バーンアウト(燃え尽き症候群)とは? 症状、立ち直り方

無気力だったり、欠勤が続いたりする社員がいるとき、バーンアウトを疑ってみることも必要です。バーンアウトは燃え尽き症候群ともいわれ、企業のみならず広く社会に問題を投げかけています。

  • バーンアウトとは何か
  • バーンアウトの症状や兆候
  • バーンアウトの原因と立ち直り方、予防法
  • バーンアウトの尺度
  • バーンアウトになりやすい人、業種、職種、職場環境

などについて見ていきましょう。

1.バーンアウトとは?

バーンアウトとは、それまで仕事熱心だった人が、火が燃え尽きるかのように急に労働意欲をなくし、無気力な状態になることです。燃え尽き症候群とも呼ばれ、原因は身体的・精神的なストレスです。真面目で熱心な人や完璧主義な人ほどなりやすいと言われています。

  • 疲れ果てる
  • 無気力になる
  • 手抜きをする
  • 欠勤をする

などが続く場合は、バーンアウトの可能性が高いといえます。

提唱者:ハーバート・フロイデンバーガー(精神心理学者)

バーンアウトを提唱したのは、精神心理学者であるハーバート・フロイデンバーガー。保健施設に勤務中、多くの同僚が心身の異常を訴え、仕事への意欲や関心を失くしていく姿を目撃しました。

フロイデンバーガーは同僚の状態が 「ドラッグ常用者が陥る無感動や無気力状態」に似ていたことから、その俗語である「バーンアウト」という言葉で表現したのです。

バーンアウトとは、燃え尽き症候群とも呼ばれています。心身のエネルギーを失った無気力な状態のことをいいます

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2.バーンアウトの症状

バーンアウトでよく見られる症状は、心的疲労感や空虚感、自己嫌悪など。バーンアウトになると、欠勤や手抜き、作業効率や作業能力の低下といった仕事上の問題が発生します。

日常における症状の具体例

バーンアウトは、朝起きられない、会社に行きたくない、アルコールの量が増える、イライラが募るといった軽度な気持ちの落ち込みや生活の乱れなどから始まり、突然の辞職や無関心、過度の消費といった行動に発展します。

状態が悪化すると、家庭生活の崩壊、ひきこもり、自殺、犯罪、過労死や突然死などにつながることも

バーンアウトの主症状は、心的疲労感、空虚感、自己嫌悪などです。家庭生活の崩壊やひきこもりなどへと悪化することもあります

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3.バーンアウトになりやすい人の特徴

バーンアウトに陥りやすい人についてアメリカの社会学者ホックシールドは、

  • 職務上付与された役割と自分の人格とを分けて捉えることができない人
  • 職務上の役割に伴うクライエントからの苦情を自分個人に向けられたものと捉え、思い悩んでしまう人

と言及しています。これらの状態に陥ると感情そのものを感じなくなるバーンアウト状態に陥るのです。

ホックシールドによると、バーンアウトに陥りやすい人とは職務上の役割と個人の人格とを切り離して考えられない人のこと

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4.バーンアウトとうつ病の違い

バーンアウトと類似したものに、うつ病があります。

うつ病とは、

  • 憂うつである
  • 気分が落ち込んでいる
  • 自分を罰する思考に陥ってしまう

といった状態です。

しかしバーンアウトが背景にあるうつ状態は、自己を責めながら

  • 怒りの気持ちを向ける対象を持つ
  • 罪悪感よりも絶望感、喪失感が大きい
  • 自分をもっと評価してくれる人へ強い憧れを持つ
  • 他分野での活動に対して強い不安感を持つ

といった特徴があるのです。

バーンアウトと類似したものにうつ病があり、うつ病には「憂うつ」「気分が落ち込む」「自分を罰する思考に陥る」といった特徴があります

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5.注意しなければならないバーンアウトの兆候

バーンアウトには、兆候があります。

たとえば、

  • 気持ちがふさぐ
  • やる気が起きない
  • 思考の停止
  • うつ状態
  • 片頭痛
  • めまい
  • 自律神経の乱れによる諸症状

精神的な症状だけでなく、身体的な症状もバーンアウトの兆候が疑われます。季節の変わり目は体調の変化も大きいため、これらの変化を慎重に見極めなければなりません。

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6.バーンアウトの原因

独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌No. 558「バーンアウト(燃え尽き症候群)─ヒューマンサービス職のストレス」(久保真人(同志社大学政策学部政策学科教授))』参考

