2005年の夏以来、「ノーネクタイ、ノージャケット」というキーワードとともにすっかり定着した感のある「クールビズ」。その一方で、「カジュアルな服装と言っても、期間中は何を着ることが正しいのだろう?」と頭を悩ませる方もいまだに多いのではないでしょうか。ここでは、クールビズの定義と期間中に奨励される服装を中心に解説していきます。
クールビズの定義と導入の背景
「クールビズ」とは、「地球温暖化防止や夏場のエアコン使用量抑制による省エネを目的とした、ビジネスシーンでの服装の軽装化・カジュアル化を促す活動」のことです。期間中は、体感温度が2℃ほど下がると言われている「ノーネクタイ、ノージャケット」等、通常よりもカジュアルな服装での勤務を推奨し、夏場のオフィスのエアコン温度を28℃に設定することを推進しています。
また、環境省は実施期間を、「5月1日から10月31日まで」の6か月間を想定していますが、実際の実施期間は業界や職種、企業・官公庁によって異なります。
導入当初こそ、その効果は疑問視されていましたが、ビジネスシーンに好意的に受け入れられ、急速に浸透・拡大しました。その結果、「クールビズ」=「夏場のビジネスシーンにおけるカジュアルな服装」として定着しました。エネルギー削減の面でも大きな効果をもたらし、省エネ対策としても成功を収めました。
また、日本で成功したことによって、「クールビズ」は日本発の先進的な地球温暖化防止・省エネ対策として注目を集め、多くの国が「クールビズ」と類似した取り組みを行うなど、グローバルな広がりを見せつつあります。
クールビズ期間中の服装や靴とは?
「ノーネクタイ、ノージャケット」によって、夏場にスーツよりもカジュアルな服装で勤務するという習慣が広がりました。ではどのような恰好が、クールビズ期間中の正しい服装なのでしょうか。
環境省が奨励するクールビズ期間中の服装では、「ノーネクタイ、ノージャケット」が基本です。上着では「半袖シャツ」はOKですが、「アロハシャツ」や「ポロシャツ」はNG、ボトムスは「チノパン」は認められており、「ジーンズ」「ハーフパンツ」はNGです。また靴では、「サンダル」や「スニーカー」はNGとなっています。
このような服装が環境省によって奨励されていますが、業界や職種によっては軽装が認められない場合もあり、実際の運用や定義は、勤務する会社・職場によって大きく違っています。つまり、クールビズの「正しい服装」というものはなく、働く人は、会社や職場の雰囲気に合わせて心がける必要があると言えます。
どのような服装をするにせよ、クールビズ期間中の服装は、「職場や得意先で不快感を与えない服装」であることが前提です。そのため企業は、従業員に一定の基準を示して運用していくことが望ましいと言えます。