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5W1Hとは、情報をシンプルに整理し、相手に正しく伝えるためのフレームワークです。ビジネスの現場では、会議やメールなどで「端的にわかりやすく伝えること」が欠かせません。
そのようなときに役立つのが、5W1Hです。この記事では、5W1Hの基本的な考え方から実際のビジネスシーンでの活用例、さらには応用できる発展形フレームワークまでを詳しく解説します。
目次
1. 5W1Hとは?

5W1Hとは、以下6つの要素の頭文字をとった思考整理のフレームワークです。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
この6つの視点で考えることで、相手に伝えたい内容を漏れなく整理でき、聞き手や読み手はイメージしやすくなります。
上司への報告やチーム内の情報共有、さらには企画書づくりやマーケティング戦略の立案など、あらゆるビジネスシーンで役立つ汎用性の高い思考ツールです。
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2. 5W1Hの意味
5W1Hを構成する6つの要素には、それぞれ次のような意味があります。
When:いつ

「When」は、日時、期間、期限、タイミングといった時間に関する要素です。
- 日時:2025年11月3日の午前10時に
- 期間:2025年第3四半期中に
- 期限:来週月曜日までに
- タイミング:懇親会後に
ビジネスの現場では「納期を守る」「会議に遅れない」「進捗をタイムリーに共有する」といった場面に「いつ」が関わってきます。日時を具体的に示すだけで、相手は行動の段取りをより鮮明にイメージできるようになるでしょう。
Where:どこで

「Where」は、場所、位置、範囲など、行動の場所を示す要素です。
- 第3会議室で
- クライアントのオフィスで
- A支店の管轄エリアで
- オンライン会議で
- Teamsで
会議室や現場といった物理的な場所だけではなく、Webサイト、特定の市場、さらにはZoomやSlackなどのオンライン空間も含まれます。「どこで」を明確にしておくことで、相手は準備や判断を迷わず進められ、業務の無駄と誤解を減らせるのです。
Who:誰が

「Who」は、行動の主体となる人物、組織、担当者などを指します。
- 営業部の田中が
- マーケティングチームが
- 株式会社〇〇が
- プロジェクトメンバー全員が
「誰がやるのか」をはっきりさせることで、責任の所在や役割がクリアになり、業務の進行がスムーズになります。報告や相談のときに主語が抜けていてわかりにくいという状況を防げるのも、この視点の大きなメリットです。
What:何を

「What」は、対象物、行動、テーマ、サービスなど、物事の中心となる要素です。
- 新商品の企画書を
- 月次報告を
- 顧客満足度調査を
- 新しいシステムを
物理的なモノだけでなく、コンセプトや課題といった形のないものも含まれます。
たとえば、「次回の全社会議の準備をお願いします」「今期の営業戦略案を提出してください」「採用ページの改善案を3つご用意ください」など、具体的に「何を」伝えたいのかを明文化すると、相手は迷いなく行動できるでしょう。
Why:なぜ

「Why」は、理由、目的、原因、背景などを示す要素です。
- 売上向上のため
- 業務効率化を図るため
- 顧客からの要望に応えるため
- システムエラーの原因を究明するため
特にビジネスの現場では「なぜ」を深掘りすることで、表層的な問題解決ではなく、根本原因にアプローチできます。
それにより、改善施策の説得力や納得感が高まるのです。行動の根拠となる「なぜ」を明らかにすれば、関係者はその重要性や必要性を理解し、納得感を持って取り組めます。企画の説得力を高める上で、もっとも重要な要素の1つです。
How:どのように

「How」は、方法、手段、手順、状態などを示す要素です。
- A案とB案を比較して
- 新しいツールを導入して
- マニュアルに沿って
- アンケート調査を実施して
- リモート会議を活用して
実施プロセスや技術、体制などを具体的に伝えることで、行動の再現性と実現性がぐっと高まります。計画を策定する際には「どのように」を明示できると、迷いや手戻りを防ぎ、作業の質とスピードの向上につながるでしょう。
また、Howの選択肢が複数ある場合は、それぞれのコストや成果への影響を比較しながら、企業の方針や目的にもっとも適した案を見極められます。

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3. 5W1Hの正しい順番
