デジタルネイティブとは? 世代の特徴や指導方法、消費傾向

デジタルネイティブとは、物心ついた頃からパソコンやインターネットが普及していた環境で育った世代のことです。ここではデジタルネイティブ世代の特徴や指導方法、マーケティングアプローチなどについて解説します。

1.デジタルネイティブとは?

デジタルネイティブとは、生まれたとき、また物心ついた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代のことで、アメリカの作家マーク・プレンスキー氏が提唱しました。

一般的に生まれながらにしてIT環境に囲まれ、インターネットやスマートフォンを使いこなす前提のある年代や世代を、「デジタルネイティブ世代」と呼ぶのです。

デジタルネイティブの対義語「デジタルイミグラント」

デジタルイミグラントは、IT普及以前のアナログ環境に生まれ、学習によって後天的にデジタル環境に合わせてきた世代です。「デジタル移民」や「デジタル入植者」と呼ばれる場合もあります。

また子どもから学生時代にかけて携帯電話やインターネットに親しんできた世代を「デジタルネイティブ第1世代」、TwitterやFacebookなどのSNSを使いこなす世代を「デジタルネイティブ第2世代」と呼ぶ場合もあります。

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2.デジタルネイティブ世代とは?

デジタルネイティブ世代とは、日本では1990年代から2000年代に生まれた世代のこと。日本でインターネットサービスが普及したのは1990年代半ば。これ以降に生まれた世代を「デジタルネイティブ世代」と呼ぶのが一般的です。

生まれつきインターネット社会に接している彼らは幼い頃からグローバルな視野を持っています。ネットを通じて自由に活動しているのが特徴です。

ミレニアル世代

1980年代から1995年頃に生まれ、2000年代に成人となった世代を「ミレニアル世代」あるいは「Y世代」といいます。パソコンやスマートフォンなどのIT製品に囲まれて育ったこの世代は「はじめてのデジタルネイティブ世代」ともいわれているのです。

ミレニアル世代は情報リテラシーに優れ、IT製品の利用やインターネットを使った情報検索に抵抗がありません。インターネットを介して多くの価値観に触れているため、多様性に寛容な一面もあります。

Z世代

ミレニアル世代(Y世代)の後に生まれた世代を「Z世代」といいます。1990年代後半から2012年頃に生まれた世代です。SNSネイティブ、スマホネイティブでもある彼らは「デジタルネイティブ世代の完成形」とも呼ばれます。

彼らはミレニアル世代以上にデジタルに対する造詣が深く、IT製品の裏側に潜む危険性にも気づいています。またブランドや肩書よりもモノの本質に価値を見出す傾向があるのです。

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3.デジタルネイティブ企業とは?

1995年以降に設立され、ITやデジタル技術の利用を前提としたサービスや事業を展開している企業を「デジタルネイティブ企業」といいます。代表的なのが「Google」や「Amazon」です。デジタルネイティブ企業はあらゆる場面でデジタル技術やデジタル化された情報の活用を最優先に考えます。

Google

「Google」ではインターネットの代表的な検索エンジンをはじめ、電子メールサービスやブラウザの提供などさまざまなWebサービスを提供しています。

Googleの検索エンジンでは、ロボットと呼ばれるソフトウェアが世界中のWebサイトを巡回し、集めたデータをもとに検索結果の順序を決定しているのです。

「Page Rank」と呼ばれるこの技術が検索結果として的確であるため、多くのユーザーに利用されるようになりました。

Amazon

1995年に創業したAmazonは、eコマースにおける世界的なリーディングカンパニーのひとつ。創業以来、商品の品ぞろえからインターナショナルサイトの設計、物流センターの世界的拡大など著しい成長を遂げてきました。

Amazonは今もあらゆるものが流通する場として挑戦を続けており、クラウドサービスやモバイルサービスの強化なども行っています。

デジタル先進企業から学ぶべきこと

従来の企業では「プロジェクト=成功させなければならないもの」でした。しかしデジタルネイティブ企業は行動するリスクと行動しないリスクを比較して、成功するプロジェクトは2割、残り8割は失敗すると想定している企業も少なくありません。

そんなデジタルネイティブ企業では「6つの行動様式」と「8つの実践」を掲げています。

6つの行動様式

デジタルネイティブ企業を支えているのは以下6つの行動様式です。

  1. 顧客中心で考える
  2. 計画より実験に重きを置く
  3. フラットな組織と民主的意思決定を持つ
  4. リスクテイクを意識する
  5. 脱自前主義と柔軟な協調戦略を持つ
  6. 個人を重視する

