従業員名簿のテンプレートとは? 項目内容、作成の注意事項、保管方法、保存期間について

従業員名簿のテンプレートとは、企業が作成しなくてはならない従業員名簿のひな形のこと。今回は、作成における注意事項、保管方法や保存期限について解説していきます。

1.従業員名簿のテンプレートとは?

従業員名簿のテンプレートとは、労働者の氏名や雇用年月日などを記載する従業員名簿に用いるひな形のこと。テンプレートを使うと、一から作成する必要がないため手間を大幅に省けるのです。

従業員名簿のひな形

企業には「従業員名簿」という帳票の作成義務があります。企業規模に関係なく、1人でも従業員がいる場合には作成しなくてはならないのです。

従業員名簿には、従業員の氏名や生年月日、雇用年月日や退職年月日など労働基準法第107条で定められた情報を記載しなければなりません。この従業員名簿を作るためのひな形が「テンプレート」です。

テンプレートの種類について

従業員名簿のテンプレートは、インターネット上で多数配布されているため、無料でも入手できます。Officeソフトでは、WordやExcel、Accessなどのファイル形式のテンプレートが存在するのです。

たとえば厚生労働省のサイトからは、「様式第19号」というPDF形式のテンプレートがダウンロードできます。

データの場合はファイル形式に注意

テンプレートの編集時、それぞれのファイル形式に合ったソフトが必要です。たとえば、PDF形式の場合、専用ソフトがないとファイルを編集できないため、印刷して使用するケースが多くなります。

テンプレートは、さまざまなファイル形式で配布されているのです。自社にとって最も使い勝手のいいファイル形式を選択しましょう。

企業は、従業員名簿の作成を義務付けられています。その際、自社に合ったテンプレートを使うと、見やすく分かりやすい従業員名簿が作成できるのです

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2.テンプレートから作れる従業員名簿とは?

従業員名簿とは、従業員の情報を記載した書類のこと。労働基準法により作成・保存が義務付けられている法定三帳簿のひとつです。ここからは、従業員名簿とは何かについて、解説します。

従業員名簿とは、従業員情報が書かれた書類

従業員名簿とは、各従業員の氏名や生年月日などの情報が記載された書類のこと。人事や労務などの業務で活用するもので、「労働者名簿」とも呼ばれます。

従業員名簿は、事業所ごとに作成・保管が義務付けられているため、情報が更新する度に改訂しなければなりません。

パートやアルバイトなども作成が必要

企業でも個人事業主でも従業員を1人でも雇った場合、従業員名簿を作成しなければいけません。正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象です。

短時間しか労働を行わないパートなども労働基準法第9条の「事業又は事務所に使用される者で、賃金を払われる者」に該当するため、名簿に記載する義務が発生します。

法律で作成が定められている

従業員名簿は、労働基準法第107条で作成と整備が義務づけられている法定三帳簿のひとつです。しかし特にどこかの機関に提出が必要な書類ではありません。

とはいえ労働基準監督書による調査などで閲覧や提出を求められる場合も。適切に管理しながら、いつでも写しなどが提出できる体制を整えておきましょう。

法定三帳簿とは?

法定三帳簿とは、「従業員名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の3つからなる事業主が事業場に必ず備え付ける書類です。備え付けておかなかった場合の罰則もあり、3年間の保存義務もあります。

これらの帳簿はデータでも問題ありません。ただし紙での提出を求められた際、すぐに印刷できるようにしておく必要はあります。

従業員名簿は、法定三帳簿のひとつです。従業員情報が記載されているため、人事や労務業務に欠かせません

3.従業員名簿テンプレートに記載する項目内容とは?

従業員名簿に記載すべき項目は労働基準法によって定められているのです。ここからは、従業員名簿に記載しなければいけない項目について、見ていきましょう。

記載必須の項目について

労働基準法第107条・労働基準法施行規則第53条では、下記9つの記載を義務付けているのです。ここからは、項目の一部について解説しましょう。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 性別
  4. 住所
  5. 履歴
  6. 従事する業務の種類(従業員30人未満の場合は記載不要)
  7. 雇入年月日
  8. 退職年月日およびその事由(解雇の場合はその理由も)
  9. 死亡年月日およびその原因

従業員の基本的な情報

基本情報とは、「氏名」「生年月日」「性別」「住所」などのこと。氏名は、戸籍上の氏名を記載しなければいけません。結婚して戸籍上は姓が変わっても、社内では旧姓を使用しているケースもあるため注意が必要です。

なかには住民票と現住所が異なる従業員もいるでしょう。しかしこの場合、連絡が取れる住所の記載が必要なため、現住所を記載します。

従業員の履歴

従業員の履歴について労働基準法では、どこまで記載するか定めていません。そのため社内における昇進や異動などを記載する場合が、多くなっています。

従業員の学歴や前職までの職歴、保有資格なども記載しておくとよいでしょう。このような履歴を記載する理由のひとつに、「労災保険法上の業務災害として認定されるかどうかの判断要素となる」点が挙げられます。

