従業員名簿のテンプレート(Excel)とは? 項目内容、作成の注意事項、保管方法、保存期間について

従業員名簿は、企業が従業員を雇い入れる際、必ず整備しなければならない帳簿のこと。従業員名簿を作成する際にExcelテンプレートを使うと、作業がスムーズに進むのです。

1.従業員名簿のExcelテンプレートとは?

従業員名簿のテンプレート(Excel)とは、従業員名簿をExcelで管理する際に使うひな形のこと。マイクロソフト社が開発販売する表計算ソフト「Excel」を使ってかんたんに管理できるよう整備したものを、従業員名簿のひな形として各種機関が公開しています。

活用しやすい

従業員名簿をExcelで管理すると、データの一覧化や抽出がしやすくなります。人事管理ソフトを操作した経験がない人でも、Excelテンプレートを使えばかんたんに従業員名簿を管理できるのです。

既存の人事管理システムから出力したデータを活用できる点も、Excelのテンプレートを使用するメリットのひとつ。活用のしやすさや汎用性の高さはExcelテンプレートの大きな魅力です。

入手やカスタマイズしやすい

Excelテンプレートを活用するもうひとつのメリットは、入手やカスタマイズのしやすさ。従業員名簿のExcelテンプレートは、労働厚生省や東京労働局などさまざまなページで無料配布されています。

項目の配置や文字サイズ、印刷範囲の指定などはExcelの操作経験があれば誰でもかんたんに行えるため、導入のハードルを低減できるのです。

従業員名簿の管理にExcelテンプレートを活用すると、人事労務にかかるランニングコストを抑えられます

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2.Excelテンプレートから作れる「従業員名簿」とは?

従業員名簿にExcelテンプレートを活用すると、コストを抑えながら人事管理データを作り込めます。従業員名簿は、日常的な人事管理にも使用される従業員名簿はそもそも、どのような名簿を指すのでしょうか。

企業に作成義務がある法定帳簿のひとつ

企業の大小や業種にかかわらず、労働者を雇用するすべての組織に従業員名簿の作成・保管・管理が義務付けられています。労働者の氏名や住所、履歴や雇入年月日などを管理するこの帳簿は「労働者名簿」とも呼ばれているのです。

企業は従業員を雇うたびに1人につき1枚ずつ名簿を作成し、情報が更新された際はその都度改訂しなければなりません。

労働基準法第107条で調整が定められている

労働基準法第107条では、労働者名簿について次のように明記しています。

「使用者は、事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない」

企業は、労働基準監督署から名簿の提出を求められた際、すみやかにこうした情報を提示しなければなりません。

法定三帳簿とは?

従業員名簿は、事業主が事業場で必ず作成しなければならない重要書類「法定三帳簿」のひとつです。

  • 従業員名簿:従業員の氏名や雇入年月日など、従業員に関する情報を集約したもの
  • 賃金台帳:従業員に対する給与の支払い状況を集約したもの。基本給や各種手当の種類、控除項目や労働日数などを記載する
  • 出勤簿:従業員の労働時間を把握するためのもの。出社・退社の時間や時間外労働を行った日付などを記載する

従業員名簿は、法律で作成が義務付けられた法定三帳簿のひとつとして厳密な管理・保管・更新が求められます

3.従業員名簿に記載する項目内容とは?

従業員名簿は紙ベースでの作成だけでなく、電子媒体を利用した作成・管理も認められています。形式については明確に定められていないため、必要な項目が記載されていれば、管理しやすいようカスタマイズしても構いません。

ここでは従業員名簿に記載する項目について解説します。

法律で定められている必須項目

従業員名簿には、以下9つの情報を記載します。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 住所
  4. 性別
  5. 履歴
  6. 従事する業務の種類
  7. 雇入年月日
  8. 退職年月日
  9. 死亡年月日

このなかには任意管理の項目もあります。そのため一般的に、いくつかの見出しに分けて記載するのです。それぞれの項目で記載する内容や注意点について、詳しく見ていきましょう。

従業員の基本情報に関する4項目

はじめに、従業員の基本情報を記載します。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 住所
  4. 性別

ここで記載する氏名は戸籍上のもの。結婚後も社内で旧姓を使用している場合、従業員名簿に旧姓を記載しないよう注意しましょう。交通費を支給する際はここに記載された住所情報をもとに算出します。住民票と現住所が異なる場合は、現住所を記載しましょう。

履歴・従事する業務

履歴の記載範囲に関して、労働基準法で明確に定められていません。一般的に社内における昇進や異動、配置転換などを記載します。そしてこれらは労災保険法上の業務災害として判断を迫られた際、重要な判断基準になるのです。

また従事する業務の項目には、営業や人事、総務や経理事務など社内での役割や業務内容を記載します。

雇入年月日・退職年月日・死亡年月日

人事労務に関するトラブルを防ぐため、以下の年月日も従業員名簿上で管理するのです。

  • 雇入年月日:採用が決まった日ではなく、実際に働き始める日を記載する
  • 退職年月日:解雇の場合はその理由も記載する。従業員都合の場合は任意
  • 死亡年月日:勤務中に死亡した場合、労働基準監督署へ報告書を提出しなければならない。亡くなった年月日と合わせて病気や事故、労災事故などの原因も記載する

