アサーティブとは? アサーティブコミュニケーションとは、身に付けるメリットなどについて

アサーティブとは自らの思いや考えを真っ直ぐに伝えること。ここでは、アサーティブコミュニケーションを身に付けるメリットなどについて、ご紹介します。

1.アサーティブとは?

アサーティブとは、自分の考えや意見を率直に表現すること。表現方法をアサーティブな態度といい、練習方法をアサーティブトレーニングと呼びます。

トレーニングの柱となるのが、「率直」「対等」「誠実」「自己責任」。4つの柱が相手を大切にし、自分も大切にするコミュニケーションの核となるのです。アサーティブトレーニングをすれば、人間関係を円滑にできるでしょう。

アサーティブとは、自分の意見を率直に伝えることです。トレーニングをすれば、円滑な人間関係の構築に役立ちます

【社員の管理に、お困りではありませんか?】

「カオナビ」は使いやすさで選ばれる、人材管理システムです。多様化する社員の個性も一目で把握、活用が進む人材マネジメントを実現します。

カオナビってどんなツール?

2.アサーティブの考え方にある背景

アサーティブについて正しく理解するためにも、その考え方の背景にある歴史を知っていきましょう。自分と相手を同じように尊重しつつも、自らの意見を適切に伝える方法となるアサーティブコミュニケーション。一体どんな歴史と意味を持つのでしょうか。

アサーティブの歴史

アサーティブコミュニケーションの起源は、1949年に発表された、アンドリュー・ソルター著の『条件反射療法』にあるとされています。著書では、人間が本来持っている「活動性」が、しつけや社会規範に抑制されていると述べられているのです。

1960~1970年代のアメリカでは、黒人差別に対する運動や女性の権利を求める運動において、どのように自分の主張をしていくかが研究され、結果、アサーティブコミュニケーションが発達していきました。

アサーティブコミュニケーションが持つ意味

アサーティブコミュニケーションの「アサーティブ」は、英語で「Assertive」と表記されます。「Assertive」とは「断言的な」「言い張る」と言った意味の英語です。

アサーティブコミュニケーションは、行動療法における「Assertiveness」に由来しており、相手と対等に接しながらも自らの考えなどをしっかりと表現するという意味を持ちます。それらを実践する方法として、アサーティブトレーニングが用いられるのです。

アサーティブコミュニケーションの起源は70年以上も前にさかのぼります。その背景と歴史を知ると、より深く理解できるでしょう

3.アサーティブを身に付けるビジネス上のメリット

アサーティブの考え方は、ビジネスにも活用できるのです。ここでは、アサーティブを身に付けるビジネス上のメリットについて、解説します。

  1. コミュニケーション能力が向上する
  2. 生産性を高められる
  3. 仕事によるストレスを軽減できる
  4. 働きやすい職場環境を作れる

①コミュニケーション能力が向上する

これまで身につけてきた振る舞いや言葉を変えるというのは、かんたんではありません。しかし自分のコミュニケーションの傾向を理解し、繰り返しロールプレイングを行えば、表現力を磨けるのです。

相手に対して前向きに意見や希望を伝えられれば、相手もこちらの意図が理解できます。それにより、よりよい関係を構築できるでしょう。

②生産性を高められる

アサーティブな対応を身に付けると、仕事上であいまいになりがちな点をクリアにしつつ、業務に取り組める環境を整えられます。自分と相手にとって無理のない条件で仕事を進められるため、トラブルやリスクをうまく回避できるのです。

仕事の目的も最初から明確になっているので、たとえトラブルが発生しても早い段階で対処できるようになります。

③仕事によるストレスを軽減できる

言いたいことを言えない状況が続いてしまうとストレスを溜め込んでしまうため、仕事のパフォーマンスも下がってしまいます。

アサーティブを身に付ければ、他人に配慮しすぎずに自分の考えや意見、気持ちを率直に伝えられます。これにより、自身も納得しながら仕事を進められるため、ストレスを抱え込む状況も減るでしょう。

④働きやすい職場環境を作れる

仕事を進める際、同僚や上司、部下といったさまざまな立場の人たちとコミュニケーションを取っていきます。

アサーティブな姿勢を身に付ければ、対人関係によるストレスを軽減でき、円滑にやり取りできる職場環境が整えられるのです。日本でもこの効果は認められており、経営者研修やリーダー研修、新人教育などに広く取り入れられています。

アサーティブを身に付けるビジネス上のメリットは、「コミュニケーション能力が向上する」「生産性を高められる」「仕事によるストレスを軽減できる」「働きやすい職場環境を作れる」の4つです

4.3つの自己主張の方法

アサーティブトレーニングの基礎を確立したのはアメリカの心理学者ウォルピとラザルスで、彼らによると自己主張の方法は3つあります。3つについて解説しましょう。

  1. アグレッシブ
  2. アサーティブ
  3. ノンアサーティブ

①攻撃型の「アグレッシブ」

「アグレッシブ」とは、自己主張ができる一方、他人に共感する力が乏しいタイプのことで、攻撃型を意味します。アグレッシブなコミュニケーションをする人の特徴は、下記のとおりです。