従事する業務

「人事」や「営業」など、社内での役割や業務内容を記載します。たとえば建設現場で働く人の場合、技能工や配管工など業務内容が分かるよう記載するのです。異動や配置転換があった際は、その都度、履歴もあわせて更新します。

従業員が30人未満の企業では、1人が複数の業務を担当する場合もあるでしょう。そのため記入は、必須となっていません。

雇入年月日・退職年月日・死亡年月日

雇入年月日とは、採用が決定した日ではなく、実際に雇用した日のこと。退職年月日は自己都合退職の場合、理由は不要ですが、解雇の場合は理由が必要になります。理由を明記しておくと、退職後のトラブル防止にもなるでしょう。

また従業員が在職中に死亡した場合、労災が適用されるかを検討するために死亡年月日とともに理由を記載しなければなりません。

ここで挙げた9項目のほかに従業員の電話番号や各種保険情報も記載しておくと、労務手続きなどがスムーズになります

4.テンプレートから従業員名簿を作成するときの注意事項

テンプレートから従業員名簿を作成する際、いくつかの注意点があります。一体どのような内容なのか、見ていきましょう。

  1. 支店や事業所ごとに作成する
  2. パートやアルバイトも含めて全従業員分を作成する
  3. 個人情報の取り扱いに注意する

①支店や事業所ごとに作成する

労働基準法では「労働者名簿・賃金台帳を事業場ごとに調製し、厚生労働省令で定める事項を記入すること」と定めています。そのため本社以外に支店などがある場合、従業員名簿は支店ごとに作成・保管するのです。

人事部や総務部などで一括して整備するものではない点に注意しましょう。原則、同じ場所で作業しているとひとつの事業場と見なされますが、労働状態が異なる場合、別の事業場として扱われます。

②パートやアルバイトも含めて全従業員分を作成する

従業員名簿の対象者は、原則として全従業員です。労働基準法第9条で「事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」に該当する場合、名簿に記載する義務が発生します。

つまり雇用形態に関係なく、パートやアルバイトなどの短時間勤務の従業員も対象になるのです。契約社員についても同様で一定期間の雇用契約ではありますが、労働基準法第9条に当てはまるため、名簿に記載しなければいけません。

必須ではないケースがある?

日雇い労働者や派遣労働者、代表者・役員の場合、従業員名簿への記載は必須となっていません。その理由は、下記のとおりです。

  • 日雇い労働者:会社と日々雇用契約を結ぶ立場であるため、記載は必要ない
  • 派遣労働者:派遣元の会社が管理する
  • 代表者・役員:労働基準法上での労働者に該当しないため対象にはならないが、社会保険の被保険者であるため、名簿は作成しておいたほうがよい

③個人情報の取り扱いに注意する

従業員名簿を作成する際は、個人情報の収集目的や使用範囲などを明確にしましょう。そして従業員の同意を得てから作成を進めます。労働基準監督署など第三者が閲覧する場合も事前に承諾を得ておきましょう。

従業員名簿には、個人のプライバシーに関わる多くの情報が含まれています。無用な拡散や漏えいが防げる手段を講じましょう。

従業員名簿を作成する際は、対象となる従業員などに留意します。収集した情報はプライバシーを保護する観点から、適切に管理しましょう

5.テンプレートから作成した従業員名簿の保管方法と保存期間について

テンプレートから作成した従業員名簿は、どのくらいの期間、どのような方法で保存するとよいのでしょう。ここからは、労働基準法で定められている保存期間や保存方法、そして更新の頻度について見ていきます。

保存期間は3年

従業員名簿は、労働者の死亡・退職・解雇の日を起算日とし、その日から3年後まで保存します。起算日は雇入日ではない点に注意しましょう。

期間内に紛失してしまった場合、労働基準法第120条違反に該当し、30万円以下の罰金が科される場合もあります。紙で保存する場合、在職者と退職者に分けてファイリングするなど保存方法を工夫しましょう。

保存方法は紙かデータ

従業員名簿の保存方法について、労働基準法で何か定められているわけではありません。よって紙でもデータでも保存できます。

最近では、ペーパーレス化に伴い、データ保存している企業が多いようです。紙で保存する場合は、日常的に使いやすくする工夫をしましょう。紙やデータの保管場所に困るといった場合、クラウドサービスを利用するのもひとつの手です。

データの場合はすぐ閲覧や提示ができるようにしておく

従業員名簿は、パソコンでの管理が認められています。ただし「必要事項がそろっている従業員名簿」でなくてはいけません。また労働基準監督署などから閲覧や提示を求められた場合、各事業場ですぐに表示・印刷できるようにしておく必要もあるのでです。

情報の検索や内容の変更を行う際にも、データのほうが効率的で利便性も高いでしょう。これらを踏まえて、自社に合った保存方法を検討してください。

更新は随時行う

従業員名簿の更新は、労働基準法第107条2項にて「記載事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければならない」と規定されています。

従業員が結婚して姓が変わったり引っ越して住所が変わったりした際は、その都度情報を更新しましょう。人事異動や配置転換があれば、履歴の更新が必要です。

定められた保存期間内、大切な個人情報である従業員名簿を安全に管理するためにも、クラウドサービスの導入を検討しましょう