一例として「When(いつ)→ Where(どこで)→ Who(誰が)→ What(何を)→ Why(なぜ)→ How(どのように)」の流れで整理すると、時系列や状況が理解しやすいと言われています。ただ、5W1Hには、必ずしも決まった「正しい」順番があるわけではありません。大切なのは、相手に伝わりやすい順番に並べることです。
- 結論を最初に伝えたいとき:「What(何を)」や「Why(なぜ)」から始める
- 緊急性や重要性を強調したいとき:「Why(なぜ)」や「What(何を)」を冒頭に置く
- 経緯や背景を丁寧に説明したいとき:「Why(なぜ)」から始める
相手が何を一番知りたいのかを考えながら、効果的な順番で伝えることを意識しましょう。
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4. 5W1Hを活用する目的と重要性
ビジネスで5W1Hを使う目的は、ただ情報を正確に伝えることにとどまりません。ここでは、その重要性について詳しく紹介します。
コミュニケーションの円滑化
5W1Hを意識して情報を伝えることで、抜けやあいまいさが減り、相手との認識のズレを防げます。その結果「聞いていない」「言ったつもりだった」といった行き違いが起こりにくくなります。
スムーズなコミュニケーションのためには、伝える側と受け取る側が、5W1Hの内容をしっかり共有し、同じ理解を持つことが大切です。
思考の整理
複雑なことも、5W1Hに当てはめて考えるだけで頭の中がすっきり整理されます。問題点や要点が浮き彫りになり、感覚に頼った判断ではなく、筋道の通った結論を導けるようになるでしょう。
繰り返し活用することで、自然と論理的な思考が身につき、より適切な判断や対応につなげることができます。
問題発見と解決策の立案
5W1Hで問題を整理すると、目に見えるトラブルだけではなく、その裏に隠れている背景や本当の原因まで見えてきます。たとえば「なぜその問題が起きたのか」「いつから続いているのか」といった視点で問いを重ねると、根本的な原因にたどり着けます。
さらに「どうやって解決するか」を考えることで、実現可能な対策を見つけやすくなるでしょう。その結果、業務の改善やトラブルの再発防止にもつながります。
新たなアイデアの創出
既存の事業や業務を5W1Hで見直すと「なぜこのやり方なのか」「他にもっと良い方法はないか」といった新しい視点が得られ、改善策や革新的なアイデアにつながります。
特に「How(どのように)」の掘り下げは、従来の手順にとらわれず、柔軟な解決策を考えやすくなる手法の一つです。マーケティングや企画の現場でも、5W1Hは発想を広げるきっかけとなり、創造的で実行力のある提案を生み出す助けとなるでしょう。

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5. 5W1Hのメリットとデメリット
5W1Hは情報整理や伝達において非常に有効なフレームワークですが、万能ではありません。活用する際は、メリットとともにデメリットを理解しておくことが重要です。ここでは、それぞれの側面を詳しく解説します。
5W1Hのメリット
5W1Hを活用する最大のメリットは、情報の整理力と伝達力が格段に向上することです。6つの視点で物事を整理すると、全体像の把握や問題の本質を理解しやすくなります。また、トラブル対応やアイデア発想にも効果的です。
具体的なメリットとしては以下のような点が挙げられます。
- 情報を過不足なく整理できる
- 伝えるべき要素が明確になる
- 相手が理解・判断しやすくなる
- 業務の再現性・標準化に役立つ
- 情報を構造的に考える習慣が身につく
5W1Hのデメリット
5W1Hは、使い方を誤るとかえって伝達の効率を下げてしまう可能性もあるため、その限界や注意点を把握しておくことが大切です。具体的なデメリットには、次のようなものがあります。
- すべての要素を無理に入れると冗長になりがち
- 説明が形式的・機械的になり、柔軟性に欠ける
- 初心者にとっては逆に構成が難しく感じる
- 実践にはトレーニングが必要
これらは、5W1Hに頼りすぎることで起こりがちな問題です。形式にとらわれると、相手に伝えたい核心が埋もれてしまうケースもあるため、目的に応じた情報の取捨選択が求められるでしょう。
6. 5W1Hをビジネスで活用する具体例
ここでは、実際のビジネスシーンで5W1Hをどう活用できるのか、具体的なケースを交えて紹介します。
課題の整理
