ATS(採用管理システム)とは? 意味、目的、求人活動への導入メリット・デメリット、機能、比較検討の方法について

ATSは、企業の採用活動の効率化を目的としたシステムで、応募者の情報管理や面接の日時調整などをサポートするもの。その機能は多岐にわたり、採用業務に関わるコストを低減し、円滑に作業を進めることができるのです。

ATSのさまざまな機能によってどのように業務の効率化が図られているのかを紹介します。

1.ATS(Applicant Tracking System)とは?

ATSとは人事担当者が採用業務に関する情報を一括にまとめて管理するためのシステムのこと。

  • 「Applicant=面接者」
  • 「Tracking=管理」「System=システム」

の頭文字を合わせた言葉で、日本語では「採用管理システム」と訳されています。

採用管理システムとは?

ATSは、応募者の受付から面接、採用決定に至るまでの業務を一元管理し、採用活動を運用する機能を備えたシステムです。

  • 求人票作成
  • 各求人媒体への掲載
  • 面接前の応募者との連絡、面接時の担当者からのフィードバック

などを共有し、あらゆる情報を管理します。

ATSとは、採用業務に関するあらゆる情報を管理し、業務を円滑に進められる便利なシステムのこと。

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2.採用管理システムでできること|具体例

ATSと呼ばれる採用管理システムでできることは5つです。

  1. 求人案件の管理を効率よく進められる
  2. 手軽に複数の求人情報が作成できる
  3. 履歴書や職務経歴書など、応募者に関する情報を一括で管理できる
  4. 応募者との連絡や日時の調整など、面接情報が共有できる
  5. 面接時の応募者の評価を担当者と共有し、合否の結果、内定通知まで行える

求人情報の作成から、応募者の情報管理、面接の手配、内定通知まで、一連の業務を円滑に進めることができます。

3.ATSの目的:採用の業務効率改善

応募者データの管理・集計やデータ分析、募集職種ごとの応募進捗管理、メールの自動送信など、採用管理システムは多彩な機能を備えています。

このシステムを用いることで、応募者受付から面接、採用決定までにかかる一連の流れにおいて、人事担当者の業務が無駄なく進められ、作業の効率化が図れるのです。

採用に関するさまざまな業務をまとめるだけでなく、1つのシステム上で一元管理できるため情報も共有可能。これらにより、人事担当者の負担を軽減できます。

人事担当者の採用業務に関する情報を一元管理することで、業務の効率化を図り、仕事の負担を減らすことができるのです。

4.ATSが注目されている理由

経済全体がソフト化する中、人材確保の重要性は年々高まっています。単に必要な人数や辞めた人材の補填としての採用管理では意味がありません。それでは企業の成長につながらず、ムダになってしまいます。

「競合に対する強みとなるような、優秀な人材を採用するために何をすべきか?」という攻めの視点での採用管理が必要になるのです。

人材確保の重要性が見直されている現在、一括して情報管理できるATSは、時流に最適なシステムです。

5.ATS導入で得られるメリット・効果

現在、日本企業では業務の効率化として、「PDCA」(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善))が叫ばれており、採用管理システムであるATSの導入もその一環です。

ATSでは、コスト削減だけでなく、ミスの防止にもつながります。応募者の査定にも時間を割くことができ、より意欲的な採用戦略が実現できるのです。

  1. 採用候補者を一元管理できる
  2. 情報更新がスムーズにできる
  3. 選考情報を社内共有しやすくなる
  4. 人事・採用担当者のミスを防止できる
  5. 採用データを蓄積・分析できる

メリット①採用候補者を一元管理できる

複数にわたる求人案内、採用媒体の情報を一括に整理し、応募者たちの情報を集約できます。一元管理できるためデータベースの構築が可能です。

  • システム上でまとめられた応募者たちの情報を人事担当者間で共有できる
  • 選定の進捗状況が可視化されるため、採用候補者に対して迅速かつ丁寧に対応できる

などのメリットがあります。

メリット②情報更新がスムーズにできる

従来のエクセルデータなどと異なり、全エージェントから送られてきた採用候補者たちの最新情報が自動的に登録されます。つまり一覧画面から情報更新を手間なく迅速に実行できるわけです。データ管理の効率化によって、迅速に業務を進められます。

