事業再構築補助金とは?【簡単に】採択結果、個人事業主

事業再構築補助金とは、中小企業の新しいチャレンジをサポートするための補助金です。事業再構築補助金の仕組みや申請方法などについて、解説します。

1.事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金とは、中小企業のチャレンジを支援する補助金のこと。次のような事業展開を対象としています。

  • 業態転換
  • 新分野展開
  • 事業・業種転換
  • 事業再編

こうした事業再構築にかかる費用の一部が補助され、その公募は各回ごとに受付期間が決まっています。また枠の種類や従業員数などによって補助の上限額が決められているのです。

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2.事業再構築補助金の採択結果と採択率

事業再構築補助金は、過去にどれくらい採択されているのでしょう。これまでの採択結果と採択率の推移を見ていきましょう。

採択結果

第1回から第5回までの採択結果は、次のようになっています。

  • 第1回…応募件数22,231、採択件数8,016
  • 第2回…応募件数20,800、採択件数9,336
  • 第3回…応募件数20,307、採択件数9,021
  • 第4回…応募件数19,673、採択件数8,810
  • 第5回…応募件数21,035、採択件数9,707

採択率

第1回から第5回までの採択率は、次のようになっています。

  • 第1回…約36%
  • 第2回…約45%
  • 第3回…約44%
  • 第4回…約45%
  • 第5回…約46%

緊急事態宣言特別枠は約67%、最低賃金枠は約79%と、通常枠よりも高い採択率となる枠もあります。

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3.事業再構築補助金の補助内容

事業再構築補助金の補助内容は、申請者によって下記のように異なります。それぞれどのように異なるのでしょう。

  1. 補助上限額
  2. 対象経費
  3. 補助率

①補助上限額

事業再構築補助金の補助上限額は、各枠で下記のとおりです。

中小企業(通常枠)

  • 従業員数20人以下…2,000万円
  • 従業員数21~50人…4,000万円
  • 従業員数51人~100人…6,000万円
  • 従業員数101人以上…8,000万円

中小企業(卒業枠)

  • 1億円

中堅企業(通常枠)

  • 8,000万円

②対象経費

事業拡大につながるもの、かつ事業の経費として明確に区分できるものが補助の対象です。対象経費の区分として、次のようなものがあります。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費

③補助率

事業再構築補助金の補助率は、各枠で次のようになります。

通常枠

  • 中小企業者等…2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
  • 中堅企業等…1/2(4,000万円を超える部分は1/3)

大規模賃金枠

  • 中小企業者等…2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
  • 中堅企業等…1/2(4,000万円を超える部分は1/3)

回復・再生応援枠

  • 中小企業者等…3/4
  • 中堅企業等…2/3

最低賃金枠

  • 中小企業者等…3/4
  • 中堅企業等…2/3

グリーン成長枠

  • 中小企業者等…1/2
  • 中堅企業等…1/3

緊急対策枠

  • 中小企業者等…3/4
  • 中堅企業等…2/3

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4.事業再構築補助金の主な申請要件

事業再構築補助金の主な申請要件は次の3つです。それぞれについて、解説しましょう。

  1. 売上の減少
  2. 事業再構築を一体して取り組む事業者
  3. 各年率が平均以上増加の達成

①売上の減少

補助金を申請する前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、10%以上減少している中小企業が対象です。

上記のように任意の3か月から選べるので、コロナの影響を少しでも受けているならば該当する可能性があるでしょう。ただし、対象となるのは利益ではなく売上高なので注意が必要です。

②事業再構築を一体して取り組む事業者

中小企業等が補助金を申請する場合、認定支援機関(認定経営革新等支援機関)のサポートを受ける必要があります。

認定経営改新等支援機関や金融機関(補助金額が3,000万円を超える案件)と事業計画を策定し、一体となって事業再構築に取り組む事業が対象です。

③各年率が平均以上増加の達成

認定経営革新等支援機関と事業計画を策定するうえで事業の拡大を見込める計画であることも補助金を申請する要件になっているのです。具体的には、下記のどちらかの達成を見込む事業計画となります。

  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加
  • 従業員一人当たり付加価値額(営業利益や人件費、減価償却費を足したもの)の年率平均3.0%以上増加

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5.事業再構築補助金不採択になる理由

事業再構築補助金は、申請しても不採択になるときがあるのです。主な理由として、次の項目を解説します。

  1. 自社のアピールができていない
  2. 事業計画が正しくできていない
  3. 資金調達が不透明になっている
  4. 分析が十分にできていない

①自社のアピールができていない

補助金の審査で高い評価を得るためには、自社の強みを生かしているとしっかりアピールできていなければなりません。

補助事業で挑戦する際、新たな市場で競合していかなければなりません。すでに実績を積んでいる他社に挑むためにも自社の強みを確立して「ここは競合他社には負けない」というポイントをアピールするのは必須でしょう。

②事業計画が正しくできていない

事業計画書が公募要領に沿って策定されていなければ、不採択となる可能性が高くなります。とくに下記のような事項はほぼ必須で記載されていなければなりません。

  • 事業再構築の類型
  • 事業再構築要件を満たしているか
  • 事業再構築補助金の要件を満たしているか
  • 事業再構築の取り組み内容
  • どのような製品とサービスを提供するのか
  • 具体的な投資内容

