人事が知っておくべきコンピテンシーとは? 採用面接や評価で使うコンピテンシーを解説

コンピテンシーとは、高業績を生み出す社員が持つ行動特性のことです。ここでは、コンピテンシーを活用した採用面接や評価について解説します。

1.コンピテンシー人事評価とは?

コンピテンシー人事評価とは、コンピテンシー(高業績を上げる人の行動特性を意味する概念)をもとに行う人事評価のこと。活用により、「高業績を実現する人材モデルの可視化」「モチベーションの向上」「能力の高い人材の選抜」などが実現できます。

コンピテンシーの成立ち

コンピテンシーの起源は、1970年代、政府の依頼を受けて外務情報員に関する調査を行ったハーバード大学の心理学教授であるマクレランド氏に、さかのぼります。

高業績者の成功談と失敗談から特徴的な職務行動を洗い出すなかで、「一定職務の高業績者の成功要因を実証的に抽出」「測定評価技法の制定」といった2点を通し、高業績者の持つ特徴の解析を達成できました。

コンピテンシーは1997年ごろに日本でも紹介され、徐々に注目度を高めていったのです。

注目されているコンピテンシー人事の特徴とは?

注目されているコンピテンシー人事の特徴は、下記のとおりです。

  • 社員の能力や適性を客観的に評価しやすくなる
  • 社員の業務遂行プロセスを明確にできる
  • 社員に不足する能力を把握できる

コンピテンシーとは高業績者の行動特性を用いた人事管理のことで、コンピテンシーモデルにもとづいた客観的評価を可能にします

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2.人事評価する際に知っておくべきコンピテンシー活用ポイント2つ

人事評価を実施する際に知っておくべきコンピテンシー活用ポイントは、2つです。ここでは、コンピテンシーを導入して業績の向上を実現させるために知っておきたいポイントについて、解説します。

  1. コンピテンシーを人事に導入した際のメリットを理解
  2. コンピテンシーモデルの自社設計

①コンピテンシーを人事に導入した際のメリットを理解

コンピテンシーを人事に導入すれば、現場に即した実践的な評価ができるため、下記が実現します。これらを社員のモチベーションの向上や能力開発につなげれば、業績も向上するでしょう。

  • 具体的な評価基準による効率的な人材育成
  • 上司の主観を排除した客観的な人事評価
  • 公正な評価による社員の納得度の向上
  • 戦略的人材マネジメント

②コンピテンシーモデルの自社設計

コンピテンシーモデルとは、それぞれの企業の現場で活用するためのコンピテンシーをモデル化したもの。

コンピテンシーモデルの設計や活用は、将来的な企業業績の向上に寄与します。そのためには汎用モデルの適用ではなく、コンピテンシーモデルを導入する目的を明確にしながら、業種や職種に応じた個別の行動特性をモデル化する必要があるのです。

コンピテンシーモデル活用のポイントは、「コンピテンシーを人事に導入した際のメリットを理解」「コンピテンシーモデルの自社設計」の2つです

3.コンピテンシー面接とは?

コンピテンシー面接とは、受験をした人が、自社の求める能力やスキルを保有しているか否か、コンピテンシーを用いて客観的に評価すること。ここでは、「コンピテンシー面接は人事評価で使えるのか」という観点から解説します。

コンピテンシー面接のメリット3つ

コンピテンシー面接のメリットは、3つです。

  1. 印象や学歴などの表層部分以外で判断できる
  2. 行動パターンから考えや本質、人間性を見られる
  3. 自社の人材と比較できる

①印象や学歴などの表層部分以外で判断できる

コンピテンシー面接では、応募者の過去の行動の動機にクローズアップし、応募者の本質的な能力を見抜きます。そのため面接官が応募者に初めて会った時の第一印象・履歴書に記載されている書面上の能力にとらわれずに、採用活動を進められるのです。

②行動パターンから考えや本質、人間性を見る

コンピテンシーモデルをもとにすれば、応募者の本質を見極めるような質疑応答が可能となります。想定問答以外の質問を行えば、さまざまな角度から応募者はどのような人物なのか、見ていけるのです。

③自社の人材と比較できる

社内で設計したコンピテンシーモデルのもとになるのは、高業績を収める社員の行動様式。つまりコンピテンシーモデルと応募者を比較検討すれば、高業績社員と似ている行動様式を持つ人材を発掘できるのです。

