1dayインターンシップとは?【内容の例】メリットデメリット

この記事では「1dayインターンシップ」に関して詳しく解説します。

1.1dayインターンシップとは?

1dayインターンシップとは、新卒者を対象にしたインターンシップ(就業体験)の中で、1日で終わるものを示します。そもそもインターンシップは、10日から3週間程度の一定期間、学生が企業などで就業体験をするものです。

実務体験を通して企業を理解し、将来のキャリア形成などを考える機会にもなります。しかし、1dayインターンシップはスキルの習得や成功体験よりも、就業体験イベントの色合いが強い傾向があります。

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.1dayインターンシップが注目される背景

経団連が「5日以上」としていたインターンシップの最低日数要件を、2017年の夏からなくしたことで、1dayインターンシップは注目をされ始めました。

通常は一定期間かけて行うインターンシップが、たった1日で完結することから、

  • 学生側は短時間で多くの企業情報を手にできる
  • 企業側は長期インターンに比べて手軽に実施できる

という点で、両者のニーズがマッチし、1dayインターンシップを取り入れる企業が増えました。

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

3.1dayインターシップの現状

1dayインターンシップはその短い期間から、就業体験を積むこともなく、単なる企業説明会になっていると指摘されています。その現状から、「インターシップ」と称するべきではないという声も多数上がっているのが現状です。

1dayインターシップの禁止

2022年度採用では、経団連より「1dayインターンシップの禁止」が発表されました。内容は実際の仕事の体験を伴わない「1dayインターンシップや、学業に影響する平日の開催を原則廃止するというものです。

インターンシップといいながら会社説明会に過ぎないケースがあり、採用活動の隠れみのに利用されて学業の妨げになっているとの批判に応えたものです。

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

4.1dayインターンシップのおもな種類

1dayインターシップの形式はおもに3種類あります。

  • 説明会・セミナー
  • 会社見学
  • ワークショップ

それぞれ解説していきます。

説明会・セミナー

一般的に行われている会社説明会のように、自社の概要や働き方について説明する形式です。

実際に就業体験をするものではありませんが、

  • どんなことをしている会社か
  • どういった働き方ができるのか

といったことを、学生に対して具体的に伝えることができます。

ある企業では、

  • 就職活動対策
  • 自己分析

など就職活動全般に役立つ講義を開催しています。

会社見学

学生が実際に、現場の見学や実務体験を行う形式です。

説明だけでは分からない、

  • 労働環境
  • 業務内容
  • 会社の雰囲気

などついて理解してもらいます。

特に、研究職や技術職など、自社の研究設備や製造設備を見せることで学生に関心を持ってもらえることも期待できます。説明会やセミナーと組み合わせて実施する企業も多いようです。

ワークショップ

企業側が設定したテーマについて、学生たちがグループを組み、解決策についてディスカッションする形式です。同じ業界を目指す学生同士が、さまざまな意見を交換することで、実際の業務をどれだけイメージできるか、業界や会社への理解を深めることができます。

学生は自己アピールする絶好の機会で、企業側は優秀な学生を見極めるのに良い機会です。

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

5.1dayインターンシップのメリット

1dayインターシップが多くの企業で実施されているのは、さまざまなメリットがあるからです。企業・学生両方の視点からメリットを解説します。

企業側のメリット

1dayインターシップは、長期のインターシップに比べて、コストや手間をかけずに手軽に実施できる点が企業にとっては最大の魅力です。

その他、若手社員のモチベーションが上がるなど以下のようなメリットがあります。

より多くの学生と接点を持てる

中・長期インターンシップと比べると、準備の負担が少ないので、実施回数を増やせることが可能となり、そのぶん多くの学生に出会うことができるのがメリットです。

企画から実施までの工数も要員も少なく済み、1回のインターンシップで出会える学生の人数を多くできるという意味で、1回限りのプログラムは非常に有効です。

中・長期インターンシップにつなげられる

1dayインターンシップでマッチングを行い、中・長期インターシップにつなげるという活用法があります。中・長期インターンシップの開催は何度でも実施できる体力のある企業でなければ、1〜2回に限られるでしょう。

まずは1dayインターンシップで、優秀な学生や興味を示した学生などを選び、その後より深い相互理解を形成していく方法がとれます。

若手社員のモチベーションが上がる

1dayインターシップは、若手社員が担当するケースが多く、学生と接することで入社当初のフレッシュな気持ちを思い出す良い機会になります。業務に慣れてきた頃に、自社を目指す学生と接することで、日常業務とは異なるモチベーションを持つこともできるでしょう。

また社会人の先輩として責任感が芽生えたりすることもあるようです。

新しいアイデアのヒントがもらえる

ワークショップなどで、自社を目指す学生たちが自社の事業や商品について考える機会を持つことで、新しい事業のアイデアや斬新な商品のヒントを得られる可能性があります。学生にとっては、自身のポテンシャルを引き出す貴重な体験になるかもしれません。

企業側、学生側双方にとって、有意義な時間となる可能性があります。

学生側のメリット

1dayインターシップは1日で終了するため、学生にとって負担が軽く参加のハードルが低いというメリットがあります。

他には、業界の研究ができる、他の就活生や社会人と出会えるなど以下のようなメリットがあります。

業界の研究ができる

業界への理解が不十分だったり、自分の進路が決まっていなかったりする学生にとって、手軽に参加できる1dayインターシップは、業界を知るよい機会となるでしょう。ある程度企業や業界を理解できている場合でも疑問に思うところを再確認できます。

また、他の業界と比較することで、自分の適性を明確にしていくこともできるでしょう。

他の就活生と出会える

他の大学の学生など、普段は出会わない人と情報交換をしたり交流したりできるメリットがあります。同じ会社や業界を目指す学生、興味を持っている就活生が集まる1dayインターシップは、情報収集する上でうってつけの場です。

