ユーザー会レポート

プロフェッショナル育成の鍵は「経験」!KDDI流人財育成術

2022年4月27日

マナベル

ユーザー会

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセス ユーザー会担当です。

3/3(木)、ユーザー会「マナベル」を開催しました。今回は「人財育成のための“経験の可視化”」をテーマに、株式会社KDDI様より経営管理本部DX推進部の安本様がご登壇。100名以上もの参加者にご出席いただきました。ありがとうございました!

今回ご参加できなかった皆さまにも安本様のお話を共有できるよう、セミナー当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!

「マナベル」とは?

「マナベル」はカオナビを使いこなしているユーザー様実践例を、直接学べるセミナーです。様々な業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁やその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見です。

そのほかにも導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションできる交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!

サポートサイト『セミナー・ユーザー会』

ご登壇者紹介

安本 高望 様

株式会社KDDI
経営管理本部DX推進部
CoE推進グループ グループリーダー

「まずは経験の機会を与える」プロ人財の育成方法を定義

※ここからは実際に安本様にお話しいただいた講演内容です!

KDDIは2000年に発足して以来、携帯電話の普及、スマートフォンの浸透に始まり、新規事業も拡大しつつ、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献することを目指してきました。

そのなかで、経理部、資金管理部、経営管理部、DX推進部、IR室からなる私たち経営管理本部は、広い意味でのファイナンス全般を担っています。

全社で使用している人事管理データベースはあるのですが、私たち経営管理本部で独自に解決したい課題があり、2020年から本格的にカオナビの導入・運用を開始しております。

なぜ、経営管理本部だけで独自にカオナビを導入することにしたのか、お話しましょう。

導入前の2015年頃、グループ会社が急激に拡大したことで、経営管理本部では、人財戦略に関して次のような課題が持ち上がっていました。

・CFO(最高財務責任者)になり得る人財の不足

・U30世代のモチベーションの低下

・シェアードサービス新会社の設立準備

そのため、現在の人員を大きく成長させ、国内外でも通用するファイナンス部門のプロ人財を育てることが大事だと考えていました。

では、プロ人財をどう育てたらいいのか。

私自身が子会社に出向したとき、これまでやってきたこと以外の業務が思った以上に多く、色々な経験を積んで成長できた実感がありました。そのため、まずは経験する機会を与えることが非常に重要だと考えていたのです。

若いうちに幅広い業務を経験すると、自分のできることが増えて自信につながり、視野が広がることで将来の目標も掴みやすくなる。その結果、目標に向けてモチベーションを上げながらさらに研鑽を積み、プロ人財になってくれると考えたのです。

そこで、人財育成には「一に経験、二に薫陶(くんとう)、三に研修」が必要だと定義し、経験を最大化するために計画的な人財ローテーションを行うことにしました。

人財ローテーションを行うにあたり、具体的に重視したのは以下の3点。

・ロールモデル

一人ひとりがライフステージに応じた適切なキャリアプランを選択できるよう、そのロールモデルを提示する

・キャリアパス

それまでKDDI本体も子会社もそれぞれの中でしか異動せず固定化していたものを、オープンに人財の流動を促すことで国内外問わないキャリアパスを実現する

・若手のローテーション

30歳以下を中心にKDDIグループ内で多様な経験を積み成長する機会を提供する

キャリアの考え方は一つではないダイバーシティ・マネジメントの時代ですから、一人ひとりと面談し、希望を確認しつつ、それぞれの能力をより伸ばすキャリアプランを考えていくことにしました。

KDDI全体でもジョブ型人事制度を導入し、30の専門領域に分け、その中でプロを育成していこうという流れがありました。

「多面的な分析」と「扱いやすさ」でツールを選定!

このように経験を最大化する計画的な人財ローテーションを決めたわけですが、それを実現するために私たちがツールに求めたものは、以下の2点です。

・経験を多面的に分析できる

一人ひとりの経験を可視化・共有し、それを多面的に分析できるもの

・扱いやすい

必要な機能を備えつつも、誰でもマニュアルなしで直観的に使いやすいもの

コンペで他社ツールとも比較しましたが、一人のデータを本人も上司も閲覧・入力しやすく、それを様々な角度から表示・分析できる点でカオナビが優れていたため、採用に至りました。

全社で運用している人財データベース上にはすでに社員番号、氏名、年齢、所属などがありましたので、そこへ追加するかたちで、業務区分、現在の業務についている期間、将来の異動希望、希望キャリアタイプといった個人データを入れていきます。本人の希望は上司が1対1の面談で聞き取り、コメントを入力しました。

しかし、こうしたデータ蓄積もデジタル化もあくまで手段でしかなく、それを使って変革を起こすことこそ重要

次はデータ活用についてお話しします。

KDDI版タレント名鑑!?人財会議で「シャッフルフェイス」が大活躍!