5W1Hは、組織やチームが抱える課題を整理するのに有効です。たとえば「営業職の早期離職が多い」という問題を、5W1Hで分解してみましょう。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 入社から半年~1年以内 |
| Where(どこで) | 全国支社の営業拠点 |
| Who(誰が) | 営業職の中途採用者 |
| What(何を) | 早期離職が続いている |
| Why(なぜ) | ・入社後の育成が十分でない ・配属後のフォロー体制が不明確 |
| How(どのように) | ・入社時研修の日程や内容を見直す ・配属前の人材適性を確認する ・メンター制度を導入する |
このように整理することで「なぜ問題が起きているのか」「どこから改善すべきか」が一目でわかります。さらに、この情報をもとに議論できると、関係部署との具体的なアクションを検討しやすくなるのです。
報連相
報連相の質が低いと、トラブルの再発や対応の遅れにつながります。特にトラブル発生時など、悪いニュースを報告する際は、伝える範囲があいまいになり、情報不足や報告の遅れが起こりがちです。
上司が知りたいのは主に「現状(What)」「原因(Why)」「今後の対応(How)」の3点だと言われています。これらを5W1Hに沿って整理すれば、必要な情報がそろい、判断や指示もスムーズになるでしょう。
たとえば「データの上書き」というトラブルを5W1Hで整理すると次のようになります。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年10月1日 15時頃 |
| Where(どこで) | A社向け納品データ作成中 |
| Who(誰が) | 私(佐藤) |
| What(何を) | 誤って先月分のデータを上書き保存 |
| Why(なぜ) | 類似したファイル名だったため確認を怠った |
| How(どのように) | ・バックアップから復旧中(約3時間かかる見込み) ・納品は翌日の午前中になる予定 |
現状・原因・対応が一目でわかるように整理すれば、上司もすぐに次のアクションを決められるでしょう。
報告書や議事録の作成
会議の議事録は、単なる会話の記録ではなく、決定事項やアクションプランを明確に共有し、関係者の認識をそろえるためのものです。しかし、要点がまとまっていない、結論がわからないといったケースも多く、読み手にストレスを与えてしまうことがあります。
重要なのは「誰が・いつまでに・何をするか」といった今後の対応を明確に示すこと。たとえば会議の議事録は、次のようにまとめると読み手は必要な情報をすぐに把握できます。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年9月1日(月) 14:00-15:30 |
| Where(どこで) | 本社 第2会議室(+Zoom参加者1名) |
| Who(誰が) | ・経営企画部:〇〇部長 ・営業部:△△課長 ・開発部:□□マネージャー ・会議の記録係:◎◎ |
| What(何を) | 新規プロジェクト「X」のキックオフミーティング |
| Why(なぜ) | プロジェクトの目的やスコープ、役割分担を関係者間で合意するため |
| How(どのように) | ・(決定事項)プロジェクトリーダーは△△課長 ・9月8日(月)までに詳細スケジュールを作成し、関係者に共有 |
このように整理しておけば、議事録を読む人は会議の流れや決定事項を短時間で理解できます。
企画書の作成
企画書は、アイデアや施策を具体的な形にして関係者へ提案・共有するための大切なドキュメントです。内容があいまいだと「何をしたいのかわからない」と上司やステークホルダーから否定的に受け取られてしまう場合もあります。
たとえば、次のように5W1Hをベースに構成された企画書を見てみましょう。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年10月上旬に実施予定 |
| Where(どこで) | Zoomによるライブ配信+録画配信 |
| Who(誰が) | マーケティング部が主導、営業部が協力 |
| What(何を) | 新規リード獲得を目的としたオンラインセミナー |
| Why(なぜ) | 新商材の認知拡大とリード創出 |
| How(どのように) | ・業界インフルエンサーを招き、実務に役立つテーマで構成 ・申込フォームとCRMを連動させて効果測定を実施 |
目的(Why)や実行手段(How)を明確にすれば、関係者の理解や判断がスムーズになります。特に予算や人員を伴う大きな企画では、意思決定のスピードアップにもつながる点もメリットです。
新商品の開発