記載が推奨されている項目

これら9つの項目のほか、従業員本人の同意を得たうえで以下の情報を管理する場合もあります。

  • 基礎年金番号
  • 雇用保険番号
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の整理番号

電話番号や扶養親族の名前を管理している企業もあります。必須ではありませんが、いずれも人事労務の業務をスムーズに遂行するために必要な情報なので、可能なら記載しておきましょう。

従業員数30人以下の事業では、一人が複数の業務を兼任する状況も考えられます。そのため「従事する業務」の省略が認められているのです(労働基準法施行規則 第53条第2項)

4.従業員名簿作成における注意事項4つ

従業員名簿を作成する際は、以下の4点に注意しましょう。

  1. 従業員名簿の作成対象はすべての従業員
  2. 従業員名簿は、事業場ごとに作成しなければならない
  3. 事前に従業員に説明し、同意を得る必要がある
  4. 個人情報の取扱いに注意する

①従業員名簿の作成対象はすべての従業員

労働基準法第107条では、従業員名簿の記載対象者を「各労働者」と明示しています。ここでいう労働者とは、事業または事務所に使用され、賃金を支払われる者のこと(同法第9条)。

つまり正社員だけでなくパートやアルバイトなど短時間勤務も従業員名簿に記載しなければなりません。「雇用形態にかかわらず、従業員を一人でも雇ったら従業員名簿を作成する必要がある」と覚えておきましょう。

従業員名簿の対象にならないケースもある?

従業員名簿は原則としてすべての従業員が記載対象となります。しかし以下の場合、この限りではありません。

  • 日雇い労働者:会社と日々雇用契約を結ぶため、記載義務は発生しない
  • 派遣労働者:派遣元が従業員情報を管理するため、派遣先では従業員名簿の作成対象にならない
  • 代表者および役員:労働基準法における労働者に該当しないため、管理対象に含まれない(社会保険の被保険者には該当するため、社会保険事務所の調査では提出を求められる)

②従業員名簿は、事業場ごとに作成しなければならない

従業員名簿は企業全体としてひとつの帳簿を管理するのではなく、事業場ごとに作成・管理しなければなりません。これは労働基準法において「労働者名簿および賃金台帳を事業場ごとに調製し、厚生労働省令で定める事項を記入すること」と明記されているのです。

本社以外の一定の場所で継続的に作業を行っている場合、支社や営業所、店舗や工場ごとに帳簿を作成します。

③事前に従業員に説明し、同意を得る必要がある

従業員名簿では、氏名や住所など個人情報を数多く取り扱うのです。そのため情報収集の目的や使用範囲などを明確にし、事前に従業員の同意を得ておかなければいけません。

また帳簿の作成時だけでなく、労働基準監督署などの第三者に従業員名簿を提示する場合も、事前に従業員の承諾を得ておきます。

④個人情報の取扱いに注意する

個人情報を取り扱う際の注意点は大きく分けて3つ。

  • 使う目的を明らかにする
  • 安全に管理する
  • 目的の範囲内で利用する

従業員名簿に記載する目的で従業員の個人情報を取得した際は、「紙媒体なら鍵のかかる引き出しに保管する」「データならパスワードを設定したりウイルス対策ソフトを入れたりする」などで、厳重に取り扱いましょう。

従業員名簿に記載する情報は、個人のプライバシーに関わる情報が多く含まれています。集める際は使用目的や範囲を明確にし、従業員から了承を得ましょう

5.従業員名簿の保管方法や保存期間について

従業員名簿は、どのくらいの期間、どのような形式で保管・更新するとよいのでしょうか。ここでは従業員名簿の保管期間や保存形態、情報更新のタイミングなどについて解説します。

保管期間とは?

従業員名簿を含む法定三帳簿は、労働基準法第109条において次のように定められています。「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない」

従業員名簿の場合、3年間は従業員の退職や解雇、死亡の日から数えます。万が一3年以内に紛失・破棄した場合、30万円以下の罰金が科せられる恐れもあるので注意しましょう。

保存形態とは?

従業員名簿の保存形態について、明確に定められていません。これまでどおり紙媒体で保管する企業もありますが近年、従業員数の増加やペーパーレス化に伴ってExcelやPDF、専用システムなどを使ったデータ保管に切り替える企業も増えているのです。

労働基準監督署の調査などで閲覧の要請があった場合、すぐに提出できる環境にあれば、どちらの形式でも問題ありません。

内容の更新やタイミングとは?

氏名や住所、業務内容などの項目にかかわらず、記載事項に変更が生じた際は直ちに情報を更新しなければなりません。これは労働基準法施行規則第53条において「記載事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければならない」と明記されています。

「結婚して苗字が変わった」「引っ越しによって住所が変わった」際は遅延なく情報を更新しましょう。

従業員名簿更新の遅延は人事労務の業務が停滞するだけでなく、労働基準法違反を引き起こす要因にもなるので注意しましょう