サブロク協定とは? 時間外労働、特定条項、新様式、作成方法、おさえるべきポイントについて

サブロク協定は、時間外労働に関する労使協定です。ここでは、サブロク協定についてさまざまなポイントから解説します。

1.サブロク協定とは?

サブロク協定とは、労働基準法第36条に基づいた時間外労働に関する労使協定のこと。サブロク協定について、4つのポイントから解説します。

  1. 労働基準法第36条とは?
  2. サブロク協定改正の背景
  3. サブロク協定はすべての会社が届出する
  4. 違反した場合の罰則

①労働基準法第36条とは?

労働基準法第36条とは、時間外や休日の労働に関する協定についての規定で、下記のように明記されています。

労働基準法に定める労働時間の原則は、1日8時間、1週40時間

サブロク協定を締結し労働基準監督署に届け出ると、協定で定める範囲内にて1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えた労働が可能となる

②サブロク協定改正の背景

サブロク協定改正の背景にあるのは、男性の家庭参加を阻む長時間労働や一億総活躍社会の実現、長時間労働を起因とする心身の不調などです。

そこで厚生労働省の検討会を中心に、時間外労働の時間設定やサブロク協定のあり方が議論されています。目的は、誰にとっても働きやすい社会の実現です。、

サブロク協定の認知度

全労連と国民春闘共闘委員会は、サブロク協定に関して「サブロク協定を知っていますか」というアンケートを実施しました。すると下記のような結果になったのです。

  • 「内容まで知らない」が45%
  • 「よく知らない」が24%

新サブロク協定ルールに関する質問では、「今回のルール変更をよく知らない」人の割合は76%(29人)でした。つまり社会への認知度に課題があると分かったのです。

サブロク協定の締結状況

サブロク協定の締結状況について、一般社団法人全国建設業協会が調べた「働き方改革の推進に向けた取組状況等に関するアンケート調査」があります。サブロク協定の締結状況を聞いたその結果は、下記のとおりでした。

  • 「一般条項のみ締結」が58.5%
  • 「特別条項についても締結」が28.8%
  • 「締結をしていない」が12.6%

③サブロク協定はすべての会社が届出する

サブロク協定は、「法定労働時間を超えて法定時間外労働をさせる・法定の休日に法定休日労働をさせる」場合、労働基準監督署に必ず届け出なければならない書類です。そんなサブロク協定では、下記のような手順を踏みます。

  • 労使間で「時間外労働・休日労働に関する協定書」を締結する
  • 「サブロク協定届」を労働基準監督署に届け出る

④違反した場合の罰則

サブロク協定に違反した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

サブロク協定の違反については、「処罰を受ける違反者は企業だけでなく、企業の労務管理を担当する責任者も対象」「罰則を受けた企業は、書類送検されると企業名を公表され、社会的制裁を受ける」点に注意しましょう。

労働基準法第36条は、時間外と休日労働に関する協定についての規定です。違反した場合、罰則があります

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2.サブロク協定で届け出る「時間外労働」とは?

サブロク協定で届け出る「時間外労働」とは、法定時間外労働のこと。ここでは、サブロク協定で届け出る「時間外労働」について、下記3点を解説します。

  1. 法定労働時間とは?
  2. 所定労働時間とは?
  3. 時間外労働の上限

①法定労働時間とは?

法定労働時間とは、労働基準法で定められている労働時間のこと。「休憩時間を除いた実労働時間・1日8時間、1週間40時間を超えてはならない」と定められています。

ただし特例措置として別途定める一部の事業や常時10人未満の労働者を使用する場合、1日8時間、1週間44時間までなら労働が可能です。

②所定労働時間とは?

所定労働時間とは、企業が労働契約や就労規則で定めた就労時間のこと。所定労働時間は、労働基準法にある一定の制限の範囲内で定めなければなりません。

清掃や仮眠の時間などに関しても、指示の有無や拘束性により指揮命令下にあったと判断される場合、労働時間と見なされるケースがあります。

③時間外労働の上限

時間外労働の上限が改正されました。改正点は以下のとおりです。

  • 法律上、時間外労働の上限は原則として⽉45時間、年360時間となる
  • 臨時的な特別の事情がない場合、これを超えられない
  • 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、一定の要件を守らなければならない
  • 違反した場合、6カ⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦が科される恐れも

労働時間には、法定労働時間と所定労働時間があります。法改正により、時間外労働の上限が原則、⽉45時間、年360時間となりました

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3.特定条項付きサブロク協定とは?

特定条項付きサブロク協定とは、上限を超えた時間外労働が可能となる協定のこと。特定条項付きサブロク協定について下記4つから解説しましょう。

  1. 特別条項で認められる時間外労働の上限
  2. 特別な事情がある場合のみ認められる
  3. 適用は年6回まで
  4. 労働者の健康・福祉を確保できるようにする

①特別条項で認められる時間外労働の上限

特別条項で認められる時間外労働の上限は、以下のとおりです。

  • 1カ月の法定労働時間を超える時間外労働時間数と法定休日労働における労働時間数の合計が100時間未満
  • 1年の法定労働時間を超える時間外労働時間数は720時間以下
  • 対象期間の1年間に、法定労働時間を超える時間外労働時間数が、1カ月45時間(対象期間が3カ月を超える1年単位の変形労働時間制の場合には1カ月42時間)を超えられる月数は6月以内

②特別な事情がある場合のみ認められる

特別条項付きの時間外労働は、特別な事情(繁忙期や納期切迫)がある場合のみ認められます。

ただしみなし残業時間が60時間に設定されているケースの場合、サブロク協定で許容できない長時間労働が常態化していると見なされるのです。この場合、特別条項を付しても、時間外労働の上限範囲を超えられません。

