40人の個の力が集結して改革を推進。社内の多様な意見を反映した評価制度が生まれるまで(後編)

ジェイリース株式会社
 | 人事戦略課

江頭 更紗さん

2021.11.08

前編ではジェイリース株式会社で初めて人事を務めることになった江頭さんが、いかにして壁を乗り越え、仕事に慣れていったのかを紹介しました。続く後編では、そんな彼女が携わることになった人事制度改革『TEAM UP PROJECT』の全貌や、施策を社内に浸透させるための工夫について話を聞いていきます。
前編はこちらから

PROFILE

江頭 更紗

ジェイリース株式会社

大学卒業後、2018年に新卒でジェイリース株式会社に入社。首都圏エリアの不動産会社を中心とした法人営業を経験後、2年目からは人事部へと異動し、新卒・中途の採用業務に携わる。現在は人事戦略課に所属し、人事制度の設計業務などに携わる。

人事制度改革プロジェクト始動。各拠点のメンバー計40人が集う

改めてお伺いすると、現在はどういった業務を行っているんですか?

「人事戦略課という部署で人事評価や人事制度の設計などを中心に行っています。人事部に異動してからは、中途・新卒採用関係を中心に幅広い人事業務に携わっていました。ただ、今年の4月に大きな組織改編があり、採用業務と人事制度の設計業務を担当する部署を分けることになったんです。そこで、現在のポジションでの業務が始まりました。ちょうど2020年の11月ぐらいから私たちのいる部署が中心となり、人事制度改革を始めているところなんです。その改革の一つが『TEAM UP PROJECT』ですね」

TEAM UP PROJECTとは…?

「そうですね…まず課題からお話すると、弊社は全国展開をしており、各拠点間でのコミュニケーション不足や、人事評価の不透明性といった課題から社員の不満や離職につながることがありました。本社が東京と大分にあることもあり、遠隔でのマネジメントもうまくできるようにしたいなと思っていたんです」

その課題を解決する手段の一つが、TEAM UP PROJECTだと。

「ええ。社会の流れや現状の会社の姿に合うかたちに人事制度を改革しようと、昨年の11月から『こういう改革を手伝ってくれないか』と社員に公募をかけ、集まったメンバーで発足しました」

社員の方の意見を人事制度に反映させる取り組みでもあるんですね。

「そうです。散らばる拠点のメンバーが一丸となって取り組むためにもTEAM UP PROJECTという名で括り、人事制度の改革を進めました」

プロジェクトには、どのぐらいの人数が集まったんですか?

40人ほどの社員が手をあげてくれました」

結構な人数が集まったんですね!

「そうなんですよ。ありがたいことに賛同してくれる人が多くて。『もっとこうした方がいいと思っていても誰に伝えればいいんだろう』、『自分がどういう基準で評価されているかわからない』など、言いたいけど言えないモヤモヤを抱えていた社員が多くいたみたいで。だからこそ、しっかりと熱量を持った社員が賛同してくれたなと思います」

「ジェイリースにとって必要な社員はどんな人か」言語化した結果を評価項目に盛り込む

どうやって募集をかけたんですか?

「公募の段階で、まずは1枚の紹介資料をパワーポイントで作って『今、うちの会社はこういうところに課題感があるので、皆さんの力を貸してください』と、広報をして集めました。その結果、40人の社員が手を挙げてくれたんです。ただ、人数が多すぎるとなかなか意思決定が進まない部分もあるため、40人のなかから8人のリーダーを決定し、そのリーダーのもとグループを作って進めました」

プロジェクトでは、具体的にどういう施策を実施しているんですか?

2021年の4月から評価制度を新しくしました。評価基準は、プロジェクト内のメンバーで考えたものです。『ジェイリースに必要な社員ってこういう人だよね』というのを、いろいろな角度から話し合い、評価項目を作って制度設計をしたんです。さまざまな観点から評価できるよう、上長との1対1面談の機会も設けるようにしました。また今後は等級や報酬といった部分も整えていきたいと思っており、導入説明会に向けて今ちょうど動いているところです」

評価制度の構築はどれくらいの時間がかかったんですか?

「2020年11月から企画を始めて、2021年の4月に導入しましたね」

結構、短いスパンですね。全部、内部で構築されたんですか?

「いえ、外部のコンサルティング会社の方にも手伝っていただきましたね。まずは、グループワークを通じて『ここが課題だからこういう制度設計にしたい』というのをプロジェクトメンバー内で話し合い、意見を整理しました。その後はコンサルティング会社の方にも手伝ってもらい、制度設計へと落とし込んでいったんです」

評価制度を作る上で、他社の事例なども参考しましたか?

「そうですね。コンサルティング会社の方が他社での知見もお持ちだったので、それを参考にさせていただきました。とはいえ、昇格試験など外部の方だけでは設計できない部分は自分たちで組む必要があったので、そのときは『他の会社さんはどうしているんだろう』と、他社の人事の方に聞くこともありましたね」

それは最初のお話でも出ていた、採用イベントなどで知り合いになった人事の方に、ということですか?

「はい。あとは採用担当時代の取引先の方で『人事制度の設計経験があるので困ったことがあればぜひ』と言ってくださった方もいて、そういう方にお聞きしましたね」

「少人数」かつ「直接の対話」で各拠点へと制度を浸透させる

他社の事例も参考にしつつ、社内の意見を反映させるかたちで評価制度を作ったわけですね。施策を進める上で苦労したことはありますか?