新商品を開発するときには、市場のニーズや競合の動向、自社の技術力やコストなど、考慮すべき要素が数多くあります。こうした複雑な情報も、5W1Hに沿って整理すればすっきりとまとまり、関係者全員の共通理解が深まるでしょう。
まず「Why(なぜ開発するのか)」を明確にすると、プロジェクトの目的がぶれません。
次に「Who(誰に届けたいのか)」を定めれば、商品コンセプト(What)や提供価値が具体的になります。さらに「How(どのように実現するのか)」まで落とし込むことで、計画が実行段階に移しやすくなります。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2026年4月の発売を目指す |
| Where(どこで) | 全国のコンビニエンスストア、駅の売店 |
| Who(誰が) | 20代〜30代の忙しいビジネスパーソン |
| What(何を) | 集中力をサポートする、カフェイン控えめのエナジードリンク |
| Why(なぜ) | 既存品は糖分やカフェインが多く、健康志向層から敬遠されやすいため |
| How(どのように) | ・天然由来の成分を使用し、すっきりした後味を実現 ・スタイリッシュなパッケージで差別化 |
関係者全員が「なぜ・誰に・どうやって」の共通認識をもてるため、開発の方向性がぶれずに進められるのです。
イベントの告知
イベントの告知では「伝えたつもりでも伝わっていない」ことがよくあります。その結果、参加率が下がったり誤解を招いたりすることも。そのようなときも5W1Hを使えば、必要な情報を漏れなく整理でき、誰が読んでもわかりやすい告知文になります。以下は、社内向け研修イベントを5W1Hで整理した例です。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年11月12日(水)13:00〜15:00 |
| Where(どこで) | 本社 第1会議室、Zoomによるライブ配信 |
| Who(誰が) | 人事部が主催、対象は全社員 |
| What(何を) | DX推進研修 |
| Why(なぜ) | 全社員のデジタル理解度を高め、業務改善を推進するため |
| How(どのように) | ・社外講師による講演+Q&A形式 ・事前申込制(社内ポータルから登録) |
さらに効果を高めるには、告知方法にも工夫が必要です。掲示板やメールだけではなく、社内チャットやポスターなど複数の手段で案内しましょう。開催が近づいたらリマインドを送ると参加率アップにつながります。
マーケティング戦略の立案
5W1Hは、マーケティング戦略を立案するときにも有効です。目的やターゲット(ペルソナ)、手法といった重要な要素を漏れなく整理できるため、
戦略を一貫性のある流れで組み立てやすくなります。以下は、新サービスのマーケティング戦略を5W1Hで整理した例です。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 発売1か月前〜発売後1か月間 |
| Where(どこで) | 主要都市のビジネス街、Webメディア、SNS |
| Who(誰が) | 20代〜30代のビジネスパーソン(ターゲット) |
| What(何を) | 新商品「Focus On」の認知度向上とトライアル購入促進 |
| Why(なぜ) | 競合が多い市場で、早期にブランドを確立するため |
| How(どのように) | ・ビジネス系インフルエンサーのSNS投稿 ・Web広告 ・オフィス街でのサンプリングイベント |
これは広告戦略の例ですが、サービスの特徴を整理する場面や、具体的なキャンペーンの企画を立てる際にも応用できます。
プロジェクトの進捗管理
プロジェクトの進捗が見えにくい、誰が何を担当しているのか不明確、遅延が頻発する。こうした課題を抱えるチームにも、5W1Hの活用が効果的に作用します。上司が知りたいのは、断片的な作業報告ではなく、プロジェクト全体との関係です。
ここでは、プロジェクト進捗管理における5W1Hの整理例を紹介します。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年8月〜10月中旬、週次で進捗レビュー |
| Where(どこで) | 社内プロジェクト管理ツール上で共有 |
| Who(誰が) | 各タスクの担当者(開発チーム、デザインチーム) |
| What(何を) | サービスサイトのリニューアル |
| Why(なぜ) | ユーザー導線を改善し、離脱率を下げるため |
| How(どのように) | ・マイルストーンを設定 ・ガントチャートで進捗を可視化 ・課題管理票を活用 |