バーンアウトに陥ってしまう原因は、職務へ過剰に心的エネルギーが要求され続けることで、ストレスや疲労が蓄積される、精神や身体へのストレスや疲労がピークに達すること。

バーンアウトの因果モデルによれば、バーンアウト発症のリスク要因は、

  1. 個人要因
  2. 環境要因

2つに大別できるとされています。

①個人要因

バーンアウトの個人要因には、性別や年齢、勤続年数や性格、ストレス対処のコーピングなどが挙げられます。男性より女性のほうが、情緒的消耗感が高い傾向にあるため、バーンアウトに陥りやすいといわれているのです。

物事の対処方法は、問題を回避し、逃避するコーピングのほうがバーンアウトを促進してしまうとされています。

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②環境要因

バーンアウトの環境要因は、長時間勤務や厳しいノルマ、重い身体的負担を伴う作業、不規則な勤務時間、作業量など職務の過重負担です。

特に医療や介護などヒューマンサービスの現場では、患者の人格や生活に踏み込んで理解を進めるケースが多くあるため、それが過度な負担となる場合も多いです。

バーンアウトを発症する原因はと、個人的な要因と環境的な要因の2つに大別できます

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7.バーンアウトになりやすい業種・職種とは?

1970年代、バーンアウトの症状は医療や福祉従事者、教師に多く見られました。しかし現在では、職種や業種を問わずさまざまな職業で見られることが分かっています。

バーンアウトは職場に適応できない若年層で発症が多く、特に

  • 看護師
  • ソーシャルワーカー
  • 小中学校教師といった

医療、福祉、教育に関わる対人援助職が多発傾向にあります。プロフェッショナルにして裁量の余地が比較的少なく、過重なストレスが心身にかかることが発症につながっているのです。

バーンアウトは、職種や業種を問わず発症します。特に、医療、福祉、教育に関わる若年層に発症が多発しています

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8.バーンアウトになりやすい職場環境の特徴

バーンアウトが発症しやすい職場環境には、いくつか共通する特徴があります。ここでは、3つの例を挙げて見ていきます。

  • 例①仕事を強要してくる
  • 例②残業や休日出勤が多い
  • 例③優秀な社員ほど業務量が多くなる

例①仕事を強要してくる

仕事を強要してくる職場とは、受け持ちの業務範囲と関連性が低いミーティングへの出席を強要する、プロジェクト進行と並行して新たに企画案を要請するなど、業務範囲から逸脱したり過重な仕事を要請したりする職場のこと。

例②残業や休日出勤が多い

残業や休日出勤が多い職場とは、終わりが見えない業務状態を企業が黙認、あるいは放置している、残業時間管理がずさんといった職場のこと。

自分が残業や休日出勤して業務をこなせばいい、という発想がバーンアウトを発症させるのです。

例③優秀な社員ほど業務量が多くなる

優秀な社員ほど業務量が多くなる職場とは、仕事ができる社員に多くの仕事を振り分ける、優秀な社員にさまざまな権限を与え、業務を丸投げするという職場のこと。

いくら優秀でも、個人の限界を超えてしまえば、バーンアウトの発症率は高まります。

バーンアウトが発症しやすい職場は、仕事を強要する、残業や休日出勤が多い、優秀な社員ほど業務量が多い職場です

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9.バーンアウトの医学的診断・病名

バーンアウトは、公式な精神疾患の診断名ではありません。現段階で、バーンアウトの診断基準で、明確な定義はないのです。

  • 『精神障害の診断と統計マニュアル』における認識障害への記載がない
  • 『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)の中で「Z73 生活管理困難に関連する問題」の「重要な枯渇の状態」(Z73.0)と認識されているものの、「障害」とは見なされていない