半期に一回、4月と10月の人事異動3か月前から始まる異動検討会議を、私たちは「人財会議」と呼んでいます。本部長や部長以上が参加して年間240分以上、真剣に議論されるこの人財会議で、カオナビが非常に役立っているのです。

例えば、現在の所属部門と、そこに在籍する期間でマトリクス表示してみると、長期間同じ仕事をしている人がわかりやすくなり、異動検討対象が絞れます。また、異動先の希望をマッチングする場合にも役立っています。

これまで「この人は今の部門けっこう長いよね?」というような感覚値はあっても、それが何年なのか、ほかの人よりどれだけ長いのかといったことは見えにくかった。その点、このマトリクス表示は非常にわかりやすく可視化できる。「シャッフルフェイス」の項目設定を柔軟にできる点が、カオナビの優れている部分だと思いますね。

人財会議のたびに、次回異動候補のマーキングや異動保留の理由など、そのときの検討事項を入力しておくことも、計画的な人財ローテーションに役立ちます

このように、私たちが実現したかった経験の可視化が「シャッフルフェイス」で簡単にできたことが、導入効果として本当に大きい。経営管理本部や、元所属メンバーの一部も含めて人財の過去・現在・未来が一元的に集約されているため、私たちは「タレント名鑑」と呼んで、活用しています。

また、経営管理本部全体で導入していることで、情報がいち個人、いち部門にとどまることなく、オープンに議論できるようになったことも大きな利点でした。

こうして私たちは若手(U30)のローテーション異動率100%、長期同一業務従事者の異動率52%という結果を得たのです。

実際に異動した人からも、経験が積めて成長を実感できると言われています。KDDI本体から子会社へ出向して、蓄積したものを持ってまた戻ってくるという流れもでき、若手のモチベーションも上がっていると感じます。

スムーズなカオナビ活用を後押しした3つのポイント

カオナビの導入を考え始めたのは2019年でした。それからすぐ、ツール導入を前提にエクセル版で仮運用を開始。本人の希望の聞き取りやデータ蓄積を進め、初めての人財会議も開き、ツールを使った人財活用をどのように進めるべきかを固めて行きました。そして2020年2月に導入を決め、設定テストを経て、同年6月から運用を開始して以来スムーズに定着しています。

振り返ってみると、スムーズな導入・活用ができたのは

・導入目的の明確化

・完璧さよりも速さを意識

・トライ&エラー

がポイントだったかと思います。

まず、導入目的の明確化は一番重要。カオナビに限らず、ツールを入れることはゴールではありません。ツールを使いながらやりたいことを実現するという目的は、導入当初から全員で共有しておくべきだと思います。私たちも、人財がとにかく足りない状況に直面していたからこそ、育成優先ということで、カオナビの導入に理解と協力を得られ、「みんなで育てていく」という共通意識を作ることができました。

とはいえ、最初からガチガチに目的意識ばかり重視していると時間がかかってしまうもの。速さを意識して、まずツールを動かすことが大切です。はじめから完璧を目指すのではなく、プロジェクトを進めながらアイデアを出し、検証し、少しずつテストと修正を繰り返して行けばいいと考えています。

人財会議も初回はあまり盛り上がらなかったものの、情報が増え、可視化の方法も工夫をこらし、一人ひとりの希望が見えてくると、回を重ねるごとに参加者の熱意も上がって行きました。

2020年2月のカオナビ導入から2年が経過しました。今後も「企業と個人の持続的な成長」を目的に、計画的ローテーションによる「経験の最大化」をはかり、優秀な人財の育成に努めていきたいと考えています。

【Q&A】ジョブ型雇用と経験の最大化は相反するのでは?

  • Q)ジョブ型雇用と経験の多様性というのは相反することのように思いますが、どのように並行して推進するのでしょうか?

