抜擢人事とは?【事例を交えてわかりやすく解説】

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企業の多くが組織のスリム化を図り、抜擢昇進と降格がセットになった人事制度に改定し始めている昨今、抜擢人事がすでに当たり前となりつつあります。

では、抜擢人事とは何なのでしょうか? メリットとデメリット、成功のポイントとともにご紹介します。

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1.抜擢人事とは?

抜擢人事とは、人材登用の際に、年齢や年功を飛び越えて未経験者や若い人材を高いポジションに就かせること

社会全体が「年功序列」から「成果主義」に移行しつつある現在の日本では、先輩社員より先に後輩社員が昇進して上司となるケースも稀なことではないでしょう。

仕事をするうえで人事は大きな問題です。自分が人事によって異動するなどの問題もありますが、上司や後輩などの人事も他人事ではありません。企業にとって人事は、成果や業績につながる重要な問題なのです。

どのような人事が企業の成功につながるのか、さまざまな取り組みをしている企業も少なくありません。人事についての考え方や取り組みはさまざまですが、そのひとつに抜擢人事があります。抜擢人事とはどういうものでしょうか?

年齢や年功、学歴にこだわらず、若い人材を高いポストに起用すること

上司の多くは自分より年上、会社にいる年月が長い人、といったケースが多いでしょう。抜擢人事とは、年齢や年功、学歴などにこだわらない人事です。

つまり、若い社員や未経験でも優秀な人材を高いポストに起用する人事です。年齢や経験だけを目安にするのではなく、成果や業績などを考慮して、高いポストに優秀な人材を配置します。

後輩社員が先輩社員の上司になるケース

抜擢人事では、後輩社員が先輩社員の上司になるケースもあります。年上だから、先に入社しているから高い成果を挙げているとは限りません。先輩でも後輩でも成果を挙げられる人材のほうが上司としてふさわしいという考えのもと、抜擢人事は実施されます。

従来は、年功序列によって上司や高いポストに配置されるものでした。それは経験を積むことで、能力が高くなるという考え方のもと行われていた人事です。抜擢人事では経験だけでなく、成果を挙げられる人材に対して高いポストを与えます。

社外から人材をあてがうケース

抜擢人事は社内だけのものではありません。外部から優秀な人材を抜擢し、高いポストに配置して成果アップを目指すという人事もあるのです。社外から目的に応じた優秀な人材を配置すると、社内が刺激されて、業績アップにつながります。

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2.抜擢人事導入の背景

経験を積んだ人材が順当に上司となったり、管理職になったりする従来の人員配置ではなく、年齢や学歴などに関係なく配置される抜擢人事が注目され、増加している現状には、次のような背景があります。

成果主義制度への移行に伴い導入

どんなに成果を挙げても、入社して1年目なので評価されにくいといった環境では、優秀な人材がどんどん辞めてしまうのです。自分の成果が認められ、それに見合ったポストや報酬を得られる環境は、仕事をしている意義や楽しさが感じられるでしょう。

成果が認められ、それに見合った形で仕事ができる成果主義を導入している会社が増えています。そういった企業では抜擢人事も珍しいことではありません。

グローバル化など、社会の変化のスピードに対応するため

現在、多くの企業でグローバル化が進んでおり従来の経験を積んでいるだけで評価するという制度では対応できなくなってきているのです。社会の変化に伴い、人員配置も変化をしているともいえます。

「若さ」や「バイタリティー」がリーダーの資質として求められている

抜擢人事が注目される背景に、若さやバイタリティーが重要視されているという点があります。もちろん、年齢が高いからバイタリティーがないということではありません。しかしリーダーには、柔軟性や流行における敏感さ、意識の高さなどが求められるのです。

新しいことにどんどん挑戦する姿勢、熱意、行動力、そういったものを持ち合わせている人材であれば、年齢に関係なく抜擢されるということです。

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3.抜擢人事のメリットとデメリット

抜擢人事を行ううえで、メリットとデメリットを把握しておく必要があります。抜擢人事のメリットとデメリットを見てみましょう。

メリット

  1. 若手の成長促進
  2. 健全な競争力向上
  3. 次世代リーダー育成
  4. 組織全体の活性化
  5. 被抜擢者のモチベーションや能力アップ
  6. 人事の活性化

①若手の成長促進

抜擢人事は、若くても能力があれば主要ポストに抜擢される人事です。そうはいっても最初からすべてを兼ね備えている人は少ないでしょう。責任あるポストを任されることで、その人の能力を引き出すこともできます。つまり若手の成長促進が期待できるのです。