このように要素を整理しておくと、メンバーは「自分は何を、いつまでに、なぜやるのか」を明確に理解できます。その結果、主体的な行動につながるだけではなく、会議や報告の場でも全体像を簡潔に伝えられるでしょう。それにより、関係者との連携もスムーズになるのです。
クレーム対応
顧客からのクレームは、製品やサービスを改善するための貴重なフィードバックでもあります。しかし、対応を誤れば顧客満足度の低下や、企業イメージの悪化を招きかねません。
5W1Hを活用すれば、状況の把握から対応策の立案、社内への共有までを抜けなく、かつ冷静に進められます。ここでは、顧客からのクレーム対応における5W1Hの活用例を紹介しましょう。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年7月中旬から件数が増加 |
| Where(どこで) | ECサイト購入者から問い合わせフォーム経由で連絡 |
| Who(誰が) | ・顧客 ・関係者:カスタマーサポートチーム、品質管理チーム |
| What(何を) | 商品の破損に関するクレーム。同様の苦情が複数発生 |
| Why(なぜ) | 梱包工程の変更により緩衝材が不足していた |
| How(どのように) | ・梱包資材を即日見直し ・品質管理チェック項目を追加 ・対応マニュアルを改訂 |
クレーム対応は、その場限りで終わらせるのではなく、社内に知見として残すべき重要な情報です。再発を防ぐためにも「誰が対応したのか(Who)」「どのように解決したのか(How)」 を含めて履歴を残し、社内で共有できる仕組みを整えましょう。
目標設定
個人や組織が成長するためには、明確な目標設定が欠かせません。5W1Hを取り入れると「いつまでに(When)」「何を(What)」「どのように(How)」といった要素が整理され、具体的で実行可能な目標(いわゆるSMARTな目標)を立てやすくなります。以下は、営業部門が半期で設定した目標を5W1Hで整理した例です。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年下期(7月〜12月) |
| Where(どこで) | 関東エリアの中堅企業を中心に |
| Who(誰が) | 第2営業チーム全員(マネージャー+営業5名) |
| What(何を) | 新規法人顧客30社を獲得 |
| Why(なぜ) | 地域ごとの売上偏重を解消し、安定的な収益基盤を築くため |
| How(どのように) | ・業界特化型の提案資料を活用 ・週5件の訪問・提案を継続 ・進捗は月次でレビュー |
このように目標を5W1Hで整理することで、達成基準やアクションプランが明確になります。それにより、各メンバーの行動に落とし込みやすくなるのです。
採用人材の明確化
採用活動において「どんな人材を求めているのか」があいまいなまま選考を進めてしまうと、ミスマッチや早期離職の原因になります。5W1Hを使って採用要件を明確化すれば、選考基準が具体化し、関係部署との認識のズレを防げるでしょう。以下は、営業職の中途採用における5W1Hの整理例です。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年10月1日入社を目標に、2025年9月上旬までに内定確定 |
| Where(どこで) | 東京本社勤務、週3日出社+リモート可 |
| Who(誰が) | 営業部長と人事部が共同で採用を進行 |
| What(何を) | 法人営業職(ITソリューション提案営業)を1名採用予定 |
| Why(なぜ) | 新規案件の増加に伴い、提案力と対応力を持つ人材が必要 |
| How(どのように) | ・求人媒体掲載+リファラル採用を併用 ・1次:オンライン面接 ・2次:本社面接、最終:部門責任者との面談形式で選考実施 |
この例では、5W1Hを使うことで採用ターゲットや活動の方向性は整理できますが、次の大切なポイントがまだはっきりしていません。
- 自社のカルチャーや価値観にフィットする人材像を明確にできているか
- 入社後に継続して活躍する可能性が見込めるか
こうした点が不明確なままだと、採用ターゲットが定まらず活動が長期化したり、採用後すぐに離職されてしまったりするリスクがあります。採用のミスマッチを防ぎ、成果につながる人材を見極めるには「カオナビ」が提供するコンピテンシー評価の活用が効果的です。
実際に成果を上げている社員の特性をデータとして可視化・分析すれば、自社にフィットする人材の条件が明確になります。その条件に合致する候補者を選考できるため、入社後の活躍や定着率の向上も期待できるでしょう。
