氷河期世代とは? 背景、現状、人材活用法、採用のメリット、就職氷河期支援プログラムについて

氷河期世代とは、バブル崩壊後の厳しい雇用環境の影響を受けた世代のことです。ここでは、氷河期世代について解説します。

1.氷河期世代とは?

氷河期世代とは、1991年頃~2005年頃に社会人になった世代のことで、求人情報誌の発行を手掛けていたリクルート社が作った造語です。当時はバブルの崩壊によって厳しい雇用環境が続きました。そんな就職難に遭った世代を氷河期にたとえたのです。

ここでは、下記3点から解説します。

  1. 氷河期世代の年齢
  2. 氷河期世代が直面した求人倍率と就職率
  3. 氷河期世代が生まれた背景

①氷河期世代の年齢

氷河期世代の年齢とは、1970年頃~1980年頃までに誕生した世代のこと。厚生労働省の公開情報によれば、就職氷河期は1993年頃から2003年頃までの約10年程度です。

就職氷河期と就職活動が重なった人たちを、氷河期世代と呼びます。氷河期世代は、現在の35歳~50歳手前ぐらいの年齢までを範囲としているのです。

②氷河期世代が直面した求人倍率と就職率

氷河期世代が直面した求人倍率と就職率を見てみましょう。

  • 1992年大卒の有効求人倍率は2.41
  • 1993年の大卒求人倍率は1.91
  • 2000年の大卒求人倍率は0.99、大卒内定率は91.1%
  • 2003年の大卒求人倍率は1.30、大卒内定率は92.8%
  • 2008年の大卒求人倍率は2.14、大卒内定率は96.9%

③氷河期世代が生まれた背景

氷河期世代が生まれた背景には、1991年のバブル崩壊があります。バブル崩壊をきっかけに企業は新規採用を大幅に削減し、人件費抑制に走りました。

1996年を底として回復したかと思われた矢先、「消費税導入」「アジアの通貨危機」「不良債権処理の失敗による大手金融機関の破綻」が起こり、就職氷河期はさらなる厳しさを増したのです。

就職氷河期は1993年頃から2003年頃までの約10年程度となります。この時期に就職活動が重なった人たちを、氷河期世代と呼ぶのです

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2.氷河期世代の現状

氷河期世代の現状は非常に厳しくなっています。一体どのような状況にあるのでしょう。

  1. 出生率低下でもたらされた少子化
  2. 優良な人材不足
  3. 中高年の引きこもりも増加するなど、貧困に苦しむ人が増加

①出生率低下でもたらされた少子化

団塊ジュニアと呼ばれる1970年代生まれは、就職氷河期世代とも重なります。

この世代は、「結婚適齢期になっても、経済的な理由から結婚できない」「結婚しても子どもはつくらない」「子どもをつくったとしても一人だけ」などから、少子化の一因になっているのです。

②優良な人材不足

就職氷河期、企業は新卒採用を大幅に絞り込みました。その結果、「正規雇用社員として就職できなかった」「就労に必要な能力を身に付ける機会を持てなかった」などから、優秀な人材不足が起こっているのです。

③貧困に苦しむ人が増加

就職氷河期世代は、「正規雇用社員として働くのは難しかった」「派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用社員として就労せざるを得なかった」若者が多く出た世代です。

政府も非正規雇用を正規雇用に転換する政策を打っているものの、思うように進んではいません。

中高年の引きこもりも増加

氷河期世代には、中高年の引きこもりになってしまった人も多いです。「安定した仕事に就けない」「自分に自信が持てない」「結婚など人生のプランを描けない」などを理由に40代を中心とした中高年の引きこもりは増加し、その数100万人ともされています。

「親の死去」「親の介護」といった状態になれば、共倒れになってしまうでしょう。

氷河期世代では、優良な人材が育たず、中高年の引きこもりや貧困といった問題を抱えています。少子化の一因にもなっているのです

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3.氷河期世代の人材活用法

社会の変化によって、能力開発や就業機会に恵まれなかった就職氷河期世代の人材を、積極的に活用する方法があります。一体どのような方法なのでしょうか。

さまざまな業種で前向きに採用

リクルートジョブズ実施の「就職氷河期世代」に関する調査によると、「今後、就職氷河期世代を採用する可能性がある」と回答した企業は85%を超えます。

35~49歳の就職氷河期世代のうち、「非正規の職員・社員は589万人」「不本意非正規労働者は約71万人」ともいわれている人材を、前向きに採用しようという検討が始まっているのです。

中間管理職

中間管理職とは、自分の仕事と部下の管理、両方を担う立場のこと。現在40代となる就職氷河期世代は、まさに中間管理職世代でもあります。

中間管理職としてコントロールタワーになれるような専門的マネジメント教育を実施ししていくと、氷河期世代を中心として管理職に特化した人材の活用が可能になるでしょう。

ICT分野

ICTとは、情報通信技術のこと。新型コロナウイルス感染症の影響により働き方が変化した結果、ICT分野の人材に対するニーズは急速に高まっています。そこで就職氷河期世代を中心に「ICT無料研修の実施」「ICT分野に特化した人材育成」の動きがあるのです。