③資金調達が不透明になっている

補助金を受け取れるとしても、事業にかかる費用は事業者が先に支払います。もし融資によって資金を調達する場合、金融機関の審査をとおらなければなりません。事業計画が採択されても資金を確保できなければ、事業を遂行できなくなります。

決算書にて金融機関からの融資が確認できないと、資金を確保できているのか疑問が生じてしまうのです。

④分析が十分にできていない

事業計画書では、事業再構築の取り組みについて具体性をもって記されていなければなりません。

そもそも再構築する事業にニーズがなければ、補助金をもらうための申請が通りにくくなります。事業や製品、サービスが市場から求められているものでなければ売上は見込めません。

今後の市場予想・市場規模・再構築した事業のターゲット層などを分析して計画書に盛り込み、事業が成功する根拠を提示しましょう。

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6.事業再構築補助金の交付申請手順

事業再構築補助金の申請方法を事前に理解しておくと、スムーズに準備できます。手順について見ていきましょう。

  1. 必要書類の準備
  2. アカウント取得と認定支援機関の選択
  3. 申請と審査結果
  4. 交付決定と実績報告

①必要書類の準備

事業再構築補助金の交付を申請する際、次に挙げる書類が必要になります。

  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • 決算書(法人の場合)
  • 直近の確定申告書(第1表)(個人事業主の場合)
  • 青色申告書/白色申告書(個人事業主の場合)
  • 交付申請書別紙1
  • 見積書・見積依頼書(第3回以降)、業者選定理由書
  • 建物費、機械装置・システム構築費の追加書類
  • 交付申請書別紙2(該当事業者のみ)
  • 海外旅費の詳細(該当事業者のみ)
  • 事前着手承認のお知らせメール(該当事業者のみ)

②アカウント取得と認定支援機関の選択

事業再構築補助金交付は、電子申請のみで申請を受け付けています。そのため電子申請に必要なアカウント「GビズIDプライムアカウント」を作成しなければなりません。

同時に認定支援機関を選ぶ必要があります。中小企業庁の「認定経営革新等支援機関」のページから検索し、採択件数・採択率などをチェックするとよいでしょう。

③申請と審査結果

公募が始まったら決められた期間内に専用サイトにログインし、必要事項の入力・必要書類の添付をしたうえで送信すると、交付申請の完了です。審査結果は、申請者全員に対して事務局から通知されます。

採択となった案件は、「受付番号」「商号または名称」「事業計画名」「認定経営革新等支援機関等名」などが公表されるのです。

④交付決定と実績報告

申請内容の採択が決まったら、事業をスタートします。この時点では、事業再構築補助金の受給が決まっていません。補助金は対象となる事業を実施した後に支払われるのです。そのため、採択されたら事業を確実に進めていく必要があります。

事業の実施期間内に、契約(発注)や納入、検収や支払い、補助事業実績報告書の提出などすべての手続きを完了しなければなりません。

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7.事業再構築補助金のスケジュール

事業再構築補助金のスケジュールに関して、次の項目を解説します。

  1. 公募期間
  2. 次回公募の方向性の予想
  3. 公募の確認方法

①公募期間

事業再構築補助金の公募は、これまでおよそ2~3か月ごとに開始されています。第7回公募は2022年9月30日に締め切り、2022年11月下旬~12月上旬頃に審査結果が通知されます。第8回公募のスケジュールは、未定です。

②次回公募の方向性の予想

事業再構築補助金の第7回公募では、「原油価格・物価高騰等緊急対策枠が新設される」という大きな変更点があります。ウクライナ情勢悪化や急速円安などによるコスト増に対応するための新枠で、公募の方向性に大きく影響する可能性があるでしょう。

③公募の確認方法

補助金の交付を申請する際は必要な書類が変わったり、新しい公募の枠組みができたりする可能性もあります。最新の公募情報については、経済産業省・中小企業庁の事業再構築補助金サイトで確認しましょう。

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8.事業再構築補助金の採択事例

さまざまな事業が事業再構築補助金の交付を申請し、採択を受けて活用しています。具体的にどのような事業があり、補助金をどのように活用しているのか、実例とともに見ていきましょう。

  1. ナチュール青森
  2. 与力水産

①ナチュール青森

レトルト食品OEM事業を展開するナチュール青森では、補助金を活用し、次のような事業展開を行っています。

  • 独自製法の技術を活用して県内の高品質素材をレトルト加工する
  • OEM事業では、極小ロットで受注して販売までをワン・ストップで提供
  • 事業者間・異業種間で連携を取り、地域の活性化に貢献する

②与力水産

ネット体験型定置網販売サービスを展開する与力水産では、補助金を生かして、次のように事業を展開しています。

  • 卸売業から一般消費者向けのネット体験型販売サービスへ転換
  • 水揚げライブ配信を見ながら、欲しい魚と加工方法を注文できるシステムを構築する
  • 地域の水産業の収益向上と活性化にも貢献する

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9.事業再構築補助金は個人事業主でも利用できる?

個人事業主は中小企業者に含まれるため、個人事業主も事業再構築補助金を利用できます。ただし2020年までに開業した個人事業主が対象です。

第7回までの公募要領は個人事業主も対象となっているものの、公募回によっては、対象者が変更される可能性もあります。最新の公募情報をチェックしたほうがよいでしょう。