2017/02/15 公開

「いかに良質な決断経験を本人に積ませるか」サイバーエージェント曽山氏が語る「抜擢人事」を促進させる5つの仕掛け

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「決断の「量」と「質」によって人材の価値は決まる」

まず、「抜擢人事」というテーマについて人材育成と紐付けて簡単に紹介させていただきたいと思います。

CAが人材育成において最も大切にしているキーワードがあります。それは「決断経験」。このひと言につきます。決断の「量」「質」によって人材の価値は決まるということです。

CAは新しい産業で事業展開しているベンチャー企業であるため、研修だけでいい人材が育つのかというと、そんなことはない。もちろん研修も大事ですが、それ以上に大切なのは、いかに良質な決断経験を本人に積ませるかということです。
例えば営業が「(得意先に)この資料とこの資料、どっちを持って行こう」と悩んで「こっちを持っていこう」と決めること、これも決断です。もしくは上司に対して「ちょっとチームに問題があるからなにか提言してみる」、これも決断です。

つまり「決断」とは、大それたものだけではないということです。日々、自分が決めたと言える「決断」がどれくらいあるのかということが非常に重要なのではないか。だからCAは、入社1年目からでも決断経験は提供できるはずだと考えております。

「抜擢人事」のためにCAが実践する5つの仕掛けとは?

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具体的な取り組みとして、CAが抜擢人事を敢行するために実践している5つの代表的な仕掛けをご紹介します。

1 2年に1度取締役が交代!トップが変わることで人材育成を加速させる「CA8」

まず1つ目が、「CA8」と呼ばれるものです。これはCAの8人の取締役が2年に1回、2人入れ替わるというものです。この仕組みを取り入れてから3年後には営業利益が3~4倍になりました。CAでは人材に変わってほしければ「経営トップから変わるべきだ」と考えており、それを習慣化する仕組みです。

一方で役員を退いた人が降格と受け止めないように、「席を譲る」という考え方も浸透させています。実は私も取締役を6年務めた後に、2年間執行役員になって、つい先日、また取締役になることが決まりましたが、そういった出戻りの事例もあります。

2 新規事業と優秀人材を同時に発掘する「あした会議」

2つ目は、サイバーエージェントの「あした」を作ろうという会議、「あした会議」です。この「あした会議」では新規事業の発掘と優秀人材の発掘の両方を行います。

具体的には役員がチームリーダーとなって新規事業や課題解決案を用意し、それをプレゼンして、役員が全員そろっているその場で決議し、提案内容の優劣を競って順位を決めるというものです。例えば新会社を作る場合なら「社長には彼がいいだろう」とか「コストダウンの仕組みとしてこういう制度を入れよう」とか、そういった提案をします。

この取り組みは10年前から始めて年に1~2回行っていますが、この取り組みによって子会社が28社生まれ、売上は累計で700億円、営業利益は100億円に達しています。抜擢人事と新規事業を実践する社内制度として、極めてうまくいっていると思います。

3 新規事業を生みだすサークル「NABRA」

3つ目は、「NABRA」です。新規事業を活発化させどんどん増やすためにサークル・部活のようなNABRAというチームを作って、新規事業について積極的にインプットし、一人一人が提案する場を設けています。

4 適材適所の異動・抜擢人事を促進する「社内ヘッドハンター」

人材抜擢を行うために大切にしているのが、4つ目の社内ヘッドハンターです。人事の中に社内ヘッドハンティングをする専門のメンバーが4人おり、普段から事業部長や社員と面談をして適材適所なところにどんどん異動させるための人事案を役員会に提案するという仕組みを取っています。

5 現役役員18名とU30役員予備軍18名による勉強会、「CA36」

5つ目は、「CA36」です。サイバーエージェントには取締役と執行役員あわせると18人いますが、次世代リーダー育成を目的に、30歳以下のリーダー候補社員を18人選抜して、月に1回から2ヶ月に1回のペースで勉強会を行っています。ここで人材抜擢と育成を行っています。

私からは以上となります。ありがとうございました。

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カオナビブログ編集部
このブログはナビ介、ナビ男、カヲリのカオナビ社員3名が執筆しています。ヒューマンリソース分野のトレンドや注目キーワードの解説を中心に、カオナビの企業活動やとりとめのない話などを発信していきます。