また上司に恵まれていないと、部下の成長も期待できないこともあります。若い世代の才能やスキルを伸ばすためにも、抜擢人事は良い効果をもたらすでしょう。能力のある人材が上司になって部下の能力が引き出されれば、それは会社にとって大きなメリットです。

②健全な競争力向上

ライバルの存在は、お互いを成長させます。管理職など高いポストに就くことは、収入の面だけではなく、仕事へのやりがいなどにもつながるでしょう。また相手に負けたくない、という健全な競争力を向上させることで、仲間同士がお互いに成長します。

③次世代リーダー育成

高いポストに就くことで自分の手腕を発揮でき、さらにスキルも伸びて、リーダーとしての資質も身につくのです。適切なポストに能力のある人材が登用されると、若い世代はその姿勢を見て育ちますし、そこから新たなリーダーが育つでしょう。

④組織全体の活性化

抜擢人事で空いたポストに、さらに能力のある人材が配置されることで、組織全体が活性化します。

能力だけでは高いポストに就けないというのが従来の年功序列制度における人員配置でした。しかし抜擢人事は年齢や年功に関係なく、能力次第で人員配置が変わるため、努力する人も増え、組織全体の活性化につながります。

⑤被抜擢者のモチベーションや能力アップ

年齢や経験という壁に邪魔されることなく純粋に自分の能力を認めてもらえるという気持ちは、仕事への意欲につながります。モチベーションを高く持つことで、スキルアップにもつながるでしょう。

⑥人事の活性化

抜擢人事で、ポジションに新しい人材を登用できます。能力のある人は自分のスキルを活かせるポストに就くことで、成果を挙げていくでしょう。

また責任ある重要なポストに配置されることで、モチベーションも高まります。これらが人事の活性化につながるのです。

デメリット

  1. 従来の企業では対応不可な場合も
  2. 企業風土に合わない
  3. 被抜擢者の能力不足
  4. スキルが追い付かない
  5. 組織内にコネがない
  6. 抵抗勢力による妨害
  7. 大多数の社員のモチベーションダウンを誘発しやすい

①従来の企業では対応不可な場合も

現在の年功序列を重んじる企業では対応できないケースもあるでしょう。突然の人事改革となると、社員がついていけずに混乱してしまう危険性があるのです。

②企業風土に合わない

企業風土も問題として挙げられるでしょう。新しいことへのチャレンジに抵抗がない風土であれば、抜擢人事もスムーズに導入できます。

しかし先輩社員が優位に立つことが普通となっている会社では、後輩が上司になることに抵抗を感じてしまい、仕事に悪影響を及ぼすこともあります。突然の改革に抵抗がある場合、徐々に変更をしましょう。

③被抜擢者の能力不足

若いから、熱意があるからだけで抜擢したもののそのほかの社員がついていかない、というケースがあります。

スキルが伴わない、リーダーとしての資質がない場合、部下をまとめられないこともあります。そのままでは、組織の活性化も業績のアップも期待できないでしょう。なぜ自分が登用されたか、自分の役割は何か、被抜擢者に自覚させることが必要です。

④スキルが追い付かない

社員を導く能力がないと、抜擢されてもリーダーとしてやっていけませんし、企画力や熱意などの不足から期待に応えられない場合もあります。

リーダーの資質だけでなく、業務に関する知識や手法などを得る努力も必要です。また抜擢したほうは、どんな目的でその人を抜擢したのかを、全員に明確な形で伝えることも重要です。

⑤組織内にコネがない

組織はコネクションで成り立っている面もあります。協力者やサポートをしてくれる人がいないと、孤立してしまう可能性があるでしょう。

⑥抵抗勢力による妨害

社内には、新しい改革を受け入れられないという人もいます。現行制度に慣れている人や年配の人などは、新しいことに対する抵抗感があるのです。

特に高いポストに若い年代の人が配置されるなどもってのほかといった嫉妬やねたみなどが生まれることもあり、そうなると従うどころか嫌がらせなどが起こることもあるでしょう。

⑦大多数の社員のモチベーションダウンを誘発しやすい

企業の風土に合わない、協力する雰囲気や環境ではない、というなかで抜擢人事を行っても成功しません。失敗すると多くの社員のモチベーションがダウンしやすくなります。

また抜擢された人はモチベーションを持って仕事できますが、それ以外の人の気持ちが沈みやすいというデメリットがあります。そうならないためにも抜擢されない人へのフォローが必要です。

抜擢人事のデメリットを抑えるには、抜擢するに値する優秀な人材を見極め、周囲が納得する人材配置にすることがポイントです。

人材管理システム「カオナビ」を活用すれば、一元化&見える化した人材情報をもとにリーダーの資質や業務適性、スキルのある優秀な人材を抜擢できます。また、抜擢されなかった社員に対しても、社員のスキルを把握した上で戦略的な育成プランのもと、将来的に抜擢されるレベルの人材に育て上げることが可能です。

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4.押さえておきたい抜擢人事のポイントとは?