人材育成計画の検討
人材育成は、企業の持続的な成長を支える大切な取り組みです。ただし「誰に」「何を」「どうやって」教えるのかを設計しないと、教育効果が薄れ、現場からの理解も得にくくなります。5W1Hを使えば、育成の目的や対象に合わせて計画が立てられ、効果的な施策を実行できるでしょう。ここでは、若手社員向けの育成計画を5W1Hで整理した例を紹介します。
| 要素 | 内容 |
| When(いつ) | 2025年10月上旬の2日間 |
| Where(どこで) | 外部研修施設 |
| Who(誰が) | ・入社3年目以内の若手社員 ・人事部と各部門長が主導 |
| What(何を) | ロジカルシンキングとプロジェクト推進力を強化する研修 |
| Why(なぜ) | 課題解決力と提案力を底上げし、将来のキャリア形成を支援するため |
| How(どのように) | ・社外講師による実践ワーク形式の研修 ・最終回に成果発表会を実施し、効果を可視化 |
このように整理しておくと、対象者や目的、スケジュール、評価方法が明確になり、関係者全員で共通認識を持ちやすくなります。特に「なぜこの育成が必要なのか(Why)」をしっかり設計することで、施策への納得感が高まり、継続的な取り組みにつながるでしょう。

7. 5W1Hを使う際の注意点

5W1Hは便利なフレームワークですが、形だけにとらわれすぎると説明が冗長になったり、柔軟な発想が妨げられたりする可能性も否めません。ここでは、5W1Hを効果的に使うための3つの注意点を紹介します。
- 全項目を無理に入れない
- 順番にとらわれすぎない
- 必要に応じてアレンジする
全項目を無理に入れない
5W1Hは情報整理に役立ちますが、必ずしもすべての要素を盛り込む必要はありません。相手がすでに知っている情報や、自明な情報を繰り返すのは逆効果です。たとえば、定例会議の場所を毎回伝える必要はないでしょう。大事なのは「相手が知らない、かつ知るべき情報」を過不足なく伝えることです。情報過多は、かえって要点をあいまいにしてしまいます。
順番にとらわれすぎない
5W1Hは、必ずしも決まった順番で説明する必要はありません。相手にとって一番重要な要素を先に持ってくることで、話の理解度は大きく変わります。たとえば、結論を早く伝えたいなら「What(何を)」から始め、目的を強調したいなら「Why(なぜ)」を冒頭に置くと効果的です。常に「相手にとってわかりやすい流れは何か」を意識し、柔軟に順番を組み立てましょう。
必要に応じてアレンジする
5W1Hはあくまで基本の型です。場面によっては特定の要素を深掘りしたり、他の要素を追加したりする方が効果的な場合もあります。たとえば、予算やコストが重要な案件なら「How much(いくらで)」を追加、ターゲットを具体的にするなら「Who(誰が)」を「Whom(誰に)」と区別する、といった工夫が可能です。次の章で紹介する発展形のフレームワークも参考に、目的に合わせて柔軟に最適化しましょう。
8. 5W1Hと似たフレームワーク
業務の目的や性質に合わせて、5W1Hを発展させた形式も数多く活用されています。ここでは代表的なバリエーションを紹介しましょう。
5W2H・5W3H・5W1H1R
5W1Hの発展形には「5W2H」「5W3H」「5W1H1R」などがあります。ここでは、それぞれの構成要素や特徴を整理してみました。
5W2H
5W2Hは、5W1Hに「How much(いくら)」を加えた形です。予算やコスト、売上目標といった金額的な要素が関係する企画や報告に適しています。たとえば、プロジェクトの提案時には「どれくらいの予算が必要か」を明示することで、より現実的な計画として受け入れられやすくなるでしょう。
5W3H
5W3Hは、5W1Hに「How much(いくら)」と「How many(いくつ)」を加えたもので、数量や件数などの定量的情報を整理できます。販売計画や採用計画など、数字が重要な判断軸となる場面で有効です。
5W1H1R
施策の後に「どのような成果が出たか」を示すことで、PDCAサイクルの「Check」に活用できます。たとえば「なぜその施策を行い」「どう実施し」「結果はどうだったか」を一貫して説明できるため、実施後の振り返りや効果検証に役立つでしょう。
6W1H・6W2H・6W3H
「6W1H」「6W2H」「6W3H」とは、5W1Hに以下をそれぞれ加えたフレームワークです。
- Whom:誰と/誰に
- How much:いくらで
- How many:どれだけ
それぞれの要素を詳しく見てみましょう。
6W1H