コンピテンシー面接で注意すべき点3つ

コンピテンシー面接で注意すべき点を3つ、解説します。

  1. 比較のためにはモデルとなる社員が必要
  2. 細かなコンピテンシー設計が必要
  3. 個人的観点より指標と照合を重視する

①比較のためにはモデルとなる社員が必要

コンピテンシー面接を実施するには、モデルとなる社員が必要です。まずはコンピテンシーのモデルとなる社員を探し、特性を調べてまとめましょう。

②細かなコンピテンシー設計が必要

コンピテンシー面接を実施するには、コンピテンシーを企業や職種、業務ごとなどに細かく設計する必要があります。いったん設計したコンピテンシーも、必要に応じて適宜バージョンアップしていくなど、常にメンテナンスが必要です。

③個人的観点より指標と照合を重視する

「面接官個人の感情的、感覚的な評価を可能な限り排除する」「企業として求める人材を客観的に公正に選別する」など、コンピテンシーとの比較や照合作業を丁寧に行うことが必要です。個人的観点からの評価をいかに少なくできるかが成功を左右します。

コンピテンシー面接のメリットと注意すべき点を押さえると、実効性の高いコンピテンシー面接が実現できます

4.コンピテンシー人事評価とは?

コンピテンシー人事評価とは、自社で設計したコンピテンシーを元に行う人事評価のこと。日本に従来ある職能資格制度に代わる新しい人事評価として、普及が進んでいます。コンピテンシー人事評価とは何か、詳しく解説しましょう。

コンピテンシー人事評価のメリット4つ

まずはコンピテンシー人事評価のメリットを見ていきましょう。

  1. 評価基準が明確になる
  2. 能力開発につながる
  3. 効果的な人材育成で生産性の向上を図る
  4. 経営戦略を把握できる

①評価基準が明確になる

コンピテンシー人事評価は、評価者の思考特性による評価ではなく、自社が設計したコンピテンシーを基準にして評価します。つまり、「評価者の主観を排除できる」「コンピテンシーを活用して個人の目標を設定できる」ため、評価基準を明確にできるのです。

②能力開発につながる

コンピテンシーとは、高業績社員の具体的な行動特性を分析してまとめあげたものですので、「どのような行動が高業績につながるのか」という具体的な要素が明確になっています。

高業績につながる行動を目標に定めるため、モデルを意識しながら能力開発できるのです。

③効果的な人材育成で生産性の向上をはかる

コンピテンシーモデルを他の社員に明示すると、ほかの社員も「自分がどのように行動すれば高業績を上げられるのか」を習得できます。結果、「効果的な人材育成」「生産性向上」などが実現しやすくなるのです。

④経営戦略が把握できる

コンピテンシー人事評価を導入すれば、コンピテンシーモデルをもとにした人材育成や能力開発を計画的に実現できます。また部署や職種、人材ごとの能力や行動特性をもとに適材適所の人事配置も実現するため、実効性の高い経営戦略が立案できるのです。

コンピテンシー人事のデメリット3つ

メリットの多く見えるコンピテンシー人事評価ですが、デメリットもあります。

  1. ひな形がないのでコンピテンシーの抽出に時間を要する
  2. 臨機応変に適応し続ける必要がある
  3. モデルの選定や設定、検証から始める

①ひな形がないのでコンピテンシーの抽出に時間を要する

コンピテンシーは、企業や職種、業務ごとに異なります。つまりコンピテンシーを設計しようとする際、テンプレートは存在しません。オリジナルのコンピテンシーモデルを設計するためにはゼロから設計しなければならず、時間を要するのです。

②臨機応変に適応し続ける必要がある

コンピテンシーの弱点は変化に弱いこと。「企業の方針転換」「プロジェクト内容の変更」「市況の変化」が起こった場合、それまでのコンピテンシーは通用しなくなるため、状況に応じてコンピテンシーを随時バージョンアップしなくてはなりません。

③モデルの選定、設定、検証から始める

コンピテンシーをモデルとなる社員がいない場合、コンピテンシー人事評価は行えません。またせっかく設計したモデルが、必ずしも企業業績を上げるための正解とは限らない場合もあるため、導入には十分な検討が必要なのです。

コンピテンシー人事評価のメリットとデメリットを理解して、コンピテンシーを設計しましょう