これがバーンアウトの医学的診断の現状です。

バーンアウトは、公式な精神疾患の診断名ではありません。認識障害などと見なされていないのが医学的診断の現状です

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10.バーンアウトの対策法、立ち直り方

過重なストレスが原因で燃え尽きてしまう前の対処には、周囲から必要な助けを得られるようにする、個人としての自分と職務上の役割を明確に分けるなどがあります。

これは、

  • クライエントに共感しすぎてしまったため、冷静な判断ができなくなる
  • クライエントと同じ重荷を背負ってしまう

ことによる心身の疲弊を予防する技能です。リーフとフォックスはこのような姿勢、態度を 「突き放した関心 (detached concern)」 と名付けています。

ストレスと上手に付き合う方法

ストレスと上手に付き合うことができれば、バーンアウトを未然に防ぐことができます。

ストレスを過度に感じないで済むには、

  • 自分で余計なストレスを増やさない
  • 自分の限界を知る
  • 緊張と不安の高まりを感じたら、深呼吸をする
  • 現在の状況の見方を別の角度から見つめ直す
  • 他者の立場になって考えることにより、対立を緩和する

などのポイントを頭に置いて、物事に臨むことが重要です。

燃え尽きてしまう前に周囲から助けを得るほか、自らもストレスと上手に付き合う技を身に付けることがポイントです

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11.バーンアウトを予防するための職場の取り組み

バーンアウトを予防するためにも、社員の変化をよく観察し、バーンアウトを未然に察知できる職場づくりは欠かせません。バーンアウトになる人の共通点は、過度なストレスや過重な業務を抱えている自覚がないこと。

  • いつもと様子が違う
  • 最近元気がない、少しおかしい

といった小さな変化に気付けるような職場文化を構築しましょう。

バーンアウトになりにくい環境のつくり方

バーンアウトになりにくい職場環境をつくる際の、3つのポイントを見ていきます。

  1. 共感と思いやりのある職場文化を醸成する
  2. メンターやコーチなど精神的サポーターを配置する
  3. チームとしての成果を祝う

①共感と思いやりのある職場文化を醸成する

ミシガン大学のキム・キャメロンが行った調査で、職場の人間関係においては思いやりと支え合い、敬意と誠意、寛大さが組織全体のパフォーマンスを高めると分かりました。

  • コミュニティを促進する
  • 温かくて優しい、思いやりのある人間関係を大切にする

といった共感と思いやりのある職場文化の醸成は不可欠です。

②メンターやコーチなど精神的サポーターを配置する

職場づくりでは、

  • 新人研修の時期にパートナーを指名する
  • 自由な時間を設ける
  • 連絡先情報に趣味や関心事などの背景情報も添付する
  • メンターやコーチ、同僚と接してつながりを持ちやすくする

といった工夫のもと少人数のグループで精神的サポートを行い、ネットワークの構築を促すこともポイントです。事業規模が大きいほど、少人数でのサポートを心掛けましょう。

③チームとしての成果を祝う

バーンアウトにならない職場環境をつくるには、

  • チームとしての成果を祝う
  • 組織内への帰属と愛着の感覚を持てるような機会をつくる

ことも必要です。

南アフリカの新規事業支援センター「アウェトゥ(Awethu)」では、新入社員を採用する際にベルを鳴らします。ベルの音が鳴ったら、全員作業を中断し、新入社員のことを拍手とともに迎え入れるのです。

バーンアウトにならない職場環境づくりのポイントは、共感と思いやりの職場文化醸成、専門家による精神的サポート、チームとしての成果を祝うことです

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12.バーンアウトへの対応方法

バーンアウトは、段階を経て、徐々に進行するもので突然起こるものではありません。そのため、バーンアウトになりかけている早期の状態の対処が問題解決の糸口となります。

つまり、バーンアウトを起こさない職場環境づくり以外にも、自分自身の行動や思考パターンを見直し、変えていくといったセルフケアも必要なのです。

現状の対処法における問題点

バーンアウトの対処における問題点は、投薬を中心としてうつ状態の治療のみに目が向けられていることです。

「なぜ燃え尽きてしまったのか」その原因に対しての対策が放置されたまま、単なるうつ症状の改善に終わっていることが少なくありません。その結果、せっかく職場復帰しても、再度バーンアウトを引き起こしてしまいます。

バーンアウトを治して仕事に復帰するには?