「うーん…さまざまな状況にあるすべての社員の方が納得できる制度を作るのは難しいんだな、と感じましたね…。例えば、今回の評価制度は評価が終わったタイミングで面談をし、その後は評価者同士で会議を行った上で最終的な評価を決める、という設計にしたんです。でも、部署によって在籍しているメンバーの数が違いますよね。ある管理職は1人しか面談しなくてよくても、ほかのある管理職は20人と面談する必要があるとか。なので、評価のフローを細かく分けるほど、担当するメンバーの数が多い管理職にとってはどうしても負担になってしまうんです。だからこそ、なぜこのフローで評価を行う必要があるのか、丁寧に説明しなければいけないなと感じましたね」

制度を浸透させるために工夫したことはありますか?

「各拠点に散らばるTEAM UP PROJECTのリーダーが中心となり、新しい人事制度の説明をできるだけ対面で行うようにしました。参加者は最大でも10名程度の少人数かつ、周りの人とも気軽に相談し合えるように、同じ部署の人のみを集めて説明会を実施したんです」

質問もしやすい環境ですね。

「そうなんですよ。それもあって、少人数で近しい人同士を集めました。もちろん、新しい人事制度になるタイミングで全従業員向けに説明会も実施したんです。でも、各拠点にいるTEAM UP PROJECTのリーダーが、経過報告の説明を随時行っていたので、そのあとの全社向けの説明会などは割とスムーズに話を聞いていただけたかなと思っています」

社内から、戸惑いの声は上がらなかったですか?

「もちろん、新しい試みなので多少は動揺もあったかと思います。けど、やはり今までのやり方に疑問を持っている方も多くいたので『やりやすくなった』『面談の機会が持たれて良かった』など、現状は前向きな声をいただいていますね。これから、アンケートなどを通して、より細かく社員の声を吸い上げ、改善できる点は改善し、より良い制度にしていけたらなと思っています」

そういえば、これまでの評価はどんなやり方だったんですか?

「業務面で言うと、今まではExcelの評価シートすべてを人事が回収していたんです。誰かのシートがなかったり、転記漏れをしちゃったりといった課題が多く出ていましたね。ただ、カオナビを導入したことで、工数がかなり削減されました。精度があがったところもありますし、社員からも『入力しやすくなった』という声をいただきますね。評価以外の面だと、『今まで顔を知らなかった違う拠点の社員の顔がわかるようになった』と声もいただいています」

カオナビの宣伝までありがとうございます(笑)

「いえいえ(笑)。本当に実感しているところなので」

人事として社内だけでなく他社や世の中にも目を向けたい

ご経歴から現在の業務内容まで伺ってきましたが、⼈事の仕事をしていてやりがいに感じる部分はありますか?

「人事だからというわけではないですが、自分の提案や意見がかたちになったときですね。ジェイリースは、新入社員や若手社員でも提案や意見を言いやすい雰囲気だと感じています。だからこそ、気になったことや取り入れたいものは積極的に提案するようにしているんです。その一つとして『カオナビ』の導入は、人事の業務効率化はもちろん、現場からも良い評判をいただいており、実現できて良かったなと感じますね」

そんな江頭さんが、人事の仕事をする上で大事にしていることはありますか?

「勤務地域や職種、職務区分などに偏った考え方をせず、広い視野でさまざまな意見を聞きながら施策を進めていくことですね。他社の人事の方に意見を聞くのもそうです。あと、会社としては『DX推進』の部分に大きな課題も感じているところなので、働く人はもちろん世の中の流れにも目を向けながら新しいことに取り組んで行きたいなと思います」

ありがとうございます。最後にこれから取り組む予定の施策があれば、ぜひ教えてください。

「弊社の人事部には役割の違う4つの課(戦略・採用・労務・育成)があるのですが、社員側がどこに問い合わせしたら良いのか、担当は誰なのか、迷ってしまうことが多々あるんです。その課題を解決するためにも、人事にかかわるルールや問い合わせ先が一目でわかるようなマニュアルの作成を進めているところです。現状、ルールを記載した資料が点在している状態なので、それを一箇所に集約して『人事に関する疑問はここを見ればOK』みたいなサイトか、もしくは冊子を作成したいと思います」

【取材の様子を動画で見る】

編集後記

「自分の一言が学生の人生を左右してしまうかもしれないと思うと、すごく緊張しちゃって」。笑顔で話してくれたこの言葉を聞き、未経験ながらも、すでにここまで自分の発言の重さを考えているのかと、取材時に驚いたことを思い出します。だからこそ他社の人事の方とも能動的に交流を持ち、貪欲に学ぶ姿勢へとつながっているんだなと、穏やかで柔らかい雰囲気を持つ江頭さんの「行動力の源泉」が見えた瞬間でした。その後、仕事にも徐々に慣れ、人事戦略課に異動してからの話は、自分ではなく視点の矛先が会社や社員の方、世の中へ向いている姿も印象的でした。自分以外の他者に目を向ける姿勢も、人事担当者としての成長を支えているのかもしれません。

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会社概要

社名 ジェイリース株式会社
設立 2004年
事業内容 家賃債務保証事業、医療費債務保証事業
従業員数 337名(2021年3月31日現在)
会社HP
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大学卒業後、2018年に新卒でジェイリース株式会社に入社。首都圏エリアの不動産会社を中心とした法人営業を経験後、2年目からは人事部へと異動し、新卒・中途の採用業務に携わる。現在は人事戦略課に所属し、人事制度の設計業務などに携わる。

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『人事のヨコガオ』は、人事の方の「個性」にフォーカスしたメディアです。「社員一人ひとりの個性と向き合う人事の方個人にも個性がある」というコンセプトのもと、人事就任から現在に至る過程でぶつかった壁やその裏にある想いなど、等身大の姿を取材します。 気になる他社の人事の方が、どんな想いで施策に取り組み、これまでどう壁を乗り越えてきたのか。あまり知られていない”ヨコガオ”をお届けすることで、人事の方同士が学び合えるきっかけを提供していきます。