  • 相手を尊重せず、自分さえよければといった点だけ考えてしまう
  • 相手の考えや感情を無視し、自分の要求を押しつけてしまう
  • 自分が一番である点にこだわってしまう
  • 相手を見下して、自分が優位に立とうとする
  • 何事に対しても勝ち負けへの執着が強く、相手に絶対負けられないと思ってしまう

②主張と尊重を大切にする「アサーティブ」

「アサーティブ」とは自己主張をすると同時に、相手の気持ちや考えを尊重できること。「アサーティブ」は「アグレッシブ」と「ノンアグレッシブ」の中間のタイプです。

このタイプの人は、相手と意見がぶつかっても、お互いに話し合って納得できる結論を導き出せます。アサーティブなコミュニケーションをする人の特徴は、下記のとおりです。

  • 場に合った適切な表現を選択できる
  • 自らの意見や気持ちをはっきりと主張できる
  • 相手の意見や気持ちをきちんと受け止められる

③主張を控える「ノンアサーティブ」

「ノンアサーティブ」とは、他人の意見を尊重できる一方で、自分の意見や気持ちをうまく伝えられないタイプのことで、非主張型を意味します。ノンアサーティブなコミュニケーションをする人の特徴は、下記のとおりです。

  • 自己主張が控えめかつ苦手である
  • 曖昧な表現を多く使ってしまう
  • 自分よりもつい相手を優先してしまう
  • 頼まれたら、本当はNOでも断れない
  • 相手にも気を遣える反面、相手に対して「自分にも気を遣ってほしい」という気持ちを抱いてしまう

アサーティブコミュニケーションで両方のメリットを活かせる

ビジネスにおいてアサーティブコミュニケーションが注目されるのは、なぜでしょうか。仕事におけるコミュニケーションを円滑にすると、人間関係が円満になると考えられているからです。

特に上司と部下の関係改善に役立つといわれています。上司がアサーティブコミュニケーションを身に付けた場合、部下の意見を尊重しながら、どのような気持ちで仕事を任せているかを部下に伝えられるのです。

部下の場合、上司にしっかりと意見を伝えられるため、困りごとなども素直に打ち明けられるでしょう。

自己主張の方法は、「アグレッシブ」「アサーティブ」「ノンアサーティブ」の3つのタイプに分かれます

5.DESE法で身につける4つのポイント

アサーティブコミュニケーションを実践する際、4つのポイントからなるDESC(デスク)法を用います。DESC法が持つ4つのポイントについて、解説しましょう。

  1. 事実を示す「Describe」
  2. 自分の気持ちを伝える「Explain」
  3. 提案をする「Specify」
  4. 行動を選択する「Choose」

①事実を示す「Describe」

DESC法の「D」とは、起こった状況や相手の行動について意見を述べますが、相手に対する評価や自分の感情は含めずに、具体的かつ客観的な事実のみを伝えること。「D」は事実を示す「Describe」で「描写する」という意味を持ちます。

Describeの例は、下記のとおりです。

  • 事実を示した事例:「あなたは待ち合わせに5分遅れてきた」など
  • 事実でない事例:「あなたは私のことを大事に思っていない」など

②自分の気持ちを伝える「Explain」

DESC法の「E」は、事実に対する自分の主観的な気持ちを感情的になったり攻撃的になったりしないよう注意しながら、相手に伝えること。「E」は、自分の気持ちを伝える「Explain」で、「説明する」という意味を持ちます。

Explainの例は、下記のとおりです。

  • 気持ちを説明した事例:「時間になっても来ないから、不安になった」など
  • 気持ちを説明していない事例:「時間になっても来ないから、ぞんざいに扱われたと感じた」など

③提案をする「Specify」

DESC法の「S」は、自分の気持ちを伝えた後、自分が何を求めているのかを抽象的な表現ではなく、具体的な行動を要求して相手に伝えること。「S」は、提案をする「Specify」で、「明確に述べる」という意味を持ちます。

Specifyの例は、下記のとおりです。

  • 具体的に提案した事例:「遅刻しそうな時は連絡をくれませんか」など
  • 具体的に提案していない事例:「私のことを大事にしてくれませんか」など

④行動を選択する「Choose」

DESC法の「C」は、自分が具体的に求めているものを提案した後、相手の反応がYes・Noの場合、自分の行動を提示すること。「C」は、行動を選択する「Choose」で、「選ぶ」という意味を持ちます。

このとき、Specifyに戻ってしまわないよう注意します。例は、下記のとおりです。

  • 自分の行動を選択した事例:「連絡してくれれば待つけど、なければ帰る」など
  • Specifyに戻ってしまった事例:「連絡してくれれば待つけど、そうでなければアイスを買ってきてほしい」など

DESC法を構成している4つのポイントは「Describe」「Explain」「Specify」「Choose」です