A)私たちの場合、経営管理本部内でも、経理・財務・IRや、最近ではDXや社内のコンサルティング的な役割を求められるなど、多くの業務があります。ジョブ型の括りが大きいため、ジョブと多様性が相反するというわけではないのです。専門分野のなかでもたくさんの領域を選択でき、成長できますし、子会社には通信だけでなく様々な業態がありますから、そのなかで経験を積めるのは我々グループの強みですね。

  • Q)カオナビを導入してから、残業時間が減った、退職者が減った、従業員満足度が向上したといった数字的なメリットはありましたか?

A)5年も10年も同じ仕事をし続けるのは将来に不安が出るものでしょうから、若手の流出が激しかったころもありました。しかし、若手のローテーションをプロジェクトとして実行するようになってからは、将来を見定めやすくなったためか、退職率は減っています。残業については、カオナビで生産性向上をはかっているわけではないので、わかりません。満足度については、最近、定点観測的に見るようになったところなのではっきりしませんが、個人の成長を支えているという意味で、今後数字が上がることを期待しています。

  • Q)3年ほどで異動を繰り返すことにデメリットもあるかと思いますが、その解決はどのようにされていますか?

A)異動をするとどうしても一時的に質が落ちることはあるでしょう。ですが、私たちの取り組みとしては、業務の可視化・標準化を目指しています。そうしないと属人化が進んで異動ができなくなってしまいますし、逆に、異動を見越していれば、自分の業務をいずれ誰かに渡すことを念頭に、マニュアル化やデジタル化もするようになります。やはり生産性向上には属人性をできるだけ排除して、可視化、標準化、さらにはBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を進めていくということが必要不可欠だと思います。つまり異動を繰り返すデメリットより、メリットのほうが高いと考えています。

  • Q)30歳以下のローテーションのなかでゼネラルマネージャーになるかスペシャリストになるかといった方向性を見ていくのだと思いますが、30歳以上の経験値の利活用についてはどうお考えですか?

A)30歳以下をメインに異動対象としてはいますが、今の時代、本当にキャリアは様々で、ライフステージに応じて変わって行くこともあります。たとえば管理職をしていた方が家庭の事情などでいったん実務スタッフになることもあり得ますし、また逆もしかり。一人ひとりのキャリア志向を半年に一回1on1で聞き取り続けていますので、そうしたなかでサポートしていきたいと思っています。

  • Q)実際にマニュアルを使っていないのでしょうか? それに対して現場から問い合わせはありますか?

A)実は完全なマニュアルレスではなく、1~2枚程度のごく簡単なものはあります。マニュアル作成ツールを使ってシンプルに作ったものです。私自身、マニュアルがないと使えないシステムというのは正直つらいので、使いやすさは重視して選びましたから、ごく簡単なものしかなくてもユーザーからの問い合わせはありませんね。

【参加者の声】人財開発の定義によって育成の解像度が上がりました

安本様のお話しはここまで。ここからは、参加された皆さまからのご感想を、一部抜粋してお届けします!

  • 現在の弊社における課題と類似する点が多く、非常に参考になりました。一方で、弊社の全社員(約1300名)で実現するには色々とハードルが高いようにも感じました。
  • 本社と子会社でカオナビを導入していますが、あまり有効利用されておらず、本社では単なるアルバムのような位置づけ、子会社では面接の項目設定がイマイチなようです。そういった面で、マトリクス表示のお話などはハードルの低い作業のようで参考になりました。
  • 本当に自分が聞きたい話でした。
  • 人財開発の定義が会社によって異なるとは思いますが、解像度が上がりました。
  • 人財会議を基点に、情報が集まる流れを作れている事例。
  • 「今」を取り入れていて社員も働き甲斐があるのではないかと思わせる講演でした。

ユーザー会を終えて

プロフェッショナル人財の育成には「経験」が必要だという気づきから、経験の可視化と人財会議を通じて計画的なローテーションを実現するまでの流れを紹介した今回。

「蓄積したデータをどうやって人事育成に活かそう…」「プロフェッショナル人財はどう育成すればいいのか」そんなお悩みを抱える人事の方は特に、参考になった部分が多かったかもしれません。

また、シンプルなことですが、安本様がお話ししていた「導入目的の明確化」は、人財育成にカオナビを活かすはじめの一歩とも言えるかもしれませんね。とはいえ、目的が明確になっているケースばかりとは限りませんから、ぜひ弊社のカスタマーサクセス担当も頼っていただけると嬉しいです。

このようにユーザー会ではカオナビの使い方に限らず、今回の人財育成のように様々なテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「人事施策とセットでカオナビの使い方を教えて欲しい」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!

それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!

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