メリット③選考情報を社内共有しやすくなる

ユーザー権限を設けることで、アクセスできるデータの範囲を設定できます。そのため、人事担当者だけでなく採用担当者のフィードバックもスムーズに登録できるのです。

応募者たちの情報を管理しながら、採用に関する最新情報を社内共有できるため、いちいち紙に印刷する必要もありません。

メリット④人事・採用担当者のミスを防止できる

ATSは簡単に情報を一元管理できるため、エクセルデータなどでの情報管理よりもミスを減らすことが可能です。

採用候補者の情報更新や選考の進行状況も共有できるため、人事担当者間でのトラブルも未然に防ぐことができるほか、採用業務を滞りなく行えます。また情報更新について、一覧画面からメモを残すことも可能です。

メリット⑤採用データを蓄積・分析できる

採用に関するあらゆるデータの蓄積により採用業務を分析できるため、今後の人材獲得に向けて対策を取ることが可能となります。

  • 求人媒体と応募率や採用率との比率を知ることで、どの採用媒体が有効か検討しやすくなる
  • 採用候補者の情報を分析することで、採用担当者の対応の改善などにもつながる

といったメリットも得られるのです。

ATSは、採用業務に関する情報管理をスムーズにしながらミスを未然に防ぐなど、今後の対策に役立ちます。

6.ATS導入のデメリット

採用管理システムは、複数の求人案件、応募者たちの情報を一元管理するためのシステムです。

年間で少人数しか求人を行わない企業の場合、コストがかかってしまって費用対効果が期待できないですしシステムが合わない場合、操作方法や設定だけで手間がかかってしまう恐れもあります。

採用業務にアナログ作業がかかわるようでしたら、採用業務アウトソーシング(RPO)サービスの導入を検討するとよいでしょう。

年間で少人数の求人やアナログ作業もかかわってく企業の場合、ATSは費用面での負担が多くなります。

7.ATSには2タイプある

ATSには2種類のタイプがあります。一昔前は「自社運用型」ともいわれるオンプレミス型が主流でした。しかし、2010年以降は初期費用がかからず、かつ手軽に作業を進められる「クラウド型」が増えています。

クラウド型とは?

インターネットなどのネットワークに接続されたパソコンやスマートフォンなどの端末から利用するサービス形態のこと。

  • インターネット上でデータの管理・保存ができるため、利便性に優れている
  • ハードウェアの購入やソフトウェアのインストールといった手間がなく、初期費用もかからない

などがメリットです。

オンプレミス型とは?

オンプレミス型は専用のソフトフェアを購入して、自社のサーバーにインストールしないと利用できません。

自社にサーバーを設置する必要のないクラウド型と違って、初期費用がかかり、運用コストも発生します。しかし、社外へ情報が漏れる可能性が低いため、機密管理の点では、オンプレミス型のほうが優れているといえるでしょう。

ATSは「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプがあり、現在は「クラウド型」が主流です。

8.ATSの雇用形態別・サービスの種類

それぞれの雇用形態によって、サービスの種類も変わります。

  • アルバイト:想定外の事態にも対処できるもの
  • 新卒:コミュニケーション機能に優れているもの
  • 中途:採用部門との情報共有を円滑にできるもの

採用業務全般を管理できるシステム

応募者情報の一元管理機能をはじめ、新卒はもちろんのこと、中途やアルバイトの雇用形態に対しても自社で採用サイトが簡単に作成できる機能を備えていることが挙げられます。

新卒採用に特化した採用管理システム

新卒採用に特化したシステムは、大学生や大学教員との関係性を構築できるコミュニケーション機能に特化したシステムが望ましいといえます。就活媒体を使うことなく、自社の力だけで人材獲得のノウハウを蓄積できるのです。

アルバイト採用に特化した採用管理システム

アルバイト採用に特化したシステムで、万が一、欠員が発生した場合を想定して、迅速に求人情報を更新し、離職者や不採用者にも再度声掛けできるようになっているものが望ましいでしょう。情報の管理に優れたシステムがお勧めです。

リファラル採用に特化した採用管理システム

リファラル採用とは、社員の推薦での採用方法のこと。マッチングの精度が圧倒的に高いため、既存業務の質を向上できます。そのため、現場の採用部門との情報共有に特化しているシステムが有効となるでしょう。

雇用形態の特性を把握することが重要です。適した機能を備えた採用管理システムを検討しましょう。

9.ATS導入における注意点

ATSを導入する際、以下に気を付けてください。

  1. 企業の規模にシステムが合っているか
  2. システムの操作性の確認
  3. 利用中の採用サービスと連携可能か

ポイント①企業規模に合っているか確認する

年間にわずかしか求人を出さず、少人数しか採用しない企業だと、システムを導入してもコストのほうが大きく、デメリットになる恐れがあります。企業規模とサービスの特徴を照らし合わせて検討することが大切です。