抜擢人事をしたから成功するとは限りません。抜擢された人のスキルが不足している、周りのモチベーションが上がらない、などといったデメリットもあるのです。そういったデメリットを生むことなく抜擢人事を成功させるには、次のようなポイントを押さえることが必要です。

フェアな人事評価

不公平な雰囲気を与えないことが重要です。

年功序列制度で次は自分が高いポストに就くはずだったのに、突然の抜擢人事でそれが阻まれたと感じると、不満を覚えます。突然導入するのではなく、段階を追って行うとよいでしょう。

なぜ今、抜擢人事が必要なのかなど、抜擢人事の必要性やメリットを十分に理解してもらってから始めることが大切です。

選考プロセスのオープン化

不公平さを感じさせないために、明確にした選考プロセスを公表しましょう。年齢や経験だけではなく成果やスキルなどの評価基準を明確にして、その人が抜擢されることに理解できる、納得できる、とほかの社員に思ってもらえるようにするのです。

なぜ、その人が抜擢されたのか、目的や役割を理解してもらえば、フェアな人事をしているという印象につながります。

抜擢されなかった人へのケア

抜擢されなかった人へのフォローも重要です。特に年功序列制度において自分が重要なポストに就くはずが、抜擢人事でそうならなかった場合、不満が募ります。

そういった気持ちを考え、配慮することが必要です。自分の気持ちを抑えられず、抜擢された人へ八つ当たりをしたりモチベーションが上がらず仕事に支障が出てしまったりすることも考えられます。

社内で悪い雰囲気があるとそれが飛び火して、社内全体に悪い空気を漂わせてしまうでしょう。そうならないためにも、抜擢されなかった人材へのケアが必要です。

抜擢されなかった人をスポイルしない・活かし方を考える

抜擢されなかった人のスキルや役割に見合った人事をするなどの配慮をしましょう。当人が納得できる形を考えることで、不満を減らしながら人材の活用が叶います。業績アップにもつながるでしょう。

抜擢されなかったからと、組織に必要な人材というわけではありません。社員一人ひとりが組織にとって重要な資本であり、抜擢される人材に育成するのも組織の役割です。

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5.抜擢人事の事例集

抜擢人事を実施したケースの実例を紹介します。抜擢人事の参考にしてみてください。

三井物産・安永竜夫氏

32人抜きの社長昇格をしたのが、三井物産の安永竜夫氏です。三井物産ほどの大企業で抜擢人事は難しいのではと思われがちですが、実際、32人抜きの抜擢人事が行われました。

多くの社員が驚くなか、10歳以上若返った社長は取締役経験もなく大企業では異例の人事だったのです。

日清食品・安藤徳隆氏

グローバル化を進める日清食品では、グローバル人材の育成を課題に取り組んでいます。そんな日清食品では37歳の専務であり、「チキンラーメン」開発者の孫である安藤徳隆氏が抜擢されています。

若い年齢で社長となった安藤徳隆氏は、ユニークな取り組みで日清食品に新しい風を吹き込んでいます。

そもそも、日清食品の創業者である安藤百福氏は、クリエイティブを大事にしてきた人物で、新しいものを作る意欲のあった人なのです。安藤徳隆氏は創業者の意欲を受け継ぎ、現状に甘んじることなく会社を引っ張っています。

ヤフー・宮坂学氏

宮坂学氏は、44歳の若さでヤフーの社長に抜擢されました。抜擢人事が行われたのは2012年で、前社長から託されたのは「改革」です。抜擢人事をする大きな目的ともいえる改革を、宮坂氏は実現しています。

それまでもヤフーは前社長の井上雅博氏によって15期連続で増収増益をしています。宮坂氏は役員の平均年齢を10歳以上若返らせ、スマートフォンを主軸にした戦略を実践していきました。

松下電器産業(現パナソニック)・山下俊彦氏

1977年という抜擢人事が今ほど注目されていない時代に、当時の松下電器産業で25人を抜いて社長に抜擢されたのが山下俊彦氏でした。

今でも伝説となっている山下氏の25人抜きは、松下電器を大きく改革していきました。現在の成功は山下氏の活躍あってこそといえるでしょう。

事例にもあるように、抜擢人事で実際に大きな成長・成功を遂げた企業は多くあります。しかし、抜擢人事は組織にとってリスクもある人事施策であるため、慎重に取り組むことが重要です。

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