ゆでガエル理論とは? 環境変化に気づけないゆでガエル症候群の対策

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急激な変化に人はなかなかついていけません。しかし、気づかぬほどゆっくりと進行していく危機にも、人は気づかずに対応を間違えて瀕死の状態になる場合もあるのです。そんな警告を与えてくれている「ゆでガエル理論」について紹介します。

「ゆでガエル理論」とは? ゆでガエル症候群が教えてくれること

ゆでガエル理論は、経営や組織を語る際によく使われるたとえ話です。

「カエルをいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出して逃げるが、水から入れてじわじわと温度を上げていくと、カエルは温度変化に気づかず、生命の危機を感じないまま茹で上がり死んでしまう」

これはゆでガエル理論、ゆでガエル症候群などと呼ばれるたとえ話で、元々は欧米で知られていました。日本では1998年に出版された「組織論」(桑田耕太郎・田尾雅夫著、有斐閣アルマ刊)の中で、「ベイトソンのゆでガエル寓話」として紹介され、知られるようになりました。居心地の良いぬるま湯のような状態に慣れきってしまうと、変化に気づけずに致命傷を負ってしまうというビジネス上の教訓とされています。

ゆでガエル理論:ゆでガエルは本当に環境変化に気づかないのか?

このゆでガエル理論は、科学的に立証されている話のようにまことしやかに語られる場合もありますが、実は科学的には根拠のない寓話です。

実際には、カエルは水から温められたら、熱くなる前に逃げ出してしまうのです。しかし、この寓話が現代に生きる人々に妙にしっくりと感じられ、受け入れられたのはなぜでしょうか。

地球温暖化の問題など、人々が気づかぬうちに刻一刻と深刻化している問題が世界的にもあり、自分たちもぬるま湯の入った鍋に浸かっていて温度変化に気づけないゆでガエルと同じだと感じ、「ゆでガエル理論」は人類への警告と受け止められたためかもしれません。

ゆでガエル理論:ゆでガエル症候群にならないための対策とは?

ゆでガエル理論のカエルが警告をしているのは、人間は急激な変化にもついていけませんが、ぬるま湯が少しずつ熱くなるように、じわじわとゆっくり変化していくことにも気づかずに対応できないということです。

ビジネスの場面でも、ゆでガエル理論は警鐘を鳴らします。今の仕事、今のやり方にある程度満足してしまった社員は、変化を求めて、さらに上を目指そうという気持ちが薄れてしまう場合があります。まさに“ぬるま湯に浸かった”状態です。外部の変化を意識することも減っていき、気づけば自分たちだけ取り残されて取り返しのつかない状態になっているのです。

社員の多くがゆでガエルのような組織は、生き残ってはいけません。社員をゆでガエルにしないためには、何をすべきでしょうか。

もし、ゆでガエルの鍋に水温計があったら、カエルは水温が上がるのを数字として理解することができ、このままではまずいと飛び出したかもしれません。社員には常に会社が目標とする方向性を具体的な数値とともに提示し、社員ひとりひとりが仕事に主体的に取り組めるよう可能な範囲で権限委譲を行いましょう。

誰かひとりが、「あれ?温度が上がった?」と時代の変化に気づいて声をあげたら、その声がトップまで届くような風通しの良い組織づくりをし、方向転換を躊躇なく行える組織にしていくことが大切です。