ポイント②システムの操作性を確認

ATSを導入していない企業では、エクセルデータなどで採用業務の情報を管理しているところが多いようです。操作に手間がかかってしまうと導入がデメリットになってしまうため、事前にシステムの操作性を確認しましょう。

ポイント③利用中の採用サービスと連携可能か確認する

ATSが自社ですでに利用している採用サービスと連携できるかどうか、必ず確認しましょう。連携できない場合、手間がかかってしまいます。

ATSを導入する際は、自社の企業規模、操作性、利用中の採用サービスとの連携が可能なのか、必ず確認してください。

10.ATSの導入費用

ひとえにATS導入といっても、日本で提供されているクラウド型の採用管理システムの利用料金はさまざまです。月額費用も数万円から十数万円と幅広く、コストパフォーマンスをよく考えて見極めていくことが重要でしょう。

初期費用無料のサービスが多い

クラウド型の採用管理システムは、無料の試用期間を設けているものが多いため、初期コストを抑えられる可能性があります。無料期間中にシステムの操作性なども確認できますので、気軽に利用してみましょう。

クラウド型の採用管理システムでは、初期導入時、無料の試用期間を設けているものが多いようです。

11.ATSの比較検討の方法

一口にATSといっても、さまざまな性能を有したタイプがあり、そのサービス機能も多岐にわたります。採用業務でどのように活用したいのかをよく検討し、採用業務に見合ったATSを見定めていきましょう。

製品名 提供企業 導入企業数 無料トライアル
jinjer採用管理 ネオキャリア 不明 可能
HRMOS採用管理 ビズリーチ 不明 不可
Cycle(サイクル) エン・ジャパン 380社以上 不可
ジョブカン採用管理 Donuts 200社以上 可能
リクログ(reclog) HRソリューションズ 700社以上 不可
SONAR イグナイトアイ 270社以上 不可
Talentio キメラ 300社以上 フリープラン(無料)あり
i-web ヒューマネージ 不明(新卒向け採用管理でシェア1位) 不可

比較検討のポイント

ATSの導入を検討する際、以下の4つのサービス機能を比較するとよいでしょう。

  1. 求人の編集・公開機能
  2. 採用候補者の管理機能・進捗管理機能
  3. データインポート機能
  4. コミュニケーション機能

①求人の編集・公開機能

ATSは自社で求人HPを手軽に作成できる機能があります。

ただその機能を使えたとしても、

  • サイトを開く際の読み込み速度
  • スマートフォンなどに対応しているか

といったユーザーの視点から見た使い勝手の良さを検討しなければなりません。レイアウトなども考慮して、納得のできるサービスなのか確認することが大切でしょう。

②採用候補者の管理機能・進捗管理機能

数あるATSの中でも最も頻繁に使用される機能といえば、

  • 採用候補者の管理
  • 進捗管理

また導入の検討材料として、「レスポンスの速さ」も挙げられます。大量のデータを管理しているアカウントを実際に操作してみて、滞りなく作業が進められるのかを、確かめておきましょう。

③データインポート機能

数十名にも及ぶ応募者のデータ管理は、膨大な労力と時間を要します。そのため、求人媒体の管理画面からデータを抽出して採用管理システムにインポートするには、CSVファイルが最も適しているといわれているのです。

データの整理など、現在利用されているサービスがインポート機能に対応しているか、確認が必要でしょう。

④コミュニケーション機能

ATSは採用候補者との間で交わされたメールを一元管理でき、細かな情報も見落とさず、ミス防止につながります。

また面接業務において「日程調整」「カレンダーの連携機能」、また面接官同士のディスカッションとして、「掲示板機能」も重要です。それらのシステムが有効に使用できるのか確認しましょう。

データインポートをはじめ、自社の採用業務にとって、どのようなサービス機能が必要なのか、事前の確認が必要です。

12.無料(フリー)で使える採用管理システム

ATS導入を検討した際は、まず、コストがかからないクラウド型の採用管理システムを試してみましょう。中でも『リクナビHRTech 採用管理』は無料なうえに、初心者でも手軽に扱えます。

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  • ユーザーアカウント
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など、それぞれの登録数に上限がありません。エクセルの操作性が維持されたかのように使い勝手が良く、シンプルな画面設計でワンクリックでデータの集計・分析が行えます。社内での共有もスムーズになるなど、採用業務に最も適したATSといえるでしょう。

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