8つの実践

デジタルネイティブ企業が掲げる8つの実践には、従来の大企業が学ぶべきものもあります。

  1. 失敗に重きを置く
  2. 勤務時間の20%を自分自身のやりたいプロジェクトに費やす
  3. 報酬はあえて不平等にする
  4. 仕事を時間で管理しない
  5. 互いに評価し合う
  6. 全社員ミーティングを実施する
  7. 全員がリーダーである「OLP(Our Leadership Principles)」の意識
  8. 高い目標を達成するための目的管理法「OKR(Objectives and Key Results)」の実施

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4.デジタルネイティブ人材の教育

ICTの浸透にともない今後は、ロボットのように単一的な回答しかできない人材より、その質問から密度の濃い会話に発展させられる人材の需要が高まるといわれています。そこで注目されているのが、ネットリテラシーやプログラミングに特化した教育です。

ネットリテラシーを向上させる教育

ネットリテラシーとは、インターネット上にあふれる情報の扱い方を理解して活用する能力のこと。インターネットに触れる機会の多いデジタルネイティブ世代には、ネットリテラシーを向上させる教育が非常に重要です。

ネットリテラシーが低いままでは間違った情報に踊らされたり、悪意のあるトラブルに巻き込まれたりする恐れもあるでしょう。

プログラミング教育

プログラミング教育は、2020年度から小学校で必修化されるとして注目を集めました。目的は「社会の大きな変化に対応できる人材の育成」。受動的な姿勢ではなく、自ら考えて問題を発見し、解決方法を探して実行する「プログラミング思考」を育成します。

社会や産業の構造が大きく変化している現代、効率的に作業をこなすことより試行錯誤しながら新たな価値を生み出すことが重要とされているのです。

STEAM教育

時代の変化に流されるだけでなく、新たな変化を生み出す能力のある人材の育成に効果的といわれているのが「STEAM教育」。以下5つの頭文字を取ったSTEAM教育は、AIやロボットに使われる人間ではなく、使う側の人材育成に役立ちます。

  • S(Science):化学
  • T(Technology):技術
  • E(Engineering):工学
  • A(Art):芸術、教養
  • M(Mathematics):数学

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5.デジタルネイティブ世代の特徴

それまでの世代に比べ、デジタルネイティブ世代は特にオンタイム志向で、リベラルな思想を持っているといわれています。デジタルネイティブ世代の特徴について説明しましょう。

  1. オンタイム志向
  2. オンラインとオフラインのコミュニケーションが同じ
  3. 高い検索スキル
  4. リベラルな思想

①オンタイム志向

情報の取得や発信の早さに重きを置くデジタルネイティブ世代には「オンタイム志向」が多いといわれているのです。

生まれながらにインターネットを駆使して音楽や画像を入手してきた彼らは、タイムリーな情報を知りたいと考えています。友人が今何をしているのか、リアルタイムで知りたいと思うのです。そして情報の更新頻度が高いほど、ますます情報に貪欲になります。

②オンラインとオフラインのコミュニケーションが同じ

デジタルネイティブ世代にとってオンラインとオフラインのコミュニケーションに大きな差はありません。

野村総合研究所(NRI)の調査によれば、20代のスマートフォン普及率は9割以上。彼らのほとんどがTwitterやInstagramなどのSNSを使いこなし、オンラインでの人間関係を構築しています。

同じ企業への入社が決まった就活生たちがSNSを活用して集まり、旅行に出かけるケースも珍しくありません。

③高い検索スキル

高い検索スキルを有しているのもデジタルネイティブ世代の特徴。インターネット上で何かを調べたいと思った際、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って調べる人も多いでしょう。

しかしデジタルネイティブ世代は知りたい情報によってTwitterやInstagram、Googleなどを使いわけます。どのツールが知りたい情報の検索に適しているか、無意識に判断できるのです。

④リベラルな思想

デジタルネイティブ世代はほかの世代と比べ、多様性を受け入れる傾向が強いとされています。同性愛結婚の合法化や公民権を支持するなど、社会問題に対しては非常に自由主義的な見方を示すのです。

人種や性別に対してリベラルで自然体な思想を持つ一方、お金やキャリア、安全保障問題などについては保守的な見方をする傾向があるともいわれています。

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6.デジタルネイティブ世代の指導方法

デジタルネイティブ世代を指導する際は「いかに事業の成長をリードできる人材として育成するか」を意識しましょう。具体的な指導方法は以下の3つです。

  1. デジタル関連の仕事を任せる
  2. 命令ではなく共有を心がける
  3. リーダーは後方支援型になる

①デジタル関連の仕事を任せる

生まれたときからインターネットやデジタル機器に慣れ親しんできたこの世代には、必然的にデジタル機器の便利な使い方を理解している人材が多く存在します。

ほかの世代が使わない機能やアプリに詳しい人材も多いため、デジタル関連の仕事を任せれば比較的早く仕事に慣れ、次々とITスキルを身につけるでしょう。

企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)が叫ばれる今日、デジタルに強い点は企業にとっても強みにもなります。

