クラウドソーシングとは? 仕組み、形態、代表的なサービス

クラウドソーシングとは、インターネットを介して企業が不特定多数の人々に業務を発注する働き方のことです。ここではクラウドソーシングの仕組みやメリット、デメリット、代表的なクラウドソーシングサービスについて解説します。

1.クラウドソーシングとは?

クラウドソーシングとは、発注者がインターネットを介して受注者を公募し、不特定多数の人々に業務を依頼する新しい働き方のこと。群衆を意味する「Crowd」と、業務委託を意味する「Sourcing」を組み合わせた造語です。

クラウドソーシングと似た言葉に「アウトソーシング(outsourcing)」があります。外部の専門業者などに業務を委託するという意味では、クラウドソーシングもアウトソーシングの一種といえるのです。一般的に2つは下記のように区別されます。

  • アウトソーシング:特定の業者(個人)に業務を委託する
  • クラウドソーシング:不特定多数の業者(個人)に発注する働き方

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2.クラウドソーシングの仕組み

クラウドソーシングの発注者はおもに一般的な企業です。基本、企業がプラットフォームとなるマッチングサイトに業務を公募し、業務内容や収入、スキルなどの条件を見た受注者が応募する流れで進んでいきます。

業務の詳細や成果のやり取りなどの連絡は、インターネットを介して行われるのが一般的です。発注者と受注者が実際に会ってミーティングをするのはほとんどありません。

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3.クラウドソーシングの形態

クラウドソーシングサイトには幅広い業務が発注されており、受注者の決定方法や進め方によって、3つの形態にわかれるのです。

  1. プロジェクト形式
  2. コンペ形式
  3. マイクロタスク形式

①プロジェクト形式

応募してきた受注者と業務の仕様や報酬などを交渉し、最適な受注者を選んで契約する形式のこと。

ひとつの業務依頼に対して複数の受注希望者から提案(見積もり)が集まるため、発注者は依頼条件に最適な受注者が選べます。プログラム開発やホームページ構築など、比較的長期となる案件に用いられる形式です。

②コンペ形式

コンペ(competition)のように複数の受注希望者がデザインやアイデアを提案し、発注者は採用提案にのみ報酬を支払う形式のこと。ロゴ作成やネーミング、バナー作成などの業務がこれに該当します。

公開した依頼に対して複数のアイデアが提案されるため、発注者はより理想に近い成果物を作れます。

③マイクロタスク形式

大規模な仕事を細分化・単純化して、多数の受注者に作業を依頼する形式のこと。データ入力や短文の記事作成など短期で遂行できる業務、また特別なスキルを必要としない業務に適しています。

1案件あたりの単価は低くなるものの、数分程度の所要時間で完了する業務も多いです。そのため学生や主婦、シニアなど幅広い層に仕事を依頼できます。

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4.クラウドソーシングのメリット

クラウドソーシングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは発注者側と受注者側、それぞれから見たメリットについて説明します。

発注者にとってのメリット

クラウドソーシングを利用する発注者のメリットは、以下の3つです。

  1. 業務効率の向上
  2. ビジネスパートナーが見つかる
  3. 費用削減につながる

①業務効率の向上

業務には記事作成のように時間のかかる作業や、自社ウェブサイト開設のように一時的に発生する業務などもあります。クラウドソーシングを利用すれば、これらを専門スキルがある受注者に委託できるのです。そしてその間、コア業務に集中できます。

②ビジネスパートナーや正規雇用者が見つかる

作業内容やビジネスマナーが信用できるといった、長期で業務を依頼できる心強いパートナー候補が見つかるかもしれません。その際は本人確認をして自身の信頼性を示しているか、これまでの受注実績はどう評価されているかなどにも注目するとよいでしょう。

③費用削減につながる

業務ができる人材を新たに社内で育てるには、それ相応の時間と教育コストがかかるもの。専門知識やスキルを持ったプロに外注すれば、これらのコストを削減可能です。クラウドソーシングを活用して売上増につなげている企業も数多く存在します。

受注者にとってのメリット

受注者にとって、クラウドソーシングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは2つのメリットについて説明します。

  1. 時間や場所を選ばずに働ける
  2. 仕事を選べる

①時間や場所を選ばずに働ける

クラウドソーシングは成功報酬型が多く、ほとんどで働く場所や時間について指定されていません。業務に関するやり取りもインターネット上で行うため、打ち合わせのための移動や交通費などは発生しないのです。