他社の選考情報の共有や、就職に有益な情報を得たりなど就職活動を支えあう仲間づくりもできそうです。

社会人と知り合える

自分が目指す企業の現場で働く従業員たちから、実務に関するリアルな声を聞くことができる良い機会となるでしょう。目指す分野の業界研究や具体的な仕事のイメージなどを持つきっかけにもなります。

また、採用プロセスの中では質問しにくいようなことも、セミナーなどでざっくばらんに話しができることは学生にとって貴重な場です。

手軽に参加できる

中・長期型インターシップに比べて、時間の都合が付けやすく、気軽に参加できるメリットがあります。また面接など選考の準備なども省けます。1日で、複数回開催する企業もあるため、他社のインターンシップの参加を考慮しながらのスケジュール調整がしやすいでしょう。

拘束時間が短いため、忙しくて時間がない学生でも気軽に参加することができます。

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

6.1dayインターンシップのデメリット

実施期間が1日という特徴からデメリットも生まれます。企業側・学生側のデメリットを解説していきましょう。

企業側のデメリット

1dayインターシップは、実施へのハードルが低いぶん、内容を充実させることが難しいというデメリットがあります。

コストや手間を惜しむあまり、期待するほどの効果が得られず、本末転倒な結果に終わることもあります。

自社への理解が浅くなる

中・長期のインターシップでは、実際の業務を学生たちに体験させることができます。しかし1dayインターシップはあくまでも、1日体験であって、実務体験をするプログラムを組むのは難しく、学生たちの自社への理解は浅くなるでしょう。

自社のアピールポイントや実務作業を理解してもらうには時間が足りないのがデメリットです。

学生の期待に応える内容にするのが難しい

実際の就業を通じて社会人としての経験を積む、といった学生の期待に応えるのは難しいでしょう。

1日の限られた時間の中で、内容が希薄になり、

  • 学生が求めているものに応えられない
  • 職業体験ができたという実感を持たせることができない

といったデメリットがあります。

逆に内容を盛り込み過ぎて、目的に添ったプログラム設定ができないこともあります。

コミュニケーションが希薄になる

1dayインターシップは、より多くの学生と出会えるメリットがある半面、ひとりひとりとのコミュニケーションが希薄になるというデメリットがあります。

プログラムのやり方によっては、その後のマッチングに活用できないなど悪い影響が出る可能性もあります。十分なコミュニケーションが取れないまま不完全なインターンで終わってしまうでしょう。

学生側のデメリット

1dayインターシップに参加する学生側から見ると、どのようなデメリットがあるのか、企業の担当者も知っておきたい課題でしょう。

  • 実際の業務はできない
  • 内定には直結しない

など1dayインターシップならではのデメリットを紹介します。

実際の業務はできない

実務を体験すること自体は可能ですが、1dayインターシップで実践的な能力を身に付けることは無理と考えたほうがいいでしょう。また1日という限られた時間内での体験のため、実際にその業務が自分に向いているのか向いていないのか、などを知ることは不可能でしょう。

その企業をより知りたいと思う場合は、中・長期インターンシップに参加することです。

内定には直結しない

1dayインターシップは、企業側も受け入れる学生が多く、一人ひとりを評価するなどの採用プロセスに組み込まれていない場合がほとんどです。中・長期インターンシップは成績が良ければ本採用が有利になることもありますが、1dayインターシップが内定に繋がることはほとんどありません。

学生側も参加する意義を感じられない可能性もあるでしょう。

無給であるケースが多い

1dayインターシップでは、報酬が発生しないケースがほとんどです。これは学生側から見ると、大きなデメリットと感じるようです。1日程度のインターンでは実際の業務を任されることがないため、給料は発生しません。

実務体験をしたとはいえ、模擬的な業務がほとんどで、実際の売上に関わることではありません。インターンシップは企業を知る場です。

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

7.1dayインターンシップの設計手順

1dayインターシップのメリットを活かし、優秀な人材の採用に繋がるなど効果を上げる設計の手順を紹介してきましょう。

①ターゲットを決める

自社で求める人材像や、採用の目標人数を決めます。採用目標人数が決まれば、そこから1回の規模や実施回数を逆算して全体の概要を決定できます。

求める人材を明確にしておくことで、エントリーシートの設問などを絞り込むことも可能です。

②内容を検討する

自社の業務内容や状況なども考慮しながら、形式や内容を検討します。その際、1dayインターシップのメリットとデメリットを意識して現実的な費用や要員についてのコストなどを検討します。

1日限りのため、厳密なプランニングを立てることが重要です。

③集客する

実施内容が決定したら、参加学生を集めるための手段を検討し、実行します。

募集する媒体は、

  • 大手リクルーティングサイト
  • SNS
  • 大学の就職課

などさまざまありますが、自社の業種や業界に合ったアプローチ方法を検討します。

④運営する

企画した内容を実現できる運営体制を整え、当時は万全に実行します。スマートに進行できるよう、タイムスケジュールや担当の割り振りなどは丁寧に準備し、学生に自社のしっかりとした運営体制、魅力をアピールしましょう。

⑤フォローする

学生たちは、たくさんの1dayインターシップに参加しているので、その中でも自社を強く印象づけるためのアフターフォローが大切です。メールでの連絡や、自社SNSへの参加を促したりするなどコミュケーションを取りましょう。

設計の注意点

1日という限られた時間の中で、他社との差別化を図り、自社の魅力を伝えることがポイントです。学生のニーズに合った設計を行うことが大切で、実際は採用セミナーとさほど変わらなかったと評価されないように注意しましょう。