相見積もり(あいみつ)とは?【取るのは失礼?】マナー、断り方

相見積もりとは、同じ条件で複数の業者から見積もりを取って比較すること。相見積もりのメリット、取り方、注意点、マナーなどを解説します。

1.相見積もり(あいみつ)とは?

相見積もり(あいみつもり)とは、同時に複数の業者から商品やサービスの見積りを取り、条件や価格、納期などを比較すること。「あいみつ」と称することもあります。目的は、不自然な価格差をあぶり出して適正な発注につなげることです。

あいみつの使用例

ビジネスシーンでは主に仕事の発注先、商品やサービスの購入先を検討する際、相見積もりを行います。多くの場合は「あいみつ」と略されるでしょう。具体的な例文は次のとおりです。

  • リストアップした業者にあいみつをお願いします
  • 週末までに、あいみつを取っておいてください
  • 金額〇円以上は、3社以上のあいみつを必要とする

英語での表し方

英語表記は「Competitive Bids」あるいは「Competitive Quotes」です。「Competitive」は「競争、競合」、「Bid」は「入札」、「Quote」は「見積り、相場」を指します。例文は以下のとおりです。

The A Company will request competitive bids from several suppliers for the purchase of new IT equipment.(A社は、購入する新しいIT機器の相見積もりを複数のサプライヤーへ依頼する)

相見積りと合見積り

「相見積もり」と「合見積もり」ふたつの表記を見かけるものの、いずれも正しい表記です。辞書には「相見積もり、または合い見積もり」と掲載されています。

しかし混用すると誤解を招く恐れがあるため、表記を統一したほうがよいでしょう。なお一般的には「相見積もり」と記載する場合が多いようです。

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2.相見積もりのメリット

相見積もりの主なメリットは、発注や購買の際に価格交渉を有利に進められること。ここでは3つのメリットを解説します。

  1. 適切な価格で取引できる
  2. 最適なサービスを選択できる
  3. 不適切な取引を防げる

①適切な価格で取引できる

商品やサービスの条件や数量に応じた市場価格を把握でき、適正な金額で取引できるようになります。

1社だけと交渉していたのでは、提示された見積りが相場に則っているか、判断できません。また多くの業者はWebサイトで価格目安を提示しているものの、条件や数量によってはWebサイトの価格を下回る場合もあります。

相見積もりは発注コストの削減にもつながるのです。

②最適なサービスを選択できる

相見積もりをとおして、自社にとって最適な業者および商品・サービスを選択できるようになります。

相見積もりのやりとりで、「提示した条件や数量から要望などを汲み取って説明や提案をしてくれる」「アフターサービスが充実している」「レスポンスが早く相談しやすい」などの特徴が発見できるかもしれません。

価格だけでなく、このような業者の対応も含めて発注先を検討しましょう。

③不適切な取引を防げる

相見積もりは不適切な取引を防ぎ、コーポレートガバナンスの強化にもつながります。自社に相見積もりの取得を定着させると、購入担当者は特定業者との不公正な発注を行なえなくなるからです。

正当性を示すためにも、相見積もりで複数の業者を比較検討し、明確かつ納得性のある選定理由をもって取引先を決定しましょう。

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3.相見積もりを取るのは失礼?

相見積もりはどの業界でも普通に行われており、失礼な行為でもマナー違反でもありません。相見積もりは、悪徳業者を見極めて損害を被らないためにも必要なのです。

相見積もりの結果、1社以上の業者が失注してしまうものの、業者も相見積もりの必要性を理解しています。失注したからといって業者からクレームを受ける心配はまずありません。

相見積もりで選ばれなかった業者は、商品やサービスの見直すきっかけを得られます。

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4.相見積もりを取る際のマナー

基本、相見積もりはマナー違反になりません。ただしやり方次第ではビジネスマナーに反するケースもあります。相見積もりのマナーを解説しましょう。

  1. 目的をきちんと伝える
  2. すべて同じ条件で依頼する
  3. 期日を明確に伝える

①目的をきちんと伝える

相見積もりの際は、前もって「本件は相見積もりであり、他社にも見積もりをお願いしている」と伝えましょう。「相見積もり」を伝えずに頼むと、相手の業者は「見積りがとおれば自社で決定するだろう」と考えてしまうからです。

とくにいつも利用している業者は、見積りを依頼した時点で自社に決まったと早合点し、受注準備まで進めてしまうかもしれません。発注を巡って不要なトラブルを招く恐れもあります。

②すべて同じ条件で依頼する

相見積もりを依頼する際は、業者によって条件を変えないようにしましょう。条件を変えると価格も内容も異なる意味のない見積りが提出されてしまい、公平な比較できないからです。

もし相見積もりを依頼している間に条件や数量などが変わったら、相見積もりを依頼したすべての業者へ同じタイミングで伝えましょう。

③期日を明確に伝える

相見積もりを依頼する際は、比較検討を行いたい期日から逆算して、見積書の納期を伝えます。すべての業者から見積りが届いてからでなければ、比較検討できないからです。

ただしあまりに納期が近いと業者の見積りが間に合わない恐れもあります。納期までの期間は、1週間以上を設定しましょう。

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5.相見積もりを取る際のポイント

相見積もりの目的は、受注条件や金額などで業者を比較すること。比較の際に確認すべき項目を3つ説明します。

  1. 金額の内訳
  2. 各種条件の内容
  3. 見積もりの有効期限

①金額の内訳

各見積書の合計金額だけでなく、内訳が記載されているかを確認します。「何にどのような費用が発生するのか」を把握するためです。たとえば資材費や作業料、配送料などの費用が該当します。