研修後は、システムエンジニアや営業、事務など、幅広い職種での活躍が期待されています。

就職氷河期世代に対して「中間管理職」や「ICT分野」などで活躍できるような教育研修を実施する施策が進んでいるのです

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4.氷河期世代を採用するメリット

氷河期世代を採用するとどんなメリットが得られるのでしょう。ここでは氷河期世代を採用するメリットについて4つ解説します。

  1. 人材不足の解消
  2. 前後の世代との橋渡し
  3. 勤勉家が多い
  4. 能力の高さ

①人材不足の解消

少子高齢化の進む日本では、人手不足解消が経営における大きな課題のひとつです。氷河期世代は、「人口が多い」「仕事を渇望する意欲的な人材が多い」「基本的なビジネスマナーやコミュニケーションスキルを習得している」ため、戦力として活用できます。

②前後の世代との橋渡し

インターネット環境ひとつとっても、「50代以上の経営層や管理職層」「20~30代の比較的若い社員層」では育ってきた環境が違います。氷河期世代は、情報通信の急速な進化を肌で感じてきた世代です。そのため、2つの世代の橋渡し役になります。

③勤勉家が多い

新卒で就職先を自由に選択できなかった結果、「自分の雇用を守るために、一生懸命仕事をして成果を生み出そうと努める」「少しでもスキルや経験を積んで、会社に貢献できる人材として認めてもらおうと努める」姿勢で働く勤勉家が多く存在するのです。

④能力の高さ

就職氷河期世代は、経済情勢の悪化により厳しい就職活動を迫られました。そのため、自分の希望よりワンランク下の会社に就職したケースも少なくありません。この世代は能力の高さが評価され、ヘッドハンティングで狙われている注目の世代でもあるのです。

氷河期世代を採用すると人材不足が解消できます。勤勉で能力の高い人も多いため、前後の世代との橋渡しの役割も期待できるでしょう

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5.氷河期世代を育成するための支援

氷河期世代を育成するための支援として2019年、内閣府から「就職氷河期世代支援プログラム」が発表されました。一体どのような内容なのか、見ていきましょう。

就職氷河期支援プログラムとは?

就職氷河期支援プログラムとは、2019年5月に内閣府が経済財政政策の下に発表した施策のこと。プログラムの中身について支援の対象者も含めて解説しましょう。

支援の対象者

就職氷河期支援プログラムの支援の対象者は、現在30代半ばから40代半ばの世代です。

「雇用環境が厳しかったため新卒での就職活動で、不本意な就職を余儀なくされた」「新卒で希望の仕事に就けず、現在も非正規雇用といった不安定な仕事に就いている」「無職」といった、いわゆる就職氷河期世代を対象としています。

短期資格等習得コースの創設

短期資格等習得コースとは、「国が連携したさまざまな業界団体のサイトから申し込む」「 1~3カ月ほど、無料の職業訓練や研修を受けて資格や技能を取得する」「就職したい企業を見学し、採用試験を受ける」などにより、正規雇用での就職を目指す施策です。

2020年12月の時点で11業界団体が参加しています。

ハローワークに専用窓口を設置

ハローワークの専用窓口とは、就職氷河期世代の「キャリアコンサルティング」「生活設計面の相談」「職業訓練のアドバイス」「求人開拓」に関し、「各担当者がチームを結成し、個別支援計画を作成」「職業訓練や就職、職場定着といった就業に関する一貫した伴走型支援を実施する」ための窓口です。

地域若者サポートステーションの対象拡大

地域若者サポートステーションとは、厚生労働省が委託した全国のNPO法人や民間企業
などで運営されている就労困難者に向けた就労支援機関のこと。

従来、15歳~39歳までを対象としていましたが、2020年4月より対象年齢が49歳に引き上げられました。さらに40代の支援に関して、全国で相談事業「サポステ・プラス」が開始されたのです。

ひきこもりの相談サービス拡充

ひきこもりについてはこれまで、厚生労働省が精神保健福祉などの分野で相談などを実施してきました。

しかし、

  • 平成21年度からは、ひきこもりに特化した専門的な第一次相談窓口「ひきこもり地域支援センター」を都道府県や指定都市に設置、運営する事業を創設
  • 平成25年度からは、ひきこもり支援に携わる人材の養成研修を実施

など、施策が強化されています。

助成金制度

助成金制度として、下記のようなものが設けられているのです。

  • 安定的な就職が困難な求職者を、一定期間試行雇用すると月額4万円が支給される「トライアル雇用助成金」
  • 正社員経験がない、あるいは非正規雇用労働者である者も含めて正社員経験が少ない者を、正社員として雇い入れると、対象労働者1人あたり計60万円(中小企業以外は50万円)支給される「特定求職者雇用開発助成金」

就職氷河期世代支援プログラムでは、氷河期世代の就労やひきこもり問題などの解決に向けた、さまざまな施策が設けられています