②命令ではなく共有を心がける

デジタルネイティブ世代は、ネットにあふれる多くの情報にもとづいて正しさを判断する力に長けています。公平性を欠く社内評価や、形式にとらわれた理不尽なルールを嫌う彼らに「会社の命令には従うべき」という根拠のない言葉は通用しません。

平等性や合理性を求めるデジタルネイティブ世代には、「命令」ではなく「共有」を心がけましょう。

③リーダーは後方支援型になる

リーダーは最前線のプレーヤーにならず、後方支援に徹しましょう。後方で彼らを見守り、一人ひとりが主体的に考えて行動する環境を作り出します。

後方支援に徹すると、一人ひとりの個性や特性を的確に見極められるのです。前線で活躍するデジタルネイティブ世代に事業貢献へのやりがいや実感を与えるのも可能でしょう。

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7.デジタルネイティブ世代の消費傾向とマーケティングアプローチ

デジタルネイティブ世代のマーケティング戦略を考える際、彼らの消費活動を知る必要があります。デジタルネイティブ世代の消費傾向とマーケティングアプローチについて説明しましょう。

  1. ミニマリスト
  2. 共感を重視
  3. 購入前に疑似体験
  4. 非ブランド志向
  5. SNSを活用する
  6. モノだけではなく体験を売る
  7. 商品レビューを掲載する

①ミニマリスト

電通デジタルの調査によると、18歳から20代の年代層には「使わなくなったものはすぐに手放す」という「ミニマリスト的思考」を持つ人が多いそうです。

デジタルネイティブ世代はモノの所有より、人とのシェアに価値を感じています。それまでの世代と比べてモノへの執着が少なく、体験(コト)に対する興味が大きいのです。これは後述する「共感の重視」にも関わる特徴といえます。

②共感を重視

承認欲求や共感欲求はどの世代も持ち合わせるものでしょう。デジタルネイティブ世代は特にその傾向が強いといわれています。「自身の体験を誰かと共有したい」「誰かの体験に自分も共感したい」という気持ちが強いのです。

他人との共感を重視するのもデジタルネイティブ世代の特徴のひとつ。共感を重視した選択が、自身の考えや行動の指針になっている場合もあります。

③購入前に疑似体験

「購入する前にSNSで口コミをチェックする」「実際に購入した人の使用動画を見てから検討する」のもデジタルネイティブ世代の特徴。彼らはモノやサービスを購入する前に、SNSやインターネットを活用して疑似体験しています。

デジタルネイティブ世代へのマーケティング戦略を立てる際は、コンテンツへの深い関与を通して彼らの疑似体験と共感を増幅させる取り組みが重要になります。

④非ブランド志向

年長世代にとって、高価なブランド品の購入は自身のステータスを表すことでもありました。しかしデジタルネイティブ世代は誰もがうらやむブランドに価値を感じません。ブランドよりもユニークさを好み、本質的な部分に価値を見出します。

個性を大切にする彼らはSNSを使って疑似体験を重ね、理想の自己実現を探しているのです。

⑤SNSを活用する

彼らのほとんどはSNSユーザーで各SNSでのつながりを重要視しているのです。デジタルネイティブ世代はつながりのあるSNSユーザーやインフルエンサーに信頼を置いています。マーケティングアプローチにSNSを活用しない手はありません。

⑥モノだけではなく体験を売る

モノへの執着が少ないデジタルネイティブ世代には、モノだけでなく体験(コト)を売るマーケティングアプローチが必要です。彼らはモノの所有ではなく、コトを通して共感を生み出すことを求めています。

「自分が体験しているような現実感」「実際に体験しているシーンがイメージできる」アプローチを行って、彼らの共感を獲得することが効果的です。

⑦商品レビューを掲載する

世の中にはテレビや新聞、雑誌に街頭看板などさまざまな宣伝ツールがあふれています。しかしデジタルネイティブ世代の彼らが重視するのは宣伝よりSNSの商品レビュー(口コミ)です。

情報発信に長け、フォロワーの多いインフルエンサーの協力を得られれば、その大きな影響力によって効果的なマーケティングを進められるでしょう。