卓越研究員とは? ポスドクに終身雇用を約束する卓越研究員制度のメリットについて

2016年から卓越研究員制度が始まります。若手研究員が雇用の不安を抱えずに研究に従事でき、また産学官の垣根を低くして、優秀な研究者がその垣根を越えて様々な世界で活躍できるようにするための制度です。産業界として卓越研究員制度を導入するメリットについて考えます。

卓越研究員とは?優秀なポスドクと産官学をマッチング

卓越研究員とは、文部科学省によって2016年度から実施される39歳以下の若手研究員の常勤での雇用を促進する制度です。博士課程を修了し優秀でありながら、任期付きのポストにしか就けず、ポスドクという立場で研究に従事している研究者が多くいます。文武科学省では、彼らの中から卓越研究員を公募、公的機関で公正な選考を経て優秀な研究員を卓越研究員候補として選出します。

一方、産学官から卓越研究員を希望する研究機関を集め、両者のマッチングがうまく進み雇用したが成立した場合、その若手研究員を卓越研究員に認定し、一定の期間研究費を支給します。卓越研究員制度は対象分野が、自然科学、人文・社会科学の全分野に渡り、毎年150名程度を認定します。受け入れ機関としては産官学、つまり国公立・私立大学、国立の研究開発法人、民間企業等を想定しています。

卓越研究員の人件費は受け入れ期間が負担し、そのかわりに1人当たりの研究費として、自然分野では年間約600万円を2年間、また、研究環境整備費として年間約300円が5年間、受け入れ機関に支給されます。尚、人文・社会科学系分野においては、上の金額の3分の2程度の金額になります。

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ポスドクの雇用不安と卓越研究員制度の目的

いわゆるポスドクと呼ばれる博士研究員の多くは、博士号取得後も長い間任期制のポストに就き、雇用の不安を抱え、常勤のポストを探しつつ研究を続けています。彼らが実際、常勤のポストに就くのは努力だけではなく運も必要というほどに厳しいものがあります。

35歳というのが研究職の年齢的な境目になっており、35歳を過ぎるとポスドクが助教等のポストに就く可能性はかなり低くなるともいわれています。この卓越研究員制度では、産官学の研究機関での原則終身雇用と各研究機関が決める年棒が約束されます。2016年度に卓越研究員制度受け入れを表明している企業の中には、1000万円を超える破格の年棒を提示しているところもあるといわれています。

企業における卓越研究員制度のメリットは?

この卓越研究員制度は若手研究員側にだけではなく、産官学、各研究機関にとってもメリットがあります。まず、優秀だけれど国内で良いポストが見つからない研究者が、日本を捨てて海外に職を求め、人材の流出、研究成果の流出が起きることを防ぐ一助になります。

かつては、産官学それぞれの間の垣根が高かったため、研究内容が垣根を越えて移動することが難しく、世界的に急激に姿を変えている産業構造の変化に対応できる知の移転が難しい現状がありました。

しかし、卓越研究員制度によって、大学から企業へ、あるいは企業から公的研究機関へと流動性が高くなり、大学での優秀な研究成果を企業が応用するなど、知の移転が比較的容易になります。文部科学省によると、2016年度に卓越研究員の受け入れを表明した研究機関は産官学合わせて300以上あり、そのうちの3割が企業からとなっています