内訳を明記している業者でも、「重複する項目がないか」「各項目の金額が妥当か」などの点をチェックしましょう。

②各種条件の内容

見積書には金額以外にもさまざまな条件が記載されるため、必ず目をとおします。業者が提示する主な条件は、納期や納品場所、支払い期日や支払い方法、特記事項など。これらの条件を見落としたまま契約すると、のちに不都合を強いられる恐れもあります。

③見積もりの有効期限

業者が発行する見積書は基本、有効期限が設定されます。受注までに市場価格が変動し、見積もり時の金額では請け負えなくなる場合もあるからです。

一般的に設けられる有効期限は1か月から3か月ほど。ただし業者によってはさらに短く設定する場合もあります。有効期限が切れてしまったときは、再度見積書の作成を依頼しましょう。

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6.相見積もりを取る際の注意点

相見積もり行為そのものはマナー違反になりません。ただし進め方によってはトラブルに発展してしまいます。ここでは相見積もりを取るときの注意点を解説しましょう。

  1. 値引き交渉はしない
  2. 必ず期限までに返信をする

①値引き交渉はしない

「○○社の見積もり額は○○円だが、それよりも安くしてくれたら契約する」といった、他社の見積もり金額を明確に提示した値引き交渉は避けましょう。

見積書を開示された業者は、他社に詳細な単価や作業料などを知られてしまい、今後の営業活動に支障が出てしまうかもしれません。そのため多くの業者は見積書を他社へ見せることを拒否するのです。業者からの信頼を落とす行為だと認識しておきましょう。

②必ず期限までに返信をする

選定結果は、受注業者のみならず失注業者を含めすべての業者に連絡します。業者が回答期限を設けている場合、必ず期限内に回答しましょう。断りの連絡は気が引けるものの、連絡せずに放置してはいけません。

失注業者へ結果を伝達する際は、以下を含めるのが一般的です。

  • 見積作成への感謝の気持ち
  • 選定の結果
  • 失注の理由(たとえば価格や納期が合わないケースなど)
  • 今回はご縁が無かったものの、今後も取引を継続してほしい旨

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7.相見積もりの取り方

相見積もりの準備から契約までをわけると4つの手順があります。それぞれについて解説しましょう。

STEP.1
条件の決定
発注の目的や発注条件、業者の選定条件を決めます。発注目的の例は「購入の目的」「新しい業者を探す目的」など、発注条件の例は「求める機能や品質」などです。

発注条件は相見積もりの依頼時に提示する項目となるので、できるだけ詳細に記載しておきましょう。発注条件が決まったら、価格や納期など業者を選定するときの条件を決めます。

STEP.2
依頼する業者の選定
相見積もりを依頼する業者の選定では、まず自社の取引先に適当な業者がいないかを探し、次に業界情報をベースに候補を選定します。

候補業者の情報がない場合は、事前にインターネットや調査会社(東京商工リサーチといったもの)から情報を集めましょう。

相見積もりをする業者数は業種によって異なるものの3社から4社、多くても6社までに抑えます。それ以上多いと、業者の絞り込みに時間がかかるからです。

STEP.3
相見積もりを取得
選定したすべての業者へ同じ条件や資料を提示し、見積もりを依頼します。提示する項目例は次のとおりです。

  • 発注数量
  • 求める品質や機能
  • 納期および納品方法
  • 予算
  • 見積もりの提出期限

自社が求める条件に合った見積もりを取得するためにも、できるだけ詳細な情報を伝え、可能であれば仕様書を添付しましょう。

STEP.4
比較検討のうえ契約
各業者の見積もりがそろったら、内容を比較検討します。すべての見積もりを確認し、こちらが希望する条件と合致する項目と、交渉してみる項目を切りわけましょう。

たとえば「A社は金額が安いが条件が合わない」「B社は少し金額が高いが条件が合う」場合、A社には条件面で交渉し、B社には金額面での交渉を行います。ただしいずれの場合も業者の事情を考慮したうえで、双方が納得できる方向を目指すことが肝要です。

比較検討が終了したら発注する1社を選定し、契約に移行します。

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8.相見積もりの依頼メール例文

相見積もりを依頼するときに送るメールの例文を紹介します。

件名:見積書作成のお願い(株式会社 □□)

本文:

 

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

 

いつも大変お世話になっております。

さて、このたび弊社では、●●社製「商品●●」の購入を検討しております。
つきましては、下記の内容について「金額と納期」について見積もりをお願いします。

 

商品名 ●●社製「●●」
個数  ●●個
納入場所 弊社本店
支払方法 貴社との基本契約書による
提出期限 ×年×月×日

 

またこの度は、複数の業者様へお見積もりを依頼しておりますので、念のため申し添えます。選定結果については、×月×日までにご連絡いたします。

 

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

株式会社 □□  □□部 担当 □□

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9.相見積もりを依頼したが断る際のメール例文

続いて、お断り文の例です。

件名:ご提案いただいたお見積もりの結果について(株式会社 □□)

本文:

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

 

いつも大変お世話になっております。

 

このたびは●●社製「●●」の購入について、お見積もりを提出いただき誠にありがとうございました。

検討いたしましたが、他社が価格優位にありましたので、今回は他社からの購入となります。

 

また機会がございましたらお声がけいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

株式会社 □□  □□部 担当 □□