②仕事を選べる

組織に属していると、苦手な分野や不得意な作業を引き受けなければならない場面も生じます。しかしクラウドソーシングなら、得意分野のみを選んで仕事を受けられるのです。

受注者は自分のレベルアップとともに、さまざまな仕事に挑戦できます。そのうえ大きなやりがいも感じられるのです。

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5.クラウドソーシングのデメリット

さまざまなメリットがある一方、クラウドソーシングにはデメリットも存在します。ここでは発注者側、受注者側それぞれから見たデメリットについて説明します。

発注者にとってのデメリット

クラウドソーシングの利用によって、発注者には以下のデメリットが生じます。

  1. 人材の成長が遅れる
  2. 情報漏えいの危険性がある

①人材の成長が遅れる

クラウドソーシングを使えば、気軽に外部の専門家へ業務を委託できます。しかしつねに外部に委託していると社内にノウハウを蓄積できません。よって自社人材の成長機会を奪ってしまうのです。委託する業務、社内で行う業務の見極めが必要です。

②情報漏えいの危険性がある

発注の際は以下の対策を講じて情報漏えいを防ぎましょう。

  • 漏えいしたら困るデータは外部に出さない(ExcelやWordなどの電子データに作成者の名前が入ってしまう場合も多い)
  • ネット上で契約したあと、再度面談の場を設けて「秘密保持契約」を結ぶ
  • 情報を細分化して元データの姿が見えないようにする

受注者にとってのデメリット

クラウドソーシングの利用によって、受注者には以下のデメリットが生じます。

  1. コミュニケーション不足になりやすい
  2. どのようなクライアントなのかわからない

①コミュニケーション不足になりやすい

前述のとおりクラウドソーシングでは、メールやチャットなどインターネット上でのやり取りが中心になります。テキストが主になる結果、互いの温度感がつかみにくくなってコミュニケーションが不足した結果、成果が生み出しにくくなる可能性も高いです。

認識に差異が生じないよう、受注者はクライアントが求める情報を想像してコミュニケーションを取る必要があります。

②どのようなクライアントなのかわからない

クラウドソーシングでは、採用面談のように実際に会って話す状況はほとんどありません。受注者は、「相手が本当に信頼できるクライアント」なのか見極めなければならないのです。

場合によっては契約にない作業まで押し付けられたり、相手が音信不通になったりするかもしれません。受注前に発注内容やルールを十分確認する、過去の依頼内容を事前にチェックするなどの対策が必要です。

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6.クラウドソーシングサービスの代表的な事業者

クラウドソーシングの利用者は年々増加しており、さまざまな事業者がプラットフォームとなるマッチングサイトを運営しています。最後に国内のおもなクラウドソーシングサービスについて説明しましょう。

ランサーズ

「ランサーズ」は、デザインやプログラミング、ライティングを中心に幅広い職種があるクラウドソーシングサービスです。2008年のサービス開始以来、国内トップクラスの業務案件を取り扱っています。

国内クラウドソーシングサイトの老舗として、時間と場所にとらわれない新しい働き方を提供し続けている事業者です。

クラウドワークス

2011年に創業、マザーズ(現グロース市場)上場を果たした「クラウドワークス」では「個のためのインフラになる」をミッションに掲げています。累計登録者数は2021年9月時点で760万人。

フリーランスや在宅ワークを探す人以外に、兼業副業としての業務を探す正社員の利用も増えています。

シュフティ

主婦層をターゲットにした在宅ワークを多く取り扱っているのが「シュフティ」です。業務の依頼形式はプロジェクト式とタスク形式の2つ。

データ入力やアンケート回答など隙間時間を活用し、スキルがなくてもできる仕事を多く取り扱っているのが特徴です。仮払い制度を導入して、報酬未払いによるトラブルの発生も防いでいます。

Job-Hub

「JOBHUB」はパソナグループのパソナテックが運営するクラウドソーシングサービスです。サービスの利用登録や仕事の依頼・提案まで無料で利用でき、仕事が成約した際にはじめて利用料が発生する仕組みとなっています。

急募案件や非公開案件など、さまざまなオプションも用意されているのです。こちらも受注者が仕事を完了するまで支払が実行されない「仮払い方式」を実施しています。