③適用は年6回まで

特別条項付きの時間外労働の適用は年6回までです。具体的には、以下のような定めがあります。

  • 1年のうち6カ月は、法定外労働時間が45時間以内でなければならない
  • 超過可能な6カ月も、休日労働含み以下の制限を守らなければならない
  • 1カ月でも100時間以上は不可
  • 2カ月から6カ月の平均のどこを取っても80時間以内

④労働者の健康・福祉を確保できるようにする

特定条項付きサブロク協定は、労働者の健康や福祉の確保を目的としています。そのため労働者の健康・福祉を確保するため、下記から協定を締結することが望ましいとされているのです。

  • 医師による面接指導の実施
  • 深夜業(22~5時)の回数制限の実施
  • 健康診断の実施
  • 心とからだの相談窓口の設置
  • 産業医等による助言・指導や保健指導の実施

特定条項付きサブロク協定とは、上限を超えて合法的に労働者に時間外労働をしてもらうための協定です

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4.サブロク協定の新様式とは?

サブロク協定の新様式とは、2021年4月から新しくなる36協定届の様式のこと。ここでは、旧様式と新様式とで異なる点について、下記2つを解説します。

  1. 押印と署名が廃止
  2. サブロク協定締結者の選出条件が変更

①押印と署名が廃止

サブロク協定が新様式になると、押印と署名が廃止されます。はんこレス化の流れを受け、新様式には、押印箇所示す「印マーク」がなくなり、押印が不要になりました。

ただし新様式が届出書と労使協定の両方を兼ねる場合、直筆の署名または記名押印が必要です。なお新様式は、2021年4月1日以降有効の36協定届から適用となっています。

②サブロク協定締結者の選出条件が変更

サブロク協定が新様式になると、サブロク協定締結者の選出条件が変更になるのです。36協定の適切な締結を目的として、労働者代表の適格性について要件確認のためのチェックボックスが新設されました。

要件には、「管理監督者は労働者代表になれない・サブロク協定を締結する者を選出すると明らかにしたうえで、投票や挙手といった方法で選出する」などがあります。

サブロク協定が新様式になり、押印・署名が廃止されます。またサブロク協定締結者の選出条件が変更されるのです

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5.サブロク協定届の作成方法

サブロク協定は、労働基準監督署に提出しなければならない書類ですので、法にのっとって適切に作成しなければなりません。そんなサブロク協定届の作成方法や提出する際の注意点について解説しましょう。

作成支援ツールを利用する

作成支援ツールがあれば、入力フォームに必要項目を入力し印刷するだけで、サブロク協定届を作成できます。

「入力画面を一時保存できる」「入力内容にエラーがあればエラーメッセージで通知してくれる」といった使い勝手の良さからツールの活用が増えているのです。

テンプレートを利用する

テンプレートは、厚生労働省のホームページからWordやExcelでダウンロードできます。「様式第9号は一般条項で様式第9号の2は特別条項」のようにテンプレートが異なる場合もあるので、注意してください。

有効期間を確認する

サブロク協定届を作成する際は、有効期間を確認しましょう。サブロク協定届の有効期間についての指導方針には、36協定届の有効期間は最長でも1年間とすることが望ましいとされています。

時間外労働は労務管理やコスト面から考えて、必要最小限であるべきだからです。サブロク協定届の見直しをとおし、働き方もこまめに見直しましょう。

提出する際の注意点

サブロク協定届を提出する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 2部作成し、労働基準監督署に提出する
  • 提出した1部は受付印を押した後、控えとして返却される
  • 郵便申請、電子申請のどちらでも提出が可能
  • 届け出たサブロク協定は、労働者に周知しなければならない
  • 有効期間後に提出する際は時間外労働をさせない

サブロク協定届の作成方法には、作成支援ツールやテンプレートが利用できます。提出時の注意点も確認しましょう

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6.サブロク協定について人事がおさえるべきポイント

人事は、サブロク協定について何をおさえておけばよいのでしょう。ここでは3つの観点から、人事がおさえるべきポイントについて解説します。

  1. 労働代表者を決める
  2. 労働代表者とサブロク協定を締結する
  3. 労働基準監督署へ提出

①労働代表者を決める

36協定を締結する際、使用者と協定締結を行うにが、労働者代表です。労働者代表の決定には、以下の方法があります。

  • 労働者の過半数を代表する労働組合がある場合、その労働組合が代表となる
  • 労働組合がない場合、労働者の過半数を代表する人を選出し、その選出された代表者が労働者代表となる

②労働代表者とサブロク協定を締結する

使用者や適正に選出された労働代表者双方の合意の上で、サブロク協定を締結します。締結したサブロク協定は、労働基準監督署へ届け出しなければなりません。要件を見たしていない場合には、当該サブロク協定は無効になります。

事業場単位で締結する

サブロク協定は、事業場単位で締結しなければなりません。つまり支店や工場などは、それぞれ36協定を締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出ることになります。

なお本社とそのほか事業場の36協定をまとめて本社の管轄労働基準監督署長に届け出る本社一括届出は、協定当事者が過半数組合である場合のみ可能です。

③労働基準監督署へ提出

サブロク協定は、労働基準監督署へ提出します。サブロク協定は、様式第9号により届出ることになっており、協定書そのものの提出は不要です。

サブロク協定は届出をもって有効となるため、必ず有効期限の開始までに届け出ます。有効期間は、「協定しなければならない事項」に含まれているのです。また期間は最長でも1年間とするのが望ましいとされています。

人事の担当者は、「労働代表者を決める・労働代表者とサブロク協定を締結する・労働基準監督署へ提出」といったポイントを押さえておきましょう