6W1Hは、基本の5W1Hに「Whom(誰に)」を加えたフレームワークです。場合によっては「Which(どちら)」を含めることもあります。「誰が行うか(Who)」だけではなく「その行動が誰に影響するのか(Whom)」を意識することで、説明や合意が必要な対象を明確にできるのがメリットです。顧客に関わる施策や社員への制度変更の場面で、対象を具体化する際に有効と言えるでしょう。納得感や実効性につながるからです。
6W2H
6W2Hは、5W1Hに「Whom(誰に)」と「How much(いくらで)」というコストに関する視点を加えたフレームワークです。「誰に、いくらで商品やサービスを提供するか」といった、ターゲットと価格設定を同時に検討できるため、商品やサービスの提供条件を設計する際に使えます。
6W3H
6W3Hは、5W1Hに「Whom(誰に)」「How much(いくらで)」「How many(いくつ)」という数量やコストに関する視点を加えたものです。「誰に、いくらで、どのくらいの量を提供するのか」を整理できるため、事業計画や販売戦略をより具体的に構築できます。
7W1H・7W2H・7W3H
5W1Hの「Who」は、単に「誰が行うか」だけでなく、「to Whom(誰に対して行うのか)」「with Whom(誰と行うのか)」といった視点も加えられます。さらに、複数の選択肢から「Which(どれを選ぶか)」が重要になる場面もあるでしょう。これらの要素をそれぞれ分けて整理したい場合は「7W1H」「7W2H」や「7W3H」といった、より詳細なフレームワークを使うケースがあります。
7W1H
7W1Hは、5W1Hに「Whom(誰に)」と「Which(どれを)」を追加した形です。あるいは「Whom(誰に)」と「with Whom(誰と)」の両方を追加する場合もあります。人物に関する要素を細かくわけることで、行動の対象や関係者を具体的に捉えられるでしょう。それにより、関係性を踏まえた検討が可能です。
7W2H
7W2Hは、5W1Hに「Whom(誰に)」と「Which(どれを)」「How much(いくらで)」を組み合わせたフレームワークです。複数の選択肢を費用対効果の観点から比較するときに役立ちます。
7W3H
7W3Hは、5W1Hに「Whom(誰に)」「Which(どれを)」「How much(いくらで)」「How many(いくつ)」を追加した拡張版です。たとえば、新商品投入を検討する場面では「誰をターゲットにするか(Whom)」「どの市場を選ぶか(Which)」「価格はいくらにするか(How much)」「販売数はどのくらいか(How many)」といった具体的な問いが重要になります。
7W3Hでは、対象・選択肢・コスト・数量といった要素も含めて検討できるため、現実的な制約や条件を踏まえた計画づくりに向いていると言えるでしょう。特に、プロジェクトの初期設計や大規模施策のシナリオ構築に効果を発揮します。
2W1H
2W1Hは、要素を最小限に絞ったシンプルなフレームワークです。5W1Hのような網羅性はありませんが、「Who(誰が)」「What(何を)」「How(どのように)」の3つだけを押さえることで、迅速かつ明確な報告が可能になります。たとえば、上司が部下にタスクを割り振る場面では、次のような形で簡潔に伝えるだけで意図は十分に通じるでしょう。
- Aさんが担当で(Who)、営業資料を(What)、来週の会議用に前回のフォーマットで作成してください(How)
網羅性は5W1Hに劣りますが、現場での即時判断やタスク指示、報告・連絡・相談の場面では非常に使いやすいフレームワークと言えます。
9. まとめ|5W1Hを取り入れて「伝える力」を高めよう
5W1Hは、ただの情報整理のフレームワークではなく、相手に対して的確に伝えるための実践的な思考ツールです。日々のちょっとした報告から、プロジェクト企画、戦略立案まで、さまざまな場面で役立ちます。
大切なのは、形式にこだわりすぎず、相手が本当に知りたい情報を、無駄なくわかりやすく伝えること。状況に合わせて、5W1Hの発展形のフレームワークを取り入れれば、より具体性のある計画や説得力のある提案が可能になります。
今日からぜひ、あなたの文章・会話・資料に5W1Hの視点を取り入れ、伝える力を一歩ずつ強化していきましょう。
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●目標に対しての個人の進捗がデータで視覚的に分かる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
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