労災保険のメリット制とは?【わかりやすく解説】計算方法

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労災保険のメリット制とは、事業場ごとの労働災害の発生率に応じて労災保険率を最大±40%増減させる制度で、災害防止努力を保険料に反映させる仕組みです。本記事では、メリット制の仕組みと適用要件、継続事業・一括有期事業・単独有期事業ごとの計算方法、中小企業向けの特例メリット制の条件と申告手続きまでをわかりやすく解説します。

「メリット制」とは?

メリット制とは、同じ業種でも事業場ごとに異なる労災発生率を保険料に反映させるため、労災保険率または保険料額を増減する制度です。

項目 内容
制度の目的 事業場ごとの災害率の違いを保険料に反映し、負担の公平性を確保する
増減の範囲 労災保険率を±40%(一部±30%)の範囲で増減
対象外 通勤災害はメリット制の対象外
事業の種類 継続事業・一括有期事業・単独有期事業で適用要件が異なる

労災保険の割合は、業種ごとに災害の危険性が違うので種類によって決まっていますが、事業の種類が同じでも災害率は異なってきます。そこで、労災保険率もしくは労災保険料の額を、事業場における労働災害の発生率に応じて増減させる制度が「メリット制」と呼ばれるものです。

メリット制は、継続事業・一括有期事業・単独有期事業によって異なりますので注意が必要です。労災保険では事故率が低いほど保険率もしくは保険料が軽減されるということです。また通勤災害は、メリット制とは関係ありませんので、人事担当者は覚えておきましょう。


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労災保険のメリット制について

メリット制の適用には常時100人以上の雇用(または20〜99人で一定要件を満たす場合)が必要で、過去3年間の保険料と給付額の比率に応じて翌々年度の労災保険率が±40%の範囲で増減されます。

要件 内容
継続事業(100人以上) 連続3年度中、常時100人以上を雇用している事業
継続事業(20〜99人) 常時20〜99人を雇用し、労災保険率から非業務災害率を引いた率×労働者数≧0.4の事業
一括有期事業 建設業または立木伐採業で、確定保険料が100万円以上の事業
新設事業所 設立後、メリット制の適用まで4年間かかる
増減の算出 過去3年間の納付済保険料額に対する支給済保険給付額の割合で算出

労災保険のメリット制で注意したいのが、「一定の規模以上の事業」を対象にしている点です。連続している3年度中において継続して常時100人以上の雇用をしている場合、もしくは、常時20人~100人の雇用をしている場合、事業の種類で決められた労災保険率から非業務災害率を引いた率を、使用労働者数に乗じた計算を行って、算出した数が0.4以上であれば対象となります。

そして、一括有期事業において建設の事業もしくは立木の伐採の事業であり、確定保険料が100万円以上となるものも対象です。また、新しく設立された事業所の場合には、適用までに4年間かかるという点も重要なポイントです。

労災保険のメリット制では、原則として、過去3年間の労災保険の納付済保険料額に対する支給済保険給付額の割合を算出して、それに応じて、3年間の最終年度の翌々年度の労災保険率を±40%の範囲で増減します。

この労災保険率の増減は、±40%だけではなく一定の基準によって±30%というケースもあります。

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特例メリット制の適用について

特例メリット制は常時300人以下の中小企業が「快適職場推進計画」の認定を受けた場合に適用され、安全衛生措置を講じた年度の翌々年度から3年間メリット制が適用されます。

要件 内容
対象事業 建設業・立木伐採業以外の事業
企業規模(原則) 常時300人以下の中小企業
企業規模(金融・保険・不動産・小売業) 常時50人以下
企業規模(卸売・サービス業) 常時100人以下
認定要件 都道府県労働局長の認定を受けた「快適職場推進計画」に基づく安全衛生措置
適用期間 措置を講じた年度の翌々年度から3年間

特例メリット制の適用は、建設の事業もしくは立木の伐採事業以外の事業を対象としており、中小企業事業主が行っている事業であること、かつ都道府県労働局長の認定をうけ、「快適職場推進計画」に基づいた、働きやすい環境のため方策を立てた事業であることが条件になっています。

対象となる中小企業とは、企業全体で使用している労働者数が常時300人以下である事業主を指しています。

金融業もしくは保険業、不動産業もしくは小売業の場合は50人以下、卸売業もしくはサービス業については100人以下を常時雇用している場合も対象になります。

特例メリット制では、「快適職場推進計画」に基づいた安全衛生措置を講じた年度の翌々年度から3年間にわたってメリット制が適用になります。適用には申告が必要ですので、人事担当者は申告を忘れないようにしましょう。

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メリット制と特例メリット制の比較表

メリット制と特例メリット制は、対象規模・適用要件・算定方法が異なります。以下の比較表で両制度の違いを確認しましょう。

項目 メリット制(通常) 特例メリット制
対象事業 全業種 建設業・立木伐採業以外
企業規模要件 常時100人以上(または20〜99人で一定要件充足) 常時300人以下の中小企業
適用要件 一定規模以上であれば自動的に適用判定 都道府県労働局長の認定を受けた「快適職場推進計画」の実施が必要
増減の範囲 ±40%(一部±30%) ±40%(一部±30%)
算定期間 過去3年間の納付済保険料と支給済給付額の比率 安全衛生措置を講じた年度の翌々年度から3年間
申告の要否 自動適用(申告不要) 事業主からの申告が必要
新設事業所の扱い 設立後4年間は適用不可 認定後の翌々年度から適用

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よくある質問

メリット制が適用されると労災保険料はどのくらい変わりますか?

メリット制では、過去3年間の保険料と保険給付額の比率に応じて、労災保険率が最大±40%の範囲で増減されます。たとえば労災事故が少ない事業場では保険率が最大40%引き下げられ、逆に事故が多い事業場では最大40%引き上げられます。一部の事業規模では±30%の範囲となるケースもあります。

通勤災害が多い場合もメリット制で保険料が上がりますか?

通勤災害はメリット制の対象外です。メリット制で保険率の増減に影響するのは業務上の災害(業務災害)のみであり、通勤途中の事故や災害が多くても、それを理由に保険料が引き上げられることはありません。

新しく設立した事業所はいつからメリット制が適用されますか?

新設事業所の場合、メリット制の適用までに4年間かかります。これは過去3年間の保険料・給付実績が必要なためで、設立から3年間の実績を蓄積した後、その翌々年度から適用が開始されます。


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