ、音楽、保険、人事などさまざまな分野において変化がもたらされました

5.デジタルディスラプションの対応、対策、対処法

最後に、デジタルディスラプションの対応、対策、対処法を見ていきましょう。

技術開発を他者に任せる

まず挙げられるのが、技術開発を他者に任せること。

顧客を抱える他者に任せる

その技術や製品を求める顧客を抱える他者に、破壊的イノベーションの技術開発を任せることで、開発がスムーズになります。

大多数の既存企業は、破壊的イノベーションをもたらす技術の存在を察知しながらも、自社のメイン部門に開発を任せた結果、経営資源の配分が後回しになり、開発が後手となって失敗します。

そこで、破壊的イノベーションの性質を理解し、その技術を求める顧客を担当する別組織に担当を任せる必要が生じるのです。

小企業に任せる

大企業では売り上げが低くなりやすい小さい製品やサービスは、見向きもされないことも少なくありません。破壊的イノベーションをもたらす技術を使用した製品は多くの場合、既存製品よりも低性能・低収益なため、大企業では重要視されることがないのです。

しかし、小企業や小さな組織は小さい製品やサービスなどの低収益なものでも小さな成長を喜びと捉えます。そうしたところに任せることで、より前向きに開発を進めてもらうことができるのです。

市場の開拓

次に挙げられるのが「新しい市場」を開拓すること。

破壊的イノベーションによる製品を無理に既存の顧客に販売しようとし、既存の顧客に合うよう調整を続けた結果、その製品の持つ価値を十分に発揮できず、結果として他社が提供する新製品に市場を奪われたという事例があります。

製品の価値を十分に発揮するためにも、破壊的イノベーションによる製品は新しい市場で見つける必要があるでしょう。

価値基準の発見

破壊的イノベーションをもたらす技術を使用した製品は、これまでの価値基準では対応できないことも多々あります。

破壊的イノベーションによる製品は、十分な経営資源を受けられないことも多いですが、そのような場合でも従来の価値基準や業務プロセスを適用することがないよう、十分注意する必要があります。

つまり、既存の顧客ではなく、新しい製品やサービスを求める顧客に合うような「価値基準」を創造しなければならないのです。

デジタルディスラプションの対応として挙げられるのは、「技術開発を他者に任せる」「新しい市場を開拓する」などです