企業は従業員エンゲージメントを高めるべき? 成功企業における施策の具体例について

企業が従業員エンゲージメントを高めたほうがよい理由に、「優秀な人材の流出に歯止めをかける」点が挙げられます。ここでは、エンゲージメントを高めるべき企業の特徴、成功企業の具体的な施策などについて見ていきましょう。

1.従業員の幸せを考えている企業とは?

近年、日本の企業では従業員エンゲージメントが低く、従業員が自分の仕事に熱意をもって幸せに働けていないといわれています。日本の従業員エンゲージメントが低い理由にはどんな原因があるのでしょうか。

そのひとつに、共同体的な組織運営と若者や中堅層が持つ働く意識や価値観とのずれが挙げられます。

現在の日本では、「人と組織との関係性にメスを入れるときが来たのでは」と考えられています

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2.企業における従業員エンゲージメントの意味

大企業でも課題として挙げられる従業員エンゲージメントとは、「従業員が所属する組織と自分の仕事に対して抱く、熱意と自発的に貢献しようという意欲」のこと。これは「従業員満足度」とは180度異なり、似て非なるものです。

企業と従業員の関係を見直してみよう

「価値観の多様化」や「ダイバーシティー」といった考え方は、今では珍しくありません。一昔前のように、従業員一人ひとりの価値基準や仕事に対する動機を一律に考える方がもはや困難な時代です。

従業員の多様な期待に応え、全従業員から熱意や情熱を引き出すのは途方もない作業です。しかし企業を発展し、存続していくには優秀な人材を引き止め、彼らの力を最大現に引き出す必要があるでしょう。

従業員エンゲージメントが高い状態とは、期待を媒介にして会社と従業員の間に幸福な関係が築けていることです

3.従業員エンゲージメントを高めるべき企業の2つの特徴

従業員エンゲージメントを高めるべき企業には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは下記2つの特徴から、企業が取り組むべき課題を見ていきます。

  1. 従業員の離職率が高い企業
  2. 会社に対して貢献意欲の低い従業員が多い企業

①従業員の離職率が高い企業

「2年以内には会社を離れたい」と考えている比率が最も高い20代(図表1)に絞って、各国ごとのデータを比較してみましょう。2016年において2年以内に会社を離れたいと考えている20代の比率は、日本が最も高いと分かります(図表2)。

もともと就社という概念がないアメリカや、経済が猛烈に発展している中国と比較してもかなりの伸び率といえるでしょう。

図表1

図表2

②企業への貢献意欲の低い従業員が多い企業

大企業では、離職と異なる大きな問題が起こっています。それは、会社への貢献意欲と仕事への熱意が低い、宙ぶらりん状態な従業員層の存在です。

同調査によれば、大企業では7割以上の従業員が「このまま何となくこの会社にいてもよいかも」と考えていることが分かりました(図表3)。

反対に「期待されている以上、貢献をしたい気持ちになっているか」といった問いに対して肯定的な回答は非常に低くなっているのです。

図表3

「会社は辞めない、しかし求められる以上の貢献をしようとは思っていない」。従業員にそう思われる企業は、従業員エンゲージメントを高めるべきです

4.エンゲージメントの向上における成功企業事例まとめ

従業員エンゲージメントの向上に成功した企業は、業績でも確かな成果を上げています。ここでは、従業員エンゲージメントの向上に成功した企業の具体的な事例を5つ紹介します。

  1. スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
  2. ヤマト運輸株式会社
  3. 株式会社 小松製作所
  4. dely株式会社
  5. GMOペパボ株式会社

企業事例①スターバックスコーヒージャパン

スターバックスコーヒージャパンでは、従業員それぞれが日常的に「どうしたらよりよい行動を取れるのか?」について考えられる環境を整えました。

また従業員一人ひとりが自発的に考えたり動いたりでき、より成長した自分を形成できるようにするため、下記3つの視点を重要視しています。

  • 他者を信じる
  • 自分を認める
  • 誰かの役に立とうとする

従業員が職務上不都合の生じるような行動を取った場合、上司や同僚は叱ったり注意したりしません。

「自分の行動で相手がどう感じたか」「どのような行動を取るとよりよいのか」を当該従業員自ら考えるようにさせた結果、従業員エンゲージメントの向上に成功したのです。

企業事例②ヤマト運輸

ヤマト運輸では、「自己評価」「周囲からの評価」「企業からの評価」をそれぞれポイントにしてイントラネットに蓄積する「満足ポイント制度」を導入しました。

1年間に蓄積したポイント数によって4種類のバッジが贈呈され、ポイントが高ければ高いほどより名誉のあるバッジを獲得できるようにしたのです。

同時に従業員同士でお互いのよい面を引き出しあい、信頼関係を強めるための取り組みも行われました。結果、ヤマト運輸では従業員自らが積極的に評価を上げ、高い従業員エンゲージメントを実現したのです。

企業事例③小松製作所

小松製作所は、「人はお互いつながりを持つ」「それぞれが行動から新しいことを学び、また行動する」「人を通して価値が高まる」という点を発見しました。

そして従業員エンゲージメントを33%から70%に引き上げ、注目を集めたのです。小松製作所では、エンゲージメント向上の秘策は以下の3つだと伝えています。

  • エンゲージメント(つながり)
  • アクティベイト(有効)
  • リフレクト(フィードバックや繰り返し)

企業事例④dely

日本最大級の料理動画レシピサービス「kurashiru」を運営するdelyも、従業員エンゲージメントの向上に成功した企業のひとつです。あるツールを用いてそれまで肌で感じていた企業の強みや課題を、数値として明らかにしました。

delyが課題としていたのは、現場と経営層を繋ぐ「共通言語」の不足。会社が大きくなるにつれ、現場の声を経営側へ伝えることに難しさを感じていました。

そこにツールを用いて、パフォーマンスを停滞させていた原因の可視化に成功。高い従業員エンゲージメントの実現につなげたのです。

企業事例⑤GMOペパボ

ハンドメイドマーケット「minne」やブログサービス「JUGEM」など、さまざまな個人向けインターネットサービスを提供するGMOペパボでは、「課題を一緒に見つける」というアプローチ方法に着目しました。

発見した課題をそのまま本人に伝えても、不信感や疑いを持たれてしまいます。そこで、目に見える形で議論し、問題点の正確な把握を目的に、他部署の人たちと一緒になって課題を正確に捉えられるワークショップを開催したのです。

その結果、従業員エンゲージメントの向上に成功しました。

従業員エンゲージメントの向上に小手先の方策は通用しません。さまざまな企業の成功例を参考にして、会社と従業員の関係性を根本的に見直してみませんか?