バーンアウトを根本的に解決して職場復帰するためのキーワードは睡眠。バーンアウト状態に陥ったときは通常の睡眠時間よりも多く睡眠を確保し、体を休めるとよいのです。

睡眠は、体と心を癒すうえで重要なプロセス。復帰直後は1日に複数回の休憩を取るなど、活力を取り戻す時間の確保が必要です。

バーンアウトは、職場環境の整備、思考パターンを変えるセルフケア、十分な睡眠などで対処できます

13.マスラーク・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory/MBI)とは?

マスラーク・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory)、略してMBIとは、バーンアウトの尺度のこと。

  • 疲れ果てた、もう働きたくないといった情緒的消耗感
  • 何をしても意味がないと感じる個人的な達成感のなさ
  • 冷淡になる、相手をモノのように扱ってしまうことに象徴される脱人格化

これらの症状をものさしにして、自覚症状を測定するものです。

1 こんな仕事、もうやめたいと思うことがある。 E
2 われを忘れるほど仕事に熱中することがある。 PA
3 こまごまと気くばりすることが面倒に感じることがある。 D
4 この仕事は私の性分に合っていると思うことがある。 PA
5 同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある。 D
6 自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある。 D
7 1日の仕事が終わると「やっと終わった」と感じることがある。 E
8 出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある。 E
9 仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある。 PA
10 同僚や患者と、何も話したくなくなることがある。 D
11 仕事の結果はどうでもよいと思うことがある。 D
12 仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある。 E
13 今の仕事に、心から喜びを感じることがある。 PA
14 今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある。 D
15 仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある。 PA
16 体も気持ちも疲れはてたと思うことがある。 E
17 われながら、仕事をうまくやり終えたと思うことがある。 PA

独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌No. 558「バーンアウト(燃え尽き症候群)─ヒューマンサービス職のストレス」(久保真人(同志社大学政策学部政策学科教授))』参考

考案者:クリスティーナ・マスラーク(社会心理学者)

MBIの考案者は、社会心理学者であるクリスティーナ・マスラーク。バーンアウトの実証的な研究は、「バーンアウトとはどのような状態を意味するのか」といったバーンアウトに関する操作的な定義に対する取り組みから始まりました。

また、バーンアウトの測定に力を注いだことで有名なのは、マスラークを中心としたグループの研究です。

バーンアウトの3つの症状

MBIによって操作的に定義されたバーンアウトですが、定義によれば、バーンアウトの主症状は3つあるとされています。

  1. 情緒的消耗感
  2. 脱人格化
  3. 個人的達成感の低下

①情緒的消耗感

情緒的消耗は、 「仕事を通じて, 情緒的に力を出し尽くし, 消耗してしまった状態」 と定義されるもの。ここでいう消耗とは、一般的な消耗感や疲労感といった自覚症状ではなく、情緒的な資源の枯渇が原因となるものです。

情緒的消耗はバーンアウトの根幹となる主症状で、他の2つの主症状は、「情緒的な資源の枯渇から副次的に生まれた産物である」という見方が主流となっています。

②脱人格化

脱人格化は、 「クライエントに対する無情で, 非人間的な対応」 と定義されているもの。

  • クライエントの人格を無視する
  • 思いやりのない対応
  • ステレオタイプの対応
  • 没個性的な扱いをする
  • 奇怪難解な問題を投げかける
  • 紋切り型の対応

などが脱人格化の典型的な症状といわれています。

職場で見られる単純な書類の整理に生きがいを感じる、クライエントへ理解不能な専門用語を並べ立てるといった行動は、脱人格化をよく象徴した事例です。

③個人的達成感の低下

個人的達成感は、 「ヒューマンサービスの職務に関わる有能感、達成感」 と定義されています。仕事の成果が落ち込んでしまった場合、自己の有能感や達成感は急激に低下し、

  • 「自分には能力がないのではないか」といった自己否定
  • 「この仕事は自分には向いていない」といった離職に向けた気持ち

に直結する場合も少なくありません。このように、自分に対しての否定的な気持ちは、バーンアウトに発展する可能性を高めます。

MBIによって操作的に定義されたバーンアウトの主症状は、情緒的消耗感、脱人格化